神奈川県議会本会議「一般質問」最終日。
自民党から、内田みほこ・渡辺紀之・田中徳一郎議員が登壇しました。
内田議員から、がんの早期発見及び県立がんセンターについて、質問がありました。
医療技術の進歩によって、がんは”治る病気”になりつつあるものの、
現在も県内では1年に7万人以上の方ががんに罹患し、2万人以上の方が亡くなっています。
そのような中、がんの早期発見・早期治療の重要性がいわれています。
例えば、肺がんの5年生存率の場合、ステージ1の早期がんでは8割を超えるのに対し、
ステージ4の進行がんでは約7%まで下がってしまうというデータもあり、
早期発見できれば、それだけ治癒の可能性も高まります。
がん検診などにより、がんを早く発見し治療を開始できるよう、
県は県民への周知に努めるとともに、医療機関などとも連携して、
検診などの体制を強化していくことが重要です。
また、がんが発見された後には、それぞれの症状に合った、質の高いがん医療が必要です。
県立がんセンターは、都道府県がん診療連携拠点病院として、
がん診療の質の向上及び医療機関の連携協力体制の構築に関し、
県内におけるがん治療の中心的役割を担うとともに、
「重粒子線治療」や「ロボット手術」など高度な医療を提供しています。
特に、重粒子線治療については、治療を開始した平成 27 年度は、
前立腺がんの患者さんのみ24名を対象としていたものが、
その後、保険適用となる治療対象部位が順次拡大され、
令和4年度は、640名の方が治療を受けられるなど、治療実績が大きく増加してきました。
また、がんゲノム医療によるテーラーメイドの治療いわゆる個別化治療も行われています。
こうしたことから、本県におけるがん治療の重要拠点であるがんセンターにおいて、
より質の高いがん治療が提供できるよう取組んでいくべきです。
そこで、がんの早期発見・早期治療が進むよう、県はどのように取り組んでいくのか？
また、がん医療の重要な拠点である県立がんセンターにおいて、
その役割を果たしていくために、今後どのような取組を進めていくのか？、知事の見解を問いました。
黒岩知事からは…、
がんの早期発見・早期治療に向けた取組みについては、
これまで、がん検診の受診率向上に向けて、ホームページやイベント、
学校でのがん教育などにより県民に呼びかけてきた。
しかし、肺がん以外のがん検診j受診率では、
目標である50％を下回っており(令和4年度 胃がん42.7％・子宮頸がん43.7％)、
さらに受診率を向上させる必要がある。
そこで今年度県では、がん対策推進計画を改定し、
検診の事業主体である市町村との連携を一層強化することによって、
県民の皆様に受診を促していく。
具体的には、ナッジを活用し、住民に対して発送する
1万2千円の検診費用に対する2千円補助について、
2千円の受診券ではなく、1万円の割引券を送付することで、
受信者が大幅に増加した事例があり、
そうした成功事例を市町村の担当者と共有し、効果的な取組みを検討していく。
次に、県立がんセンターは、県内唯一の都道府県がん診療連携拠点病院であり、
これまで全国的にも数少ない重粒子線治療やがんゲノム医療等高度な医療を提供してきた。
今後は、機能を強化するため、例えばニーズが高い手術支援ロボットを増設するなど
最新の医療機器等の整備を計画的に行っていく。
またセンターでは現在、高度な医療に加えて、研究開発や人材育成といった機能を備える
「特定機能病院」として、国の承認を受けることを目指している。
そこで、こうした研究開発や人材育成についても、
大学等の研究機関と連携し、充実を図っていく…、旨の答弁がありました。
内田みほこ議員の質問項目は下記の通りです。
1．がんの早期発見・早期治療及び県立がんセンターの医療提供体制について
2．再犯防止の推進について
3．外国につながりのある子どもたちへの支援について
4．卵子凍結に関する課題認識とプレコンセプションケアについて
5．海岸ごみ削減に向けた不法投棄対策について
6．茅ヶ崎海岸の更なる魅力向上について
7．県立茅ケ崎北陵高校について
渡辺紀之議員の質問項目は下記の通りです。
1．観光の核づくり事業の新たな展開について
2．大規模災害に備えた避難誘導体制の充実について
3．県立いせはら塔の山緑地公園について
4．「かながわのみちづくり計画」について
5．第8回線引き見直しについて
6．水源地域における林道から近い人工林の整備について
7．本県畜産業の持続的発展について
田中徳一郎議員の質問項目は下記の通りです。
1．かながわキンタロウを活用した広報について
2．県こども計画への子ども・若者の意見反映について
3．障害者支援施設の整備及び入所調整について
4．住宅確保要配慮者に対する居住支援について
5．建設業における働き方改革について
6．新まなびや計画における教育環境の整備について
7．教育現場への民間人材の受入れについて
