その問題、経済学で解決できます | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

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一期一会を大切に、神奈川県議会議員石川たくみのブログです。
<私の目指す政治活動>
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 ○一人でも多くの三浦ファンを ○より身近な市政に

「読書週間」も本日9日で終わりです。


ノーベル経済学賞最右翼と言われる行動経済学者ウリ•ニーズィーとジョン•A•リスト著書
『その問題、経済学で解決できます』を読み終えました。

日本では否定的に捉えられがちな「インセンティブ」というものが、
人や会社や学校や世界をよりよい方向へ変えることに利用できる。
教育格差や差別問題、環境問題、寄付、ビジネスまで…「インセンティブ」の観点から、
人間の本質を探る興味深い内容でした。
「インセンティブ」の実地実験によって、人が何をありがたがるか、選択するのかがわかれば、
行動に影響を与え、変化を呼ぶ有効な策を立てることが出来るのです。



「人にやってほしいことをやらせようと思ったら、
インセンティブは信じられないぐらい便利だ」

「人間を動かす要因の根本にあるのは私利私欲だ、というのがある。
必ずしも身勝手というわけではなく、私利私欲だ」

「最近僕たちは、インセンティブを使って加入者を手助けしようという
大手健康保険会社の大々的プロジェクトにかかわった。
このプロジェクトはいいことずくめだった。加入者は健康になれるし、
会社はコストを抑えられる。…お金の使い方のコツは、もちろん、
人に習慣を変えるよう仕向けることだ。
…僕たちが設計し、試した仕組みの例を一つ挙げよう。一つの実験グループには、
これから1ヶ月で8回ジムに通った人には100ドル払うよ、と提案した。
つまり「わいろ」を贈るわけだ。…いっときだけ言うとおりにしてほしいわけではない。
大事なのは、インセンティブで習慣を作ることができるかどうかだ。
…結果は上々だった。8回ジムに通ったらお金を払うほうのグループは、
お金を払うのをやめても、以前の倍もジムに通うようになった。
インセンティブで人は「一山越えて」常日頃から運動をするようなれるみたいだ。
…(一番大変なのは)日課をみにつけるところなのだ。
実はこの身につくかどうかこそが勝負の分かれ目なのである。
…人に何かやってほしければ、人が何で動くかを本当によくわからないといけない。
人が何をありがたがるかわかれば、それを思ったとおりの結果につなげるための
インセンティブを使って、人にやってほしいことをさせられる」

「女性が(社会で)力を握っていると、誰もが得をする。女性は男性よりも、
漁業資源や牧草地といった公共財に配慮ができる。女性の経済的影響力のほうが大きい場合、
社会はより共感に基づき、より公共の精神をもった場になる」

「こういうやり方はどれもパブロフの犬みたいだなと思ったあなた、おっしゃるとおりです。
でもそれでうまくいくんです。そしてもし(経済困難者が多く治安が悪い)
シカゴハイツで教育格差を埋められるなら、アメリカのどの町へ行ってもうまくいくでしょう。

現実には、学校はすべての人ー研究者や親御さん、先生、理事会、
そして生徒ーが学べる実験室なのである。
実地実験をやったり実地実験に参加したりして、
何がうまくいくか調べてみようという人がもっと出てきたら
どれだけのことがわかるか考えてみてほしい。
公的教育に関心を持つ人がみんなこういう実験をやり始めれば、
膨大な時間とお金と心の痛みを節約できる」

「人に振る舞いを改めてほしければ、
一番いい作戦は「社会的規範」と値段のワンツーパンチだ。
…(2つを)組み合わせれば、みんなに環境に優しい製品を買わせることができる。
もっと一般的にいうと、環境を守る新技術があるなら、政府(でも企業でも)は、
まず社会的規範で市場に切り込むべきだ。世間の圧力を使い切ったら、
もうそれ以上は世間の圧力は力を持たない。そこからは価格が重要になる。
…役所の人たちは典型的に、効果が平均で一番大きい政策に注目しがちだ。
でも現実には、一部の人たちに対してはとてもうまくいき、でも他の人たちには
ぜんぜんうまくいかない政策もある。
社会問題に対処する道具として、ハンマーの代わりにメスを使ったらどうだろう?
ぼくたちの実験で得られるデータを見れば、社会復帰のためのプログラムの
どの一つを取っても、誰にとってもうまくいったりしないのがよくわかる」

「慈善活動への寄付は、ぼくたちが思っているよりずっと、
「オレがオレがの我」に強くかかわっている。
そんな慈善深い利己主義という概念にはちゃんと名前がついている。
「暖かな光」仮説だ。「暖かな光」は、寄付をするといい気分になれるところから来ている。
…寄付とは、正しいことをする、正しいことをする戦いに加わる、
そして自分が寄付したことでいい気分になる、そういうことなのだ。
その点で、慈善活動への寄付は、寄付でどんな効果があるかにかかわることであると同時に、
人それぞれの個人的な性癖にかかわることなのである。
…寄付をする動機としては周りからの圧力が大きい。…ぼくたちは「うつろだ」。
つまり見栄っ張りだ。そして僕たちは、自分で決心してあえて慈善活動に
自分のお金を投じたと感じないと気が済まない」

「…損失は人生に必ずついてまわる。誰かが損をかぶらないといけない。
損失は強力なやる気の素だ。企業はレイオフになるかもとか解雇されるかも
とかの恐れを使って生産性を上げてきた。でもそういう大きな脅し以外には、
彼らは損失フレイミングをあまり使ってはこなかった」
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