色々な学校のホームページを見ていると、
学校のカラーが随所に出ていてかなり興味深い。
お嬢様学校は良き伝統を感じさせる落ち着いた雰囲気を醸し出しているし、
新進気鋭の進学校は各種イベントや課外活動の結果が次々と更新され、
活発な学校の様子を垣間見ることができる。
私立校のホームページはバラエティ豊かで、
クリックしたら急に画面いっぱいに学校紹介の動画が流れて驚いたこともある。
私立校にとっては、ホームページや学校説明会で学校の魅力を力強く発信し、
受験生やその保護者を惹きつけ、そして、いかに多くの方に受験してもらえるかが重要なので、プレゼン意欲には並々ならぬものを感じる。
例えば、
大学合格実績のページ。
何気なく大学合格者の数字だけを見てしまいがちですが、
よーく見ると学校によって書き方がだいぶ違うことに気づく。
公立校は大学合格実績を公表するのが遅く、
事務的に淡々と記載している傾向があるのに対し、
私立では大学合格実績を速やかに、強くアピールしている学校が多い。
例えば、大学合格実績の見出しはこんな風である。
「東大合格者○名!」
「○年連続東大合格!」
まるでどこかの大手塾みたいですね
中には東大の箇所だけ文字の大きさや色を変えているケースもあり、
学校として強くアピールしたい点であることを明確に示しています。
また、ここまで明確でなくとも、
大学合格実績一覧表に、東大、京大・・・のように記載されていれば、
その学校のアピールポイントであることを意味します。
(東大合格者数を目立つようにしているので)。
こんな観点で、学校の大学合格実績の記載を見ると、
学校の考え方(本音)が少し透けて見えるかもしれない。
都内私立校について調べてみました・・・。
対象は男子校12校、女子校16校です。
<男子校>
開成、麻布、駒場東邦、海城、早稲田、武蔵、巣鴨、世田谷学園、攻玉社、城北、桐朋、本郷
<女子校>
桜蔭、女子学院、豊島岡、雙葉、吉祥女子、立教女学院、鴎友、頌栄、学習院女子、東洋英和、大妻、東京女学館、恵泉女学園、共立女子、晃華学園、田園調布
まず男子校。
多くの男子校(12校中10校)では、東大を筆頭とする大学合格実績表を作成していることがわかりました。進学校ですから、やはり東大合格者数は重要なアピールポイントになると考えているのです。
該当しない2校のうちの1校は開成です(もう1つは桐朋)。
合格実績のある大学を北から南へ(北海道大学→・・・・→佐賀大)と順に記載しています。
東大合格者数をアピールしなくても誰もが知る学校ですからね。
筑駒や聖光学院も同様の記載をしています。
次に女子校。
私立女子校については、東大合格実績をあまり意識していないのでは?と思っていたのですが、意外なことに、半数である8校が、東大を筆頭とする大学合格実績表を作成していました。桜蔭、鴎友、大妻、東京女学館、恵泉女学園、共立女子、晃華学園、田園調布です。優秀な子に入学して欲しいという気持ちが表れているのでしょう。
残り半分ですが、立教女学院や学習院女子は大学付属校ですので、受験生に東大合格実績をアピールする必要はなく、女子学院、豊島岡、雙葉、吉祥女子、頌栄、東洋英和については、学校の考え方、校風によるものかと思います。
ちなみに、千葉県の私立校(渋谷幕張、市川、東邦大東邦、昭和学院秀英、芝浦工業大学柏、国府台女子学院)の合格実績も見てみましたが、いずれの学校も東大合格者数を強調しています。
これは、千葉の私学には近年になって急成長を遂げた新しい学校が多いという背景があるかもしれない。
このように、私立校の大学合格実績表をみると、多くの学校では東大合格者数を強く意識していることがわかるし、何となく学校の本音が読み取れるのである。