最初のご挨拶

ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観るために原作を読んで予習してます。今回は三回目になります。

第一回①「フランス革命期の年表」「執筆時のユゴー」

第二回②「序文に見る作者の想い」「版画について」「ヴァルジャンの生立ちと19年の刑の内訳」

まず、断っておきますが…

原作を読んだときの私の読書メモを見ながら記事を書いていますので、理解力の無さによってユゴーの真意を汲めてなかったり、勘違いしているところもあるかと思いますので、軽い気持ちで(そして優しい気持ちで)見てみてくださいニコ

 

あと、私はあくまで「原作の設定では」という視点で書きますので、舞台版でその設定を踏襲しているとは限りませんパー

今回の内容

ミリエル司教の原作での設定とヴァルジャンへの対応の心理

ファンテーヌのパートナーについて(コゼットの父親)

を書いていきます。

ミュージカル『レ・ミゼラブル』を観るための資料

①ミリエル司教の原作での設定とヴァルジャンへの対応の心理

(※私が原作を読んで「そ~だったのか!」と思った個所や、ミリエル司教の知られざる性質をただ書き連ねます。それを知ったときの私の感想は省きます。)

 

ミリエル司教の生立ち:高等法院(最高司法機関)評議委員の息子。父は地位を継がせようとして若い時に結婚させた。

 
1789年からの革命によって法院関係の者は虐殺・放逐され分散された。ミリエル氏はイタリアに亡命、その地で妻が病死。革命によって旧社会が崩壊し一家零落。イタリアから帰ると牧師になっていた。財産はない。
 
(この時牧師になったことに対して筆者は「1973年の光景が彼に”俗世間の汚れを逃れて神の道に入ろう”という考えを起したか」と書いています。小説中に”1973年の光景”の説明はありませんが、フランスで1973年に起きた主な史実は以下の通りです。
 
1973年:国王ルイ16世処刑される。フランス革命戦争:英・蘭・西に次々に宣戦布告。ロベスピエールが権力掌握・恐怖政治を断行。王妃マリー・アントワネット処刑される。その他王政の重要人物の処刑。等)
 
ミリエル氏の設定:前半生(青年・壮年期)は社交と情事に過ごし、情熱的だった。品位と優美と才気を備える立派な男。1806年からディーヌで司教職に任命される(ヴァルジャンに出会うのは1815年)。
 
ミリエル氏の生活:広すぎる司教邸と手狭になった病院を交換して、今はかつて病院だった建物に住む。10歳下の妹と侍女と同居。私生活は貧窮・厳か・美しい。司教区をまわって人々を訪れ話を聞き、富む者から多くを徴収し、貧しい者に分ける…分けるものが無くなれば富む者を訪れる。家のカギはどこもいつも開きっぱなし。神を研究したり考察したりなどとはせず、ただ何物もを愛した。
 
革命前からの所持品の内、銀製食器6組と大きいスープさじ1つだけは残っていた(これをしまう戸棚のカギはいつもつきっぱなし)。他には大叔母の遺産の2つの大きな銀の燭台があった。
 
ミリエル氏の持つ本に書かれた3つの走り書き(生活の指針的なメモ)
1「戸を閉めるな」
2「医者に(体が病気の)患者がいるように、私には不幸な者という私の患者がいる。」
3「お前に宿を求める者にその名を尋ねるな。自分から名乗ることが心苦しいような者にこそ特に避難所を必要とする人なのだ。」
 
ヴァルジャンとの出会いの時
ヴァルジャンはその晩宿屋を探し回ったが、黄色い通行券(元極悪徒刑囚である旨が記入されている)のために飲食店・宿屋を次々追い出され途方に暮れていた。そこに親切な夫人が「あそこへ行ってみなさい」とミリエル氏の家を指差し教えてくれた。
 
ヴァルジャンはミリエル氏を訪れると隠さずに自己紹介をした(元徒刑囚だったことや徒刑場で稼いだ僅かな所持金など)。それに対してミリエル氏がかけた言葉は…
 
ミリエル氏:「あなたは名乗る必要は無かったのですよ。ここはキリストの家ですから、名前を尋ねたりしません。聞くのは心の悲しみの有無だけです。あなたが飢えや渇きを感じるなら歓待されます。ここは安息所を求める人の家。つまりあなたの家なのです。それに、私はあなたの名前を知っています。”私の兄弟”だ。」
 
銀食器を盗んで逃げたヴァルジャンを捕らえた憲兵が、彼と一緒に現れた時のミリエル司教がヴァルジャンにだけ聞こえるように言った言葉は…
ミリエル氏:「決して忘れてはいけません。この銀食器は正直な人間になるために使うのだとあなたが私に約束したことは。」(ヴァルジャンはそんな約束をした覚えがないのでポカーンとしているがミリエル司教は話し続ける)「あなたはもう悪のものでもなく善のものです。私が贖うのはあなたの魂です。それを暗黒な思想や破壊の精神から引き出して神に捧げます。」
 
以上
ミリエル司教の人となりが伝わったでしょうか。原作にはミリエル氏のもっと多くの人達との関わりの中で示す慈愛・慈悲があります。彼の誰に対しても変わらない深い愛に感じるものがあります。
私は、もっとミリエル司教の愛の深さをきちんと書きたかったのですが、原作があまりに壮大なので心折れ、断念しましたあせるブツ切れ文章で読みにくくてすみませんあせる

②ファンテーヌのパートナーについて(コゼットの父親)

続いてファンテーヌのエピソードに移ります。

 

パリの若者たち

1817年、パリに4人の20歳くらいの男子学生がつるんでいた。それぞれに情婦(彼女)を持ち、彼女らを連れて8人でよく遊びに出掛けた。その中のフェリックス・トロミエスという男の彼女がファンテーヌだった。4人の女性の中でファンテーヌは一番若く、経験は少なく、彼女の愛は最初で唯一の誠ある愛だった。

 

ァンテーヌの生立ち

社会の濃い闇の底から出たような女。父も母も不明で、姓も洗礼名も無く、通りがかりの人が名付けてくれた。10歳で町を去り、農家に雇われる。15歳で金儲けのためにパリに出る。容姿は綺麗で純潔、美しい歯を持ち、金髪の娘だった。生活のために働き、生活のために彼を愛した。

 

フェリックス・トロミエスという男

4人で党をなし、唯一機才のきく彼はリーダーだった。30歳の道楽者。古書生。年4000フランの収入がある金持ち。体は衰え、しわが寄り、歯が抜け、禿げかけていて、消化が悪い…が活気に溢れた男。

いつも女たちに「何かびっくりすることをしてほしい」とねだられていた。ある日、その構想を仲間に話し、それが日曜の遊楽として実行された。

 

日曜の遊楽

「ある面白い事」を考えた学生4人は女4人を連れて一日中ばか騒ぎをした。

その日のおわりに店で食事をしていると、突然男たちがボーイにメモを託して去っていった。しばらくしてからボーイが彼女らにメモを渡したが、メモには「我々の両親の言葉に従い、帰国する。急いで我らのことを泣き、早く我らの代わりの男を求めなさい」と書かれていた。

女たちは皆笑った。

ファンテーヌはその後一人になってから泣いた。夫のようにトロミエスに身を任せていたし、彼女には子供がいた。

 

以上

原作にはそれ以上はあまり書かれていません。とにかく彼らはゲームのような感覚で彼女らから去って行き、それきりでした。

 

ミュージカルの中のファンテーヌの一曲「夢やぶれて」で、「夏あの人来て 喜びにあふれた 私抱いたけど 秋にはもういない 待ち続けてるわ あなたの帰りを…」という部分がありますが、ずっと「それ誰だよ!?」って思っていたので今回スッキリしましたニコ

 

おわりに

今回は以上です。全然まとまってはいませんが、何となく原作の雰囲気、設定の世界観のようなものは感じられたでしょうか?

レミゼ解釈の参考にしていただけたら嬉しいですニコ

 

次回は「ヴァルジャンが工場長、市長へと上り詰めた過程」と「ジャヴェルの生立ちと性格」について書けたらと思っています。

読みにくい文章を最後までお読みくださりありがとうございます笑い泣き

 

**追記**

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