最初のご挨拶

ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観るために原作を読んで予習しています。今回は六回目になります。

<今までの記事>

第一回①「フランス革命期の年表」「執筆時のユゴー」

第二回②「序文に見る作者の想い」「版画について」「ヴァルジャンの生立ちと19年の刑の内訳」

第三回③「ミリエル司教の原作での設定とヴァルジャンへの対応の心理」「ファンテーヌのパートナーについて」

第四回④「ヴァルジャンが工場長、市長へと上り詰めた過程」「ジャヴェルの生立ちと性格」

第五回⑤「マリウスの生立ちと思想の変化」

まず、断っておきますが…

原作を読んだときの私の読書メモを見ながら記事を書いていますので、理解力の無さによってユゴーの真意を汲めてなかったり、勘違いしているところもあるかと思いますので、軽い気持ちで(そして優しい気持ちで)見てみてくださいニコあと、私はあくまで「原作の設定では」という視点で書きますので、舞台版でその設定を踏襲しているとは限りませんパー

今回の内容

ABCの友の仲間とそれぞれの設定についてご紹介します。

ミュージカル版で誰が出てきて誰が省略されているのか分からないのですが、いろんな設定の青年たちがいてそれなりに面白いので今回取り上げました。

単語の羅列が続きますが、今回は箸休め的な感じですので軽い気持ちでどうぞニコ

ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観るための資料として

ABCの友について

「ABCの友」という結社

パリの広範な下層の結社組織、同盟。
外見上は「子供の教育」を目的としたもので、実際は「人間の台頭」を目的としていた。
ABC(アーベーセー)の響きは「民衆、抑圧されたもの」を表すAbaisse(アベッセ)と重ねて付けられた。
彼らは「民衆を引き上げたい」という思いから活動をしていた。
「ABCの友」はあまり大勢の組織ではなかったが、芽生えの秘密結社のような存在だった。

仲間たちそれぞれの設定(性格等)

筆頭アンジョルラス:22歳、富裕な一人息子、魅力的・勇敢・美しい男。目撃したように革命の伝説を知る、司教的であり戦士的、民主主義の兵士とも言える男、理想に仕える牧師のような存在、極めて真面目。言葉は霊感を帯びる。

唯一の熱情は「権利」・唯一の思想は「障害を覆すこと」。

女性を知らず興味がない。誰かが言った「アンジョルラスの情婦の名はパトリアだ(パトリア=祖国)」

革命の論理を代表する男。革命の神聖な権利を表現している。

厳しい首領。

 

コンブフェール革命の哲学を代表する男。アンジョルラスを補い訂正する。

革命の自然な権利を表現、人間的で優しい指導者。時勢に通暁、学問を研究、教育問題を気に掛ける。学者、潔癖、几帳面、多芸、思索的。

停滞も急進も望まない。

 

(補足:作者ユゴーはアンジョルラスを革命の論理を代表する男とし、コンブフェールを革命の哲学を代表する男と表現しましたが、前者に関して「論理は戦争に帰結されうる」とし、後者に関して「哲学は平和に到達するのみ可能」と書いています。

彼ら性格の違う個々の集まりによって、仲間の内でそれぞれ欠けているものを補い合っている様子が伝わります。)

 

ジャン・プルーヴェール:富裕な一人息子。ぞんざいな服装、内気で勇敢。穏やか、情緒深い、博識、善良。精神は人と神との態度を持つ。研究・静観した。社会問題を探求。

 

フイイー:孤児、扇作り職人。「世界を救済する」という一つの考えを持つ。自己の救済として独学で歴史を学んだ(…フランスのことばかり考える仲間の中でフランス以外を代表する視点を持った)。

寛大な心、広大な包容力、深い洞察力、雄弁、正義の擁護者。

 

クールフェーラック:「ド・クールフェーラック」と呼ばれる父を持つ(※「ド」とは…王政復古の貴族・華族が貴重がっていた爵位を表す前置詞で、ここでは「愚かな王党派」的な意味を持つのだと思います。)

若々しい元気を持つが後に消え失せた。善良な男。

 

バオレル:上機嫌、悪友、勇者、金遣いが荒い、放蕩者、饒舌、大胆。(ユゴーに言わせると「最も善良な魔性のもの」)

大胆なチョッキを着て真っ赤な意見を言う。

11年大学に留まり法律を勉強するが、「決して弁護士にならず」がモットー。

田舎者の両親に自分を尊敬させるような術を持ち、安心させて年3000フランの学資をくだらないことに費やす。

気まぐれで多くのカフェに出入りし(多くの団体・結社に顔が利く)、傑出した洞察力と思索力を持つ。他の団体との連鎖役。

 

レーグル:25歳、ただ一人のハゲ頭。王から郵便局を与えられたレーグルの息子。ボシュエと呼ばれる。不幸を有する快活な男。何も成功しないのが得意。

投機に手を出し、父の家と畑を失う。学や才があったが全てうまくいかず、終始何かの不幸があるが、常に平気に構え運命の意地悪さに笑っているような男。

種々の妙策を編み出す。

 

ジョリー:23歳、医学生。神経病み。自分を多病者と思い込む。快活さ・若さ・病的・気弱さが同居。鋭敏な精神を持つ。

 

グランテール:何も信じようとしない懐疑主義者。

あらゆるものの上等の場を知っていた。極端に醜く、酒飲み、自惚れ、皮肉屋、放蕩者、賭博…若い仲間の夢想家に不快を与える存在。

アンジョルラスへの狂的信仰を持った(思想ではなくその性格に対して)が、アンジョルラスはグランテールを軽蔑し、常に苛酷に扱い、排斥・拒絶していた。それでもアンジョーラを美しいと言っていた。

 

青年たち・・・:それぞれ家柄も性格も違うが、同じ一つの「進歩」という信仰を持ち、純潔な権利と絶対の義務に愛着を持った。

 

以上

カフェに集う青年たちの設定でした。

いろいろ細かな設定があって、それに即した言動がされるのが面白いです。

 

ミュージカル版ではどのようにカフェの仲間たちが描かれるのか楽しみですニコ

最後までお読みくださりありがとうございますラブ

次回は私にとっての最大の山場「ジャヴェルの自殺までの心の動き」についてどのように原作に書かれていたのか記事にしたいと思っています。

 

**追記**

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