" 戸江
日の後最 "
監督 稲垣浩
配役 阪東妻三郎 勝海舟 *幕府和平派
志村喬 榎本武揚 *幕府交戦派
大鳥圭介 *幕府交戦派
戸上城太郎 山岡鉄舟 *幕府和平派
上田吉二郎 益満休之助*薩摩和平派
水野浩 高橋泥舟 *幕府和平派
環歌子 勝夫人*
尾上菊太郎 徳川慶喜
あらすじ、ネタバレ御免
明治元年二月 征討東軍東下ー
♪宮さん宮さんお馬の前に ♪音に聞えし關東武士
ヒラヒラするのは何じやいな どつちへ逃げたと問ふたれば
トコトンヤレ、トンヤレナ トコトンヤレ、トンヤレナ
あれは朝敵征伐せよとの 城も氣慨も
錦の御旗じや知らないか 捨てて吾妻へ逃げたげな
トコトンヤレ、トンヤレナ トコトンヤレ、トンヤレナ
薩摩以下二十一藩の兵は東海、東山、北陸の参道から
江戸城を總攻撃戦としたー
♪國を迫ふのも人を殺すも ♪雨の降るよな
誰も本意ぢやないけれど 鐵砲の玉の來る中に
トコトンヤレ、トンヤレナ トコトンヤレ、トンヤレナ
薩長土の先手に 命惜まず魁するのも
手向ひする故に 皆お主の爲め故ぢや
トコトンヤレ、トンヤレナ トコトンヤレ、トンヤレナ
鳥羽伏見の一戦に敗れた徳川十五代慶喜は
上野寛永寺に蟄居し
只管恭順、謹慎愼の意を表してゐたー
3月9日
徳川慶喜の使者として山岡鉄舟は
官軍の駐留する駿府に赴き
征討大総督府参謀西郷と面会して
江戸城総攻撃中止を求め談判する
大總督の宮から使者山岡へ
五箇条の御沙汰書が下ったー
一、慶喜備前藩へお預けの事
一、城 明け渡す事
一、城中の人數 向島に移す事
一、兵器一切渡す事
一、軍艦を渡す事
早期停戦と無血開城を画策する陸軍総裁勝海舟を
江戸の武士は腰抜けの裏切り者呼ばわり
海軍副総裁榎本武揚は軍艦を渡す事に納得いかない
薩長の天下は御免被りたい
歩兵奉行大鳥圭介も同意見
でも今は沈黙
官軍が薩摩屋敷に入る
官軍参謀西郷は3月15日江戸城総攻撃の予定を変えていない
勝海舟は西郷と会談すべく奔走
3月13・14日
勝海舟は西郷に会う
西郷は江戸総攻撃中止を決定
徳川慶喜の命は助けると約束
江戸城明け渡しは4月11日に決定
4月11日
江戸城に官軍が入る
無血開城なる
徳川慶喜は水戸へ移る
この世をば しばしの夢と 聞きたれど
おもへば長き 月日なりけり
by 慶喜
完
江戸が東京と改名されたのは
大政奉還の翌年
1868年七月十七日
元号が明治に改められる2ヶ月前
なので
江戸最後の日は
1868年七月十六日
で
その改名の経緯を描く
って映画でなく
既に江戸から改名された東京で
江戸城総攻撃中止 無血開城に奔走する
勝海舟を描く
元々 幕府の施政権は
天皇からお借りしたもの
返せ と言われれば 返すのはやむなし
でも
江戸城は 先祖が建てた 先祖代々の住処
よこせ と言われても そりゃ理不尽
反発するのも分かる
で
天皇が政権を取り返しても
結局は飾り物
実権を握ったのは 血気盛んな元サムライ
日本は 直ぐに軍国主義に突入
1941年 日本映画 72分
お馬の前でヒラヒラする錦の御旗
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