八坂寺の「地獄絵」 | 石川鏡介の旅ブログ

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四国霊場会公認先達(権中先達)&秩父観音札所連合会公認先達です。四国霊場を中心に、古寺名刹、神社、城跡、名所旧跡。さまざまな旅の思い出を綴ります。

 四国霊場第四十七番札所・八坂寺の境内にある「地獄の道(途)」の外にも中にも注目します。

 壁面には地獄の様子が描かれた絵があります。

 「極楽の道(途)」にも極楽の図がありますが、そちらよりも地獄の絵のほうにひきつけられます。

 あまりにもオドロオドロしい感じですし、地獄の亡者や鬼の表情が良く描かれていると思います。

 

  この鬼は、嫌いなあの人に似ているなあ、とか、この亡者はあいつに似ているなあ、なんて思うことがあるかもしれません。

  極楽浄土は、平穏な世界であり楽しみに満ちた世界。昔の人にとっては、渇望するほどの憧れの世界。あまりリアルな世界ではなかったでしょう。しかし、地獄となるとどうでしょう。「人間界」とは違うのですが、むかしは血で血を洗うような闘争ばかりで、欲望むき出しで骨肉の争うも多かったでしょう。盗賊も横行し、種々の犯罪もあり、道徳心のかけらもない人間が幅を利かせ、誰からも制裁されることなく、我が物顔で暮らし、弱い者いじめをしていたでしょう。飢饉があれば水資源の確保で村ごとに争ったり、わずかな食料をめぐって命懸けで争って、時には殺し合ったりもしたでしょう。

 それはまさに、地獄を身近なものとして感じる状態だったかもしれません。

 だからこそ、地獄の絵に迫力があるのです。

 

 

 

 

 

 

 

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