「 ファイト・クラブ 」 | 0・・映画toほげほげ

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♪ ほげほげたらたらほげたらポン ほげほげたらたらほげたらピー ♪
★映画のほげほげ等、気まぐれ備忘録★

  " FIGHT CLUB "


監督 デヴィッド・フィンチャー
原作 チャック・パラニューク
出演 ブラッド・ピット
   エドワード・ノートン
   ヘレナ・ボナム=カーター
    ミート・ローフ


薄暗い高層ビルの一室で
俺はブラッドから銃を突きつけられている

そこは大爆発を見物する特等席
広い窓からいくつものビルが見える
"騒乱計画"の爆破委員会が
12のビルに爆薬を仕掛けた
あと2分で起爆装置が作動
周囲数ブロックが跡形もなく吹っ飛ぶ
ブラッドの言葉だから確かだ

振り返ってみると
この銃・爆薬・革命計画
すべてヘレナが原因だ


ミートは男なのに女の乳房を持っていた
睾丸がん患者のサポート・グループ
俺を抱いて泣いている大男はミート
彼は8ヶ月前、手術で睾丸を取った
その後受けたホルモン療法で胸の谷間ができた


話をもっと前へ戻そう

俺は半年、不眠症が続いた
たまに眠って起きると別の場所にいる
医者に苦痛を訴えると
睾丸患者こそ本当の苦しみだと言われた

だから俺は
睾丸がん患者のサポート・グループに参加した
そうして大男のミートに出会った
俺は睾丸がんのふりをして泣いた
沈黙と忘却の暗黒の世界に身を投じて
自由を見つけた
希望を見失うと自由が来る
そして赤子のように眠った

それが癖になった
様々な患者の会に参加した
無言でいると周囲は病状が重いと思い込んだ

毎晩、俺は死んで
毎晩、俺は生き返った


俺の至福の時間
ヘレナがそれをブチ壊した
彼女は女のくせに睾丸がん患者の会にいた
彼女はどこも悪くなかった
血液感染症の会にも顔を出した
異常赤血球症の患者の会にも
結核患者の会にも出席していた
観光気分の見物人
"あなたも同じインチキだ"と言われたようで
俺は泣けなくなり
再び眠れなくなった

ヘレナ
"死はすぐそこに
 なのに死なない私は悲劇"
と思っている女
$0・・映画toほげほげ-ヘレナ・ボナム=カーター


このままでは俺はだめになる
俺は患者の会を別けるため
ヘレナと電話番号を交換した


俺の仕事は自動車のリコール査定
国内を飛行機で飛びまわる

車の台数をAとして
事故発生の確立をB
弁償金の平均額をCとし
A×B×Cの値が
リコール費用より低ければリコールしない


仕事帰りの機内で
俺はブラッドに会った
初対面の彼は馴れ馴れしい

"ガソリンとオレンジ・ジュースで
パナーム弾を作れる
家庭にあるもので
どんな爆弾でも製造できる"

不気味な話の後
彼は俺に名刺を渡す


俺がアバートに帰ると
ガス爆発で部屋は跡形も無かった
選び抜いた家具には保険をかけてはいたが
ショックは大きい

行き場を失った俺は
何故かブラッドを頼った
$0・・映画toほげほげ-ブラッド・ピット

ブラッドは夜型だった
人が眠る時間に働き
映画館でパートの映写技師
彼の密かな楽しみは
ファミリー映画にポルノを1コマ挟み込む
観客が理由が分からず戸惑う瞬間

ブラッドはホテルの宴会場で
ウエイターの仕事もしていた
おならや くしゃみをケーキにひっかけ
パタージュの中に小便を入れる


ブラッドは率直な男で
俺を部屋に泊めてくれたが
その前に殴り合いをさせられた

ブラッドは取り壊しを待ってる建物に
1年前から住んでいる
ひどいところだ


その後も俺は
度々ブラッドと殴り合い
痣だらけの顔で会社に行った

殴り合いには観衆がつき
参加を希望する者も現れた

俺とブラッドは
ファイト・クラブを作った

第1のルール "クラブのことを口外するな"
第2のルール "クラブのことを口外するな"
第3のルール "力が尽きたらストップの声でファイト終了"
第4のルール "試合は1対1"
第5のルール "1回に1試合"
第6のルール "シャツと靴は脱ぐ"
第7のルール "試合時間に制限はない"
第8のルール "会員は入会第一夜に必ず闘う"

生きていることを実感できた
でもそれは実際にファイトをしている間だけ


突然ヘレナが電話をかけて来た
次の朝には彼女は俺たちの家にいた
ブラッドが連れて来たらしい

それからヘレナは度々来る様になり
ブラッドと毒マムシのようにセックスをした


警察は爆破された俺の部屋から
自家製爆発物を発見した


ブラッドは会員に宿題を出す
赤の他人にケンカをふっかけろ
ケンカを売って殴られろ

ケンカを売るのは難しい
普通の人間はケンカを避けようとする

次の週、ブラッドは
新しい宿題を封筒に入れて配った


ブラッドは軍団を集め出した
志願者は必ず一旦断られた
三日間飲まず食わずで玄関に立ち続けた者が
入隊を許された


ブラッドは
騒乱計画を開始した
俺はのけ者だった


そして
騒乱計画が着実に動き始めた時
ブラッドは突然姿を消した

俺はブラッドを探した
ブラッドは見つからない

ヘレナは不思議そうに俺に言う
"誰を探してるの? ブラッド。"・・・



   映像的には
   引き込まれる
   
   グイグイと最後まで見せられたが

   結局
   何がしたかったの?

   彼に将来のビジョンがない

   ただのアナキスト
   破壊のための破壊
   所詮、ただの寝言



   デヴィッド・フィンチャー監督は
   優秀な映像作家で
   "一見すると素晴らしい映画"を作るが
   二度三度と見ると実は奥行きがない
  

   別の見方をすれば
   現代を映す優秀な鏡
   現代社会を象徴する監督

   綺麗に着飾って
   中身は空っぽ
  


  残された人生の持ち時間は
  いつかゼロになる


 $0・・映画toほげほげ-エドワード・ノートン


1999年 アメリカ映画 139分 製作費6,300万ドル