武蔵野三十三観音霊場の第二十五番札所は円泉寺(えんせんじ)です。正式には梅松山圓泉寺といい、宗派は真言宗智山派、観音霊場札所としての本尊は十一面観世音菩薩、所在地は埼玉県飯能市平松三七六番地です。
一番札所から西へ西へと向かってきたわけですが、円泉寺は二十四番札所の観音寺より東側に在ります。観音寺門前から北へ向かい、国道二九九号線に出て、二九九号バイパスを東に進みます。そして警察署の在る所かそれよりひとつ先の信号で左折し、今度は病院の在る所でまた進路を東へとります。しばらく畑の中ののどかな道を行くと円泉寺前に着きます。
都会の中の札所から始まった武蔵野三十三観音霊場巡りですが、もうすっかり山里の手前の畑作地帯の中、という感じです。のどかな景色は心身にゆとりをもたせるようだ、と感じるのは私だけではないと思います。
円泉寺の本堂には不動明王がまつられており、札所本尊の十一面観世音菩薩像は本堂隣りの観音堂に安置されています。この観音像は弘法大師が唐から持って来た像だと言われているようです。飯能市郊外に弘法大師ゆかりのものといわれる観音像があるということは、飯能という土地の歴史の古さ、重要性を示しているように思えます。