vol.91 ソウル日本時代の残滓 西大門刑務所跡歴史館 (※南大門市場ブラ付) | 旅ブログ Wo’s別荘

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 去る4月、韓国へ行ってきました飛行機

 

韓国については、一昨年の韓国旅シリーズ(vol.50~52)で大々的にやりましたので、今年は1ヵ所のみピックアップしてupします。

ソウル市内西部にある、日本時代の刑務所建物を保存している、西大門刑務所歴史館に行ってきました。

生々しい歴史を伝える、衝撃的でもあった場所でした。早速スタートします。

 

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↑地下鉄1号線・清涼里駅付近のホテルの窓から見るソウル市街ビル


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地下鉄に乗り、3号線の独立門駅で下車地下鉄
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駅の名前の通り、駅から地上に上がると・

凱旋門の小型みたいな、↑『独立門』が目に入ります目
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1897年、日清戦争で日本が勝利した事に伴い、朝鮮が清の属国という立場から開放されたのを記念してつくられました。

形の通り、パリの凱旋門をモデルにしたと言われていますクリップ

 

↑門の手前に2本の柱が立っていますが、これは独立門が出来る以前、この場所にはかつて、それまで宗主国だった清の使節を迎えるための、"迎恩門"という別の門が存在し、その柱だけが残っているとの事旗
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ここは、韓国の国指定史跡になっています。
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独立門の周辺は、公園として整備されていますチューリップ黄

公園内には、様々な銅像も建っています(※全て独立に関するものです)
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桜も咲いている公園内、韓国伝統の建屋が佇んでいます桜

この建物は・
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↑独立館といいます家

かつては清の使節を接待する場所でしたが、清の支配から開放後は独立運動の拠点として使用されました。

現在の建物は、1995年頃に改修されたものですレンチ


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今作メインの場所へ向かいます走る人

この独立門公園の大半を占めているのが、冒頭前述の西大門刑務所跡です。


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日本時代からの刑務所跡が現存、保存公開されています。
↑一部残されている当時の高い塀をくぐると、入場券売場と入場口ですチケット

煙突のようにも見える↑塔は"見張り台"で、当時の姿をとどめています。
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内部へ入った第一印象は、↑とにかく敷地が広々と感じた事目

過密都市ソウルの真ん中に、こんな場所があったのか?という感じです。

一部取り壊されている建物もあるとの事ですが、敷地面積はほぼ当時のままの広さです。
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まず、当時の管理棟を改造した、展示館を見学します。
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この刑務所の使われ方は、『日本占領時代』と『戦後の軍事政権時代』の大きく2つに分れ、その各々で性格が異なる運用をされていました。

展示もその各々について順に言及する形で、まず日本占領時代から始まります。

日本時代、併合に反対し命がけで独立運動に関った運動家が、次々とここに送られました。
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終戦とともに日本占領時代が終り、韓国も戦後が始まった訳ですが、その後韓国が民主化するまでの軍事政権時代の同刑務所の史実にも、目をそらさず取り上げているのが特徴です。

 

ちなみに韓国が"民主化"の道を歩みはじめたのは全斗換政権終了後の80年代後半以降なので、そんなに昔の話ではありません。

この刑務所は1987年まで現役として使われていました。そのためこれからご覧頂く写真は、生々しいものもあります。
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この刑務所の設立は1908年(※日本元号で明治41年)、日本時代の教科書や官報等の資料も展示しています。
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↑壁一面に、この刑務所に収監されていた政治犯の写真が貼られている部屋もありました。

↑写真に写る多くの受刑者が、この地で刑死、あるいは拷問を受ける等の処遇をうけています。

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当時の手錠や手枷足枷等の刑具も展示。

ここまでが本館1Fの概要です。

 

つづいて、順路は地下へと続きます右下矢印

そこには・
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地下に降りて最初に目に付くのは、↑入口でふんぞり返っている日本兵の蝋人形ナゾの人

 

↑写真では鉄格子の中にいるように見えますが、実は日本兵の後ろが順路になっていて、あとで頭を叩きながら通ることも出来るというつくり(?)になっています。
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この管理棟の地下は当時、何に使われていたのか・

 

↑解説板にありますが、"拷問"するための場所だったんです。
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取調べ室が再現されていましたが、さらにもっと恐ろしい場面も再現されていました。
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自身の信条が国の方針と違うというだけで捕らえられ、これから残酷な拷問をうけるという政治犯の姿、人形で再現。
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恐ろしい拷問の種類の数々が、人形や実際の道具等で再現されています。
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水責めなど数種類の拷問を再現していましたが、一番凄まじいと思ったのは↑"爪刺し拷問"の部屋。

あまりにも凄惨な内容のため、ここには再現の人形さえおいていませんでした。
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また、↑狭い箱に閉じ込めたり、トイレもない独房に監禁する等の拷問もあったとの事。

時を越えても生々しさを残す展示に圧倒されました。
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地下拷問室跡を出て、地上に出ます右上矢印

 

つづいて、刑舎等が点在する敷地内を歩きます。
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前述の通り、1987年まで現役だった西大門刑務所ですが、民主化後、隣接する独立門一体とともに歴史公園化する事業が行われ、1998年に『刑務所歴史館』としてオープン、一般見学を開始。2009年に一部リニューアルされて現在に至っています。
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敷地の隅、↑壁際の高台に、小さな建物がありました。

これは・
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ハンセン病の受刑者を隔離する刑舎です。

 

さらに、壁際にはさらに衝撃的な建物が公開されています。

それとは↓
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↑外壁にくっつくような専用の塀で仕切られています。

その、厳重な壁の中は・
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ここは、死刑場です。
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死刑場のみ、内部の撮影が禁止されています。

この入口から入るとすぐ、木造平屋の刑場があり、立会人席の正面に絞首のロープもかけられていました。

言葉も出ない程の生々しさでした。
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刑場のすぐ脇にある↑の通路は"屍躯門(シグムン)"と呼ばれ、刑死体を外の墓地に運び出すための秘密通路だったとの事です。
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刑場の左にある大木、刑場に引っ張られていく死刑囚が最期にすがって抵抗したという歴史もあるという事です・
現在は、↑背後の壁のむこうには高層マンションが林立し、時代の流れを感じさせます。

 

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次に、監獄の中を見学します。
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↑は、最も重い政治犯が収容されていたと言われる9号獄舎です。

この棟は閉鎖されているんですが、内部を見学できる棟もあるので、これから行きます。
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獄舎の脇に設置されている飲み物の自販機が、なんか違和感というか不思議な感じもします。
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↑内部が公開されている獄舎に入ります
走る人
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廊下の両側に、数人づつを収容する房の扉が並びます。
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廊下の上からは、看守の人形が見下ろし、睨みをきかせています
目
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↑扉は分厚いものですが木造なので、開閉してみましたが意外と軽い感じがしました。

(※一部、房内部に入れる部屋もあります)
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扉の上には、当時の書類等がそのまま貼り付けられたままの所もあり、近年まで使われていた名残を感じます。


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各房の扉の横に、↑縦に長細い穴があります。これは"ぺトン"といい、房内で何か異常事態があると~
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↑中から木の棒を倒して、外の看守に何らかの異常事態が起こったことを知らせる仕組みになっていました。
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↑懲罰用の独房。

拷問用のもの同様、トイレの便器もありません(※用は奥の穴にむけて足します)
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人形で、囚人の様子を再現しています。
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↑当時の獄舎内で受刑者が使っていた食器
ナイフとフォーク

 

"発掘された"との解説が付いてましたが、刑務所閉鎖後このような品は、見向きもされず廃棄されたと思われます。

まさか歴史の証拠品として展示物になろうとは、食器たちも想像してなかったでしょう。


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↑許可された受刑者が、手紙を書いたり閲覧するコーナー手紙

ここが今、なぜか"入場者の落書きコーナー"になっています。
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中には日本語での落書きも
あせる

僕が行った時点では、展示物の半分弱くらいは日本語での説明も併記されていました(※日本語ない場合はハングルと英語のみ)

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順路ラストには、ミュージアムショップもあり、
受刑者の食事をつくっていた厨房棟の跡との事です。

 

この刑務所の凄惨な過去にはホント衝撃をうけましたが、歴史を正しく知る事は大切だと思うし、温故知新じゃないですが、過去を知ってこそ未来への展望も描けると思います。

今、世界の多くの人が自由を謳歌して民主主義の世界で暮していますが、今なお政治犯が存在し捕えられている国々も世界に多数存在する事も忘れてはならないと思います。

 

見応えあった、旧西大門刑務所歴史館でした。

 

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独立門から、ソウルの街中へ戻り・

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南大門市場へやってきました
しっぽフリフリ

近年かなり観光化もされてきて、一昔前のようなディープな感じは薄まってきましたが、それでも独特の活気あふれる韓国の市場の雰囲気は、いつ来ても楽しいです^グッド!

 

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そして、南大門市場の名の通り、ここには城門都市・ソウルの顔であった『南大門』があったんですが・

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2008年、放火により惜しくも全焼してしまいました汗

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在りし日は韓国最古の木造建築で、韓国国宝第1号だった南大門ですが、2011現在復元工事が行われています。

(※2023追記:2013年に復元完成しました)
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南大門市場には、↑横断幕がありました。

両国国旗とともに、"日本を助けましょう"のスローガングッド!

 

東日本大震災復興のエールは世界中から送られていますキラキラ

 

 

 

 

 

(※2021.11 2023.12 文一部修正)