「神奈川県議会 がん撲滅をめざす議員連盟 総会及び研修会」に出席しました。
研修会では「がん医療の最新の動向について」
地方独立行政法人神奈川県立病院機構の堀田知光顧問より
ご講演がありました。
ヒトは60兆個の細胞から成り立ち、元は一つの受精卵から起こっています。
細胞の中の核にある、「DNA」「染色体」。
ゲノムとは、地球生物の一員であり、あなたがあなたであることの証。
あなたを形づくる60兆個の細胞それぞれが、
30億文字からなるゲノム(暗号集)をもっています。
がんは、複数の異常をもった細胞が増え、
悪性度の高い細胞が出来て周囲に拡大していくことで出来ます。
<リスクに応じたがん予防と早期発見>
〇一次予防…個別予防
●生活習慣の改善 → タバコ・飲食物摂取の偏り
●感染制御
●化学予防等
〇二次予防…スクリーニング(主に検診の場)
●内視鏡・画像診断機器
●バイオマーカー → 血液一滴からできる限りの情報を引き出す
<バイオマーカー(がんの体液診断)>
血液中の腫瘍細胞や、遺伝子等を見て変異を確認
昨年8月には、血液から13種類のがんを発見する臨床実験が始まる
※早期発見のためのがん一次予スクリーニングに、
血液や尿などのバイオマーカーを積極的に利用する。
<治癒からみた従来の治療法>
①外科治療 37%
②放射線治療 10%
③抗がん剤治療 5%
④治癒が困難 48%
→ 「免疫治療」が第4の治療法として期待されている。
がんの5年生存率は62.1%と、10年前より10%以上改善している。
『最新の治療法』
〇ホウ素中性子補足療法(BNCT)
ホウ素はがん細胞を取り込みやすい特徴を持ち、
ホウ素だけの選択的照射が可能。
BNCTはホウ素が集積したがん細胞に効果がある。
〇分子標的薬
がん細胞だけに作用する抗がん剤
〇遺伝子に基づいた個別化医療の実現
→ ゲノム解析による薬剤選択の最適化(クリニカルシークエンス)
〇がん免疫療法
特異的免疫療法
ワクチン療法
遺伝子改変T細胞移入法(CAR- T細胞)
ウィルス療法