武蔵野三十三観音霊場の第十九番札所は東光寺です。正式には法栄山東光寺といい、宗派は真言宗豊山派、札所本尊は聖観世音菩薩、所在地は埼玉県入間市小谷田一四三七番地です。
十八番の蓮華院からの道のりは、まず、国道十六号線に戻り、南へと進路をとり、しばらく進みます。南へ進むと下り坂になっているのですが、坂をおりきると「扇町屋」という交差点があります。ガソリンスタンドがあるのが目印です。そこを右折すると県道六三号の青梅入間線で、西の青梅方面へ進み、圏央道の下をくぐり、霞川にかかる桂橋という橋のたもとのバス停前で右折します。そしてまた今度は左折すると、東光寺の門前に着くのです。
入間川と霞川の間にはちょっとした丘陵地帯があるのですが、その丘陵の手前の台地の上にお寺があります。このへんまでくると、田舎のちょっとしたお堂という感じで、のどかなものです。
お寺の創建は明らかではないということなので、戦火かなにかで資料が散逸したのでしょう。永正十六年(西暦一五一九年)に亡くなった印融という方を中興開山としているということなので、それよりずっと前から存在していたのでしょうが、はっきりしたことは分かりません。
住職不在が多いのか、納経所へ行きましたが誰もいませんでした。戸が閉まったままで戸の前に引き出しがあり、その中に納経帳のページ一枚一枚を取り出して朱印を押してあるものがありました。納経所に誰もいないときはここに三百円を置いて一枚取ればいいらしいのです。なるほど、無住の寺や住職不在が多いお寺が札所の場合、こういうやり方もあるのか、と思いました。