" 狐の呉れた赤ん坊 "
監督 丸根賛太郎
出演 阪東妻三郎 張子の寅八
羅門光三郎 へちまの辰
阿部九洲男 賀太野山
橘公子
あらすじ、ネタバレ御免
むかし…
大井川の 西の渡し場 金谷の宿に
張り子の虎八 と云う男が 居た
居酒屋で大喧嘩
居酒屋の娘公子激怒
喧嘩の主は寅八と丑五郎
寅八は川越人足 丑五郎は馬方
ふらふらで居酒屋に入って来る人足仲間へちまの辰
喧嘩に負けた
相手は狐と本人は主張
寅八が退治に行く
赤ん坊を拾う
狐が化けたに違いない
連れ帰り 尻尾を出すのを待つ
一晩観察するが尻尾を出さない
もしかして人間の赤ん坊?
一晩徹夜の寅八はふらふら
大井川を渡る客を川に落とす
訳を話すと男は共感
子供は育てろ と一両渡す
その一両は一晩で飲む
やっぱり人間の赤ん坊?
寅八は拾った処に捨てに行く
泣く赤ん坊が哀れで捨てられない
連れて帰る
立派に育ててやる
ーとは 云ったものの、、、、、、、
赤ん坊を育てるのは大変
寅八は 酒をやめる 博打をやめる 喧嘩をやめる
赤ん坊は善太と名付けられる
賀太野山なる相撲取りが寅八に会いに来る
この相撲取り 寅八が川に落とした男
すくすく育った善太を見て喜ぶ
それから 毎年賀太野山は善太に会いに来るようになる
*
善太は七才 賢く育つ
幼くして近所の子供の親分格
善太は侍のなりたい
大名行列の真似事
本物の大名行列と衝突
お代官に捕まる
寅八は本陣へ身代わりに斬られに行く
その親心天晴れと大名に褒められ
親子共々無罪放免
その上
大井の人足一同 褒美の宴席に呼ばれる
その席で
周りが あまりにも善太を褒めるので
寅八は "善太は実はさる大名の御落胤だと" ほらを吹く
が
その噂が西国のさる大名(十万石)の耳に入り
お迎えが来る
6年前に行方知れずになった若君らしい
唯1人のお世継ぎが つい先だってお亡くなりになられた
実は
善太の母親は賀太野山の妹
さる大名の腰元だったが男の子が出来た
しかし10日余り後
奥方様にも男の子がお生まれになった
お世継ぎになるべきお方が出来た以上
腹違いの兄が城内にいたのでは
どんな間違いが起こるかも知れねえ
と 妹は子を連れ お城を去り 身を隠した
ところが 間も無く 妹は死んでしまった
身寄りは賀太野山1人
で
賀太野山は その子がご落胤とバレねえように
赤の他人に育てさせようと思った
育てて貰うなら度胸のある人がいい
と 化け狐の噂を利用した
事の次第を知った寅八だが善太を手放したくない
大名の使いを追い返す
が
善太の天分 行く末を考えれば
善太は 江戸藩邸に居る 父君に対面すべく
大井川を渡って 行くことになつた
善太のは立派な駕籠を拒否
寅八の肩に乗り大井川を渡る
終
戦後 間も無く
GHQ占領下で作られた映画
時代劇だけど
封建主義の表現を控えて
人情喜劇
業つく質屋も
喧嘩相手の馬子も
サムライも
皆んな 良い人
1945年 日本映画 85分
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