いよいよ彼とのことを見てもらう時がきた。

「あなたと彼は正反対の性格ね。お互い無いものを持っているから、惹かれあうんです。相性はいいですよ。けんかをしながらも、ずっとうまくやっていけます」

「ああ、それから彼、試験を受ける予定ある?合格するって出てるから、ぜひ受けるように言って」

驚いた。確かに彼は3か月後に宅建の試験を受けると言っていたのだ。

こんなこと妹にもだれにも言っていなかったのだが。

「でも気を付けてね、彼、うつ病の傾向が出てるから」

「ああ、そういえば離婚する前に、うつ病になったと言ってました」

これも当たっていた。

「二人とも、今年運気がとてもいいから、今年結婚すればいいわね。今年と言っても、あなたの誕生日(1か月後)以降、来年の彼の誕生日までの間ね」

「いつごろがいいですか」

「そうね。クリスマスあたりなんか、どう?」

このとき私は二人の前では言わなかったが、クリスマスと言えば、私と彼が初めて会った日だ。

本当にその通りになれば、ドラマチックなのだが。


「でも、ちょっとしたことがきっかけで、最近、彼は変わってしまったんです。もう私への愛情はなくなってしまったのかもしれないと思って」

「そう?そんなことはないと思うんだけど」

「ほら、姉はこうやって被害妄想ばかり言うんですよ。だまされているとか何とか言って」と妹。

「人って小さな嘘をつきながら生活しているものなのよ。それにそんなだますような悪い人なら、子供の養育費を払わないわよ。離婚したのも、向こう(元奥さん)のほうが悪いわね」

このときは深く聞かなかったが、後で詳しく聞けばよかったと後悔した。どう元奥さんのほうが悪かったのか?

「何だったら逆プロポーズすればいいのよ」

「ええっ?!私、そんなタイプじゃないんですよ」

「あなたはお姫様なのよ、で、彼は子供。彼は自信をなくしがちだから、お姫様のあなたがうまく自信を持たせてあげることが大切なの。でも彼は子供なんだけど、頭はいいわね」

「あなたは彼にとって、あげまんだから、うまくいくわ。『私と結婚したらハッピーになるよ』と言ってあげればいいのよ。私だって主人に『私と結婚したら毎日がスペシャルでしょ?楽しいでしょ?』と言ってるのよ(笑)」


「子供も作ったらいいわね。いつごろできるかしら?」

と言ってM先生はみようとした。

「ええ~、子供はあまり・・・」

「どうして?」

「産むのも怖いし、年も年だし。それに彼は一戸建てのローンと、二人の子供の養育費も払っているから、お金がないんです」

「40歳でしょう?まだ大丈夫よ。それにお金は入ってくるわよ。あなたのほうに福が見えるの。貯金もあるんでしょう?そのためにそれを使ったらいいのよ」


M先生は私の頭上を見て目を細めた。

「ああ、見えるわね。あんまり背が高くない人でしょう?」

「そうそう、(笑いながら)あまりかっこよくはなくて。生霊がきてるんですか」

「あ、そんなこと言ったら消えそうになった・・・」


「ま、楽しみにしてるわ。Aちゃん(妹)、その後の結果を教えてね」

「Aちゃんはお姉さん思いね。私の塾生の中には、人を助けようって気持ちがない人も大勢いるんだけど・・・」

「そうなんです。もし妹の助言がなかったら、彼とあのとき彼と別れていて続いていなかったと思うんです。

妹がずいぶん変わったので、その変えてくれたM先生ってどういう方なのか、実は今日お会いできるのをとても楽しみにしていたんです」

隣で妹がそっと涙をふいていたのがわかった。


帰りに妹が言った。

「姉ちゃんいいなあ、M先生、いいことばかりしか言わんかったね。私のときは、結構悪いこともきついことも言われたんよ。だけんうらやましかった」

「ああ、じゃ、悪いことでも正直に言ってくれるん?アトピーで病んでるから悪いこといったらかわいそうだと思っていいことしか言わんかったんかなと思った」

「そんなことないと思う」

「ホンマかな~」

「ま、信じる信じないは姉ちゃんが決めたらええ。でもよかったの。今晩、早速りょうさんに連絡してみ」


その日の夜、彼にメールを送った。

「今日何してたの?

さっき(実家の自分の)部屋に入ったら、ヤモリ?ミニウナギ?みたいなの2匹の死骸発見。さすが田舎だよね~。

例の人に会ってきたよ。詳しくはまた後で。乞うご期待」


「今日は午前中は仕事してて、夕方実家に行ってごはん食べてきたよ。

ゴキブリじゃなくてよかったじゃん。

乞うご期待かあ、ちょっとドキドキです。

おやすみ」