武蔵野三十三観音霊場の法光寺の奥の院への途中に滝があり、そのすぐ近くには弘法大師が岩に彫ったという伝説のある不動明王像があります。滝に向かって右側の斜面の下に洞窟があり、その脇の岩に彫られているものです。
洞窟はあまり奥行きのないものですが、それでも霊場だと言われれば、なるほど、昔の修験者の修行の場だったんだろうな、と納得できます。不動明王像は、よくある磨崖仏のように形が整ったものではなく、ただ削って不動明王のようにも見える姿にした、という感じですが、それがかえって荒々しくも素朴で、「一夜にして彫った」というような伝説に相応しいものに思えます。
奥の院の観音堂はまだまだ先で、洞窟の上に行き、さらに山道を上って行かなくてはなりません。
途中、何度か、台風による倒木を見かけました。ただ道端に倒れているだけならいいのですが、道を塞いでどうにもならない箇所もありました。
たとえば道端の大木が倒れてアーチ状(?)になっているもの。脇をすり抜けようか、下をくぐるか迷いますが、下の斜面に気をつけながら脇をすり抜けました。
さらに行くと、陸上競技のハードルか走り高跳びのバーのように通せんぼをしているものがありました。これも困りました。脇をすり抜けるというわけにはいきません。杖を使いながら上に乗り、向こう側に飛び降りました。
そのような難路を進んで、やっと、奥の院の岩殿観音堂に着きました。