彼とお互い連絡を取らなくなって1週間が過ぎた。

この期間、毎日のように一人で泣いていた。

仕事をしているときは気が紛れていいのだが、

一人になると、彼とラブラブだったころの光景が浮かんできた。

手を繋いで、冬空の下、散歩した・・・下町、公園、庭園、海のそば・・・

手を繋いで、買えもしないのに銀座の高級ブランド店でのウインドーショッピング・・・

毎回のランチは安いバイキングの店巡り・・・お互いお腹いっぱい食べすぎて苦しかったっけ・・・

夜は居酒屋で飲みながら・・・

彼の誕生日には夜景のきれいな、しゃれた高層レストランでディナー・・・

もう、あの日々は戻ってこないんだな、と思うと

涙が出てきた。

あるときは、家に一人居るときに、

あるときは、駅から自宅までの帰り道で、

またあるときは、帰りの電車の中で、

涙を流していた。


そんなある日、妹から電話がきた。

GWに彼と一緒に実家に帰ったとき、アトピーの私を見て

「アトピーが治るかもしれない、すごい人を知っている、その人に会わせたい」

と妹が言っていたのを思い出した。

案の定、その人のことだった。

その人に連絡をしたら、今月は引っ越しで忙しいから、来月以降なら会ってもらえるとのこと。

「来月だったら、いつ、こっち(実家)に帰って来られる?」

「早いほうがええわの?じゃあ、最初の土日」

「う~ん、もしかしたらそのあたり、予約は無理かもしれん。もっと後になるかもしれんけど。まあ、その人に聞いてみるわ」

「どんな人?医者なん?」

「ううん、医者じゃない。あとでHP見て。霊が見える人。悪いところがわかるみたい。手で治したりもするし

話を聞いてアドバイスもしてくれる。M先生って言うんやけど」

私は占いは一切信じないし、まあ、占いじゃないけど、あまりそういう類のものは信じないし興味がないので、半信半疑だった。本当か?そんなので治るのか?

ただ、妹がせっかく言ってくれているから、会ってみようとは思った。

「有名な人でインチキな人もおるらしいけど、その人は本物やと思う。でも、あまり公に顔を出したがらない人で、人の紹介じゃないと見てくれんので。まあ信じる信じないは姉ちゃんが判断したらええ、私はいいと思うけど」


「それから、ママから聞いたんやけど・・・その後、りょうさんからずっと連絡ないん?」

「うん・・・」

「思うんやけど、女友達にはそんなことは相談せんほうがええ。嫉妬ってのがあるけんの。明日着ていく服どれにしようっていうレベルだったらええけど、そんな大切なことは、女友達にはすべきではない」

「マンションを姉ちゃんの名前で買うんは私もよくないと思う。最初は賃貸にして、結婚生活がある程度続けてみて、買ったほうがええ、っていう時期がきたら買ったらええやん。最初から買わんほうがええ」

「マンションの名義に姉ちゃんがならんって言うたら、彼、怒ったり反論したりせんかったんやろ?だったらええやん。だましてやないわ。あの人、だますような人ではないわ」

「彼は何も悪くない。姉ちゃんが悪いわ。だって日曜日会える?ってきかれて『会えん』って冷たく言うたんやろ?そら傷ついとるわ」

「でも最初は自分の給料でやっていけるって言いよったのに、実際はそれができんってわかって。嘘ついて」

「男ってプライドがあるけん、そんなこと言いにくいんよ。それは姉ちゃんが察してあげんと」

「今どき、旦那さんの給料だけでやっていける人ってあんまりおらんわよ。だいたいは共働きや。姉ちゃんも仕事しよんやけん、それでやっていったらええやん」

「ママは離婚して子供がおるっていうことが引っ掛かっとるみたいやけど、今どき、離婚しとる人って掃いて捨てるほどおるわよ。なかなか結婚しようって言ってくれる人っておらんよ。姉ちゃんアトピーやのに。男って結構、外見重視するやろ?そら姉ちゃんが若くてすごい美女っていうんならともかく」

「遠い実家にまで来てくれた人よ。ここで切るんはもったいない。そのM先生にアトピーのことみてもらうついでに、彼のことも聞いてみたらええわ。で、M先生が、よくないって言えば別れたらええし、とにかく、M先生にみてもらうまでは彼を繋ぎとめとけよ」

「今からでもすぐに彼に連絡してみ」


妹に後押しされ、彼に連絡をとってみようと思うようになった。