最近の融資事情(2) | 群馬の税理士・社会保険労務士の開業奮闘記

群馬の税理士・社会保険労務士の開業奮闘記

群馬県で税理士・社会保険労務士の独立開業を目指しています。開業までの間、税金や社会保険・その他経営に関することについて書いていきます。

前回に引き続いて。


定量分析に使う指標は意図的に変えることができるところの続きです。


改善する項目としては、


①自己資本の増加


②借入金等負債の圧縮


③総資産の圧縮


④営業利益(経常利益)増加


「それができないから困ってるんだろ」と突っ込まれそうですが、意外と改善する項目はあると思います。


例えば、役員の退職金を通常の社員と同様に販売管理費で計上していたとして、これらは特別損失へ計上すべきだからそちらに移す。これだけで営業利益や経常利益は増加(税引前利益は減少)します。


固定資産の売却損が雑損失として営業外費用に計上されてたりするのをよく見ますが、これらは特別損失ですので、計上場所を変えるだけで上の例と同じ効果になります。


役員借入金の多い会社(社長が給料をいっぱい取っておいて、会社に貸付けている会社)の役員借入金を資本金に組み入れる。こうすると自己資本の増加と負債の圧縮ができる。(こういった手法をDES(デット・エクイップスワップ)といいます。)etc・・・けっこういろいろ考えられます。


なお、金融庁の「会計検査マニュアル別冊」では、役員借入金のうち、回収見込みのないものについては、資本金と考えて融資判断をするよう金融機関に指導しているため、金融機関が融資判断をする際には、銀行の書類上は自動でDESをされた状態になります。(一般の行員まで周知されたない金融機関もあるのでご注意を)


税理士さんが手間を避けて、本来あるべき科目に科目配置しないことがあるので、決算書はよく目を通して、質問があればわかるまで説明を受けたほうがよいと思います。


次回は数字と別の視点の定性分析について触れたいと思います。