配電盤や鉄道・交通信号機材等を開発販売する「篠原電機株式会社」は、
信号機を補助する「高齢者・視覚障がい者用LED付き音響装置」を開発しました。
視覚障害者の5人に1人が横断歩道で事故を経験しています。
約40年前、大阪府警の承認を得て盲人用音響ポールを開発し、府内約1,800箇所に設置したのがユニバーサルデザインの取り組みの始まり。
2007年、三星昭宏近畿大学名誉教授はじめ都市交通・ユニバーサルデザイン等の学識経験者を中心とした
「高齢者・視覚障がい者誘導システム検討委員会」を立ち上げ、
交通弱者が安全安心に横断するための調査・検証をしてきました。
その結果、「見えにくい、視野が狭い、色の判別がしにくい」などの
弱視の方からの声を受けて、盲人用音響ポールに歩行者用信号の補助として
LED信号灯を付加することを考案、実用化したのです。
高さは1.2mの低さで車いすや子どもにも目線の位置が近く、
これによって、視覚障害者だけでなく、高齢者や小さい子どもにとっても、
信号が見やすく安全・安心につながっている、との評価を受けています。
現在大阪8箇所、愛知県2箇所、和歌山1箇所、岩手1箇所、福島1箇所の計13箇所に設置されています。
設置された交差点では、交通事故件数が設置前5年間と比較して五割以上減少した実績があります。
平成27年度に「第9回キッズデザイン賞」を受賞、また
平成29年度「バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰」内閣府特命担当大臣奨励賞を受賞しました。