政権交代後の台湾 | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

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一期一会を大切に、神奈川県議会議員石川たくみのブログです。
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神奈川県議会「総務政策常任委員会 県外調査」、今年二回目の台湾です。

前回の台湾訪問時と違い、5月20日に中国国民党から
民主進歩党(民進党)へと政権交代が起きました。
政権交代直前直後を実感出来るタイミングでの視察となります。
2016年、台湾は大きな節目に差し掛かっています。

1986年に戒厳令解除をはじめとする台湾の民主化の方向が表明され、
民進党が結党されてからちょうど30年‥‥

「台湾は台湾であり、中国ではない」
そのように考える人々が、すでに人口の6割を超えているそうです。
中国を祖国とする「一つの中国」一国二制度
といった考え方ではなく、生まれながらの
台湾独立派「天然独」といわれる若い世代の動向が
台湾政治の焦点となってきました。



「(台湾初の女性総統)蔡英文が
『台湾人の総統』になれるかどうかは、
ひとえに、今後の四年間にかかっている
としか言いようがない。
『中国』を背負った外省人である(国民党)馬英九よりも、
台湾出身の本省人家族を背景に持つ
蔡英文が有利な位置にいることは間違いない」

「蒋介石は台湾に逃げてくるときに、
中国の文学、演劇、映画、学者など一流の文化人を
こぞって連れてきた。彼らは共産中国で
活躍の場がないと考え、国民党と一緒に台湾に渡り、
そのまま大陸に帰ることなく、台湾で文芸の道を極めた。
…その結果、台湾には、高いクオリティの
中華文化が育つことになった。…
失われた中国が台湾にある。
そんな思いを台湾を訪れた中国人は大陸に持って帰っている。
そのことが、中国そのものや中台関係に
どのような変化をもたらしていくのか」

「南シナ海の関係諸国のなかで、最大の軍事力や
警察力を現地に置いてきたのは台湾である。
東沙諸島にも南沙諸島にも空港があり、
海洋警察が常駐している。南沙諸島最大の島である
太平島も、南シナ海全体で最大の島である
東沙諸島プラナス島も、台湾の支配下にある。…
しかし、その台湾は現在、南シナ海の紛争解決のための
様々な国際的枠組みから排除された形になっている。
台湾が国家として国際承認されていないからだが、
南シナ海の重要なステークホルダーであるはずの
台湾が加わっていなければ、いかなる取り決めがあっても
実効性には疑問符がついてしまう」

「国民党と民進党の最大の違いは、
国民党は経済優先で、民進党は政治優先。
国民党は現実主義で、民進党は理想主義。
中国と付き合うのが国民党で、中国から離れたいのが民進党。
しかし、理想主義で中国から離れようとしたら
中台関係は安定しない。中台関係が安定しないと
国際社会で孤立してしまう(国民党 江丙坤)」

「(日本の民主党政権下)2012年に行われた
東日本大震災に対する追悼式典で、
台湾の駐日代表を列席させないという致命的なミスを犯す。
『外交団』としての仕分けをしたため、
外交関係のない台湾を除外したのだが、
国民感情からして200億円の支援をしてくれた台湾を外して、
中国を呼ぶことはあり得なかった。
恐らくは、対応を官僚任せにした結果かと思われるが、
そこにもまた、民主党に台湾に対する
『思考停止』があったと言えるだろう」

「民進党を勝利させ、国民党を敗北させたのは
『台湾は台湾』と信じる人たちの群れであった。
台湾に生きる人々がそう考えているのであれば、
我々もその政治的現実を受け止めるべきである。
そのうえで、台頭した大国・中国とどう距離を取るべきか、
どのような政治体制がふさわしいか、
中台関係の平和的解決や安定的マネジメントの解答が
どこにあるのか、といったテーマを積極的に議論していきたい。
…日本の台湾に対する当事者意識はまだ弱く、
社会全体の台湾理解も不足している。
まず日本は、台湾への『思考停止』を停止することが、
その状況を変えていく第一歩になると私は思う」
野嶋剛著『台湾とは何か』より
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