竹寺(八王寺)《過去のブログ記事より》 | 石川鏡介の旅ブログ

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四国霊場会公認先達(権中先達)&秩父観音札所連合会公認先達です。四国霊場を中心に、古寺名刹、神社、城跡、名所旧跡。さまざまな旅の思い出を綴ります。

 

 武蔵野三十三観音霊場第三十三番札所の八王寺は、別名を「竹寺」といいます。境内の一部、といっても結構広い区域に竹林があるからなのですが、それを活かして、季節によって精進料理が作られ、予約した人に提供されることでも知られています。

 精進料理がつくられる期間は春が三月から六月末まで、秋が九月中旬から十二月まで。予約制で、コースによって値段が違い、三千円、四千円、五千円、六千円の四種類。たけのこと薬草を主な素材とし、自然の恵みを大切に、「目で食べ、心で味わう」ものとして作られているということです。

 さて、そもそもこの竹寺こと八王寺は、寺伝によれば天安元年(西暦八五七年)に慈覚大師円仁が東国を巡った折りに、疫病が流行して人々が苦しんでいるのを憂い、この八王寺の建っている地で大護摩の秘法を修した。そして、一切の障難を除き疫病を降伏して人々の病患を除かん、との誓いにより一体の尊像を造った、というのが始まりで、以来、東国の霊場、山岳信仰の道場として千年余の歴史があるとのこと。

 本尊が牛頭天王で、その本地仏として薬師如来もまつられ、神仏習合の姿がそのまま遺されている、数少ない霊場です。

 慈覚大師円仁が訪れたという巡錫の年、天安元年が丑年だから「丑=牛=牛頭天王」となったのでしょうか?

 三十二番札所の天龍寺が「子ノ権現(ねのごんげん)」で子(ねずみ)に関わりがあり、この八王寺が牛に関係があるとは、なかなか面白いです。「三十四番札所などというものがあったらそこは虎と関係がある、ということに?」などと考えてしまいました。

 山深い札所で竹林があって、たいへん趣がある所だからか、昔から文人墨客の来山が多く、特に俳人が多く訪れることから、「奥武蔵俳句寺」とも呼ばれているようです。

 http://www.takedera.com

(2011年11月 2日の「石川鏡介のブログ」より転載)

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