岩殿観音(過去のブログ記事より) | 石川鏡介の旅ブログ

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四国霊場会公認先達(権中先達)&秩父観音札所連合会公認先達です。四国霊場を中心に、古寺名刹、神社、城跡、名所旧跡。さまざまな旅の思い出を綴ります。

 

 武蔵野観音霊場の法光寺境内から南側の山中に入り、草を踏み分け、岩に彫られた不動明王像や滝や洞窟を見て、坂道をのぼり、倒木をよけたり乗り越えたりして、やっと目的地の「岩殿観音」のお堂に着きました。

 山の斜面に嵌め込まれたようなお堂です。通常のお堂の半分だけ外に出ていて、あとの半分は洞窟の中という、不思議な感じの建物で、これは一見の価値があるな、来て良かったなと思いました。

 岩殿観音堂の、向かって左側を見ました。山の斜面、樹木、石仏、幟などが目に付き、いかにも山の中の霊場に来たな、という感じです。

 向かって右側を見ました。ふもとの方向で、明るく視界が開けています。

 「あれ?」と思いました。

 柵があって、その向こうに工事用の車両が何台も停まっている。

 ということは、ここはクルマで来られる場所なのか?

 あれだけ不便な思いをして山道を歩いて此処まで辿り着いたというのに。車が通れる楽な道があったんじゃないか、とも一瞬だけ考えました。

 しかし、どうやらそこは採石場か石灰石採掘現場とつながっているのか、工事関係者以外は入れないようです。つまり、一般参拝者は私が通った山道を歩くしかないのです。それに私が通った道のほうが滝や不動像などを見学できるわけで、昔の人の信仰の跡を辿る道としては滝や不動経由の山道のほうが正解だったといえます。脇に入り口があり、中に入れるようになっています。法光寺の住職の説明だと、中に入ると自動的に灯りがつく、とのことでしたが、点きませんでした。しかし、雰囲気としては暗いままのほうが良かったです。

 改めて岩殿観音堂を見て、昔はこの中に観音像があったんだな、と思い、わざわざ山道を歩いてここへ参詣に来た往時の人々のことを思いました。

 今は工事現場か知らないが車両が近くまで入れるようになっているが、昔はまさに霊場そのものの雰囲気で、信仰に生きた人々が歩いたのでしょう。

(2011年10月27日の「石川鏡介のブログ」より転載)

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