『風通しのいい生き方』の第二話「家も人間関係も風通しが大事」の一節に、
別荘についての記述があります。
「葉山から移ったのは三浦半島の最南端に近い農村だったが、庭の周りは海だった。
私はこの土地がどこよりも好きだった。
東京の生活は重すぎたが、ここへ来ると束の間の解放感を味わった」
「家について母がいつも言っていたのは、
一部屋に必ず二面以上開口部を取って、風通しをよくすることだった」
「家の周囲も、母に言わせると、空気の通りがよくなければいけないのであった。
…人間関係もそうであった。深く絡み合ったら、お互いうっとうしくなる。
世間の風が無責任に吹き抜け、お互いの存在の悪を薄めるくらいがちょうどいい、
と私は思ったのである」
「風通しよく生きる方法は、それほどむずかしくはない。
家族の一人があまり我を通さず、物事に執着せず、諦めとともに、
淡々と家族が大して辛くないことだけを願って生きれば、多くの場合、その関係はうまくいく」
