『資本主義の終焉と歴史の危機』 | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

一期一会を大切に、神奈川県議会議員石川たくみのブログです。
<私の目指す政治活動>
 ○自立的な生活経済圏     ○誇りの持てる教育
 ○一人でも多くの三浦ファンを ○より身近な市政に

低利子、ゼロ成長の時代、いよいよ資本主義が終わりを迎える?
日本こそ、新しい経済社会システムを作る力がある…

水野和夫著『資本主義の終焉と歴史の危機』を読み終えました。

「資本主義は、未来世代が受け取るべき
利益もエネルギーもことごとく食いつぶし、
巨大な債務とともに、エネルギー危機や環境危機という
人類の存続を脅かす負債も残そうとしているのです」




「資本主義は「中心」と「周辺」から構成され、
「周辺」つまり、いわゆるフロンティアを広げることによって
「中心」が利潤率を高め、資本の自己増殖を推進していくシステムです。
「アフリカのグローバリゼーション」が叫ばれている現在、
地理的な市場拡大は最終局面に入っていると言っていいでしょう。
もう地理的なフロンティアは残っていません。

日本を筆頭にアメリカやユーロ圏でも
政策金利はおおむねゼロ、10年国債利回りも超低金利となり、
いよいよその資本の自己増殖が不可能になってきている。
・・・
歴史のなかで、もっとも国債利回りが低かったのは、
17世紀初頭のイタリア•ジェノヴァの「長い十六世紀」です。
金利2%を下回る時代が11年間続いたのです。
日本の10年国債利回りは、400年ぶりにそのジェノヴァの記録を更新し、
2.0%以下という超低金利が20年近く続いています。
この「利子率革命」は、利潤を得られる投資機会が
もはやなくなったことを意味します。


・・・
9.15のリーマン・ショックは、
金融工学によってまやかしの「周辺」をつくり出し、
信用力の低い人々の未来を奪いました。

リスクの高い新技術によって低価格の
資源を生み出そうとした原子力発電も、
3.11で、福島の人々の未来を奪っただけでなく、
数万年後の未来にまで放射能という災厄を残してしまいました。
資本主義は、未来世代が受け取るべき利益もエネルギーも
ことごとく食いつぶし、巨大な債務とともに、エネルギー危機や環境危機という
人類の存続を脅かす負債も残そうとしているのです。


・・・
グローバル資本主義の暴走にブレーキをかけるとしたら、
それは世界国家のようなものを想定せざるをえません。
・・・少なくともG20が連帯して、
巨大企業に対抗する必要があります。
具体的には法人税の引き下げ競争に歯止めをかけたり、
国際的な金融取引に課税するトービン税のような仕組みを導入したりする。
そこで徴収した税金は、
食糧危機や環境危機が起きている地域に還元することで、
国境を越えた分配機能を持たせるようにするのがよいと思います。



ミヒャエル・エンデが言うように、豊かさを
「必要な物が必要なときに、必要な場所で手に入る」と定義すれば、
ゼロ金利・ゼロインフレの社会である日本は、
いち早く「定常状態」を実現することで、
この豊かさを手に入れることが出来るのです。

そのためには「より速く、より遠くへ、より合理的に」
という近代資本主義を駆動させてきた理念もまた逆回転させ、
「よりゆっくり、より近く、より曖昧に」と転じなければなりません。
その先にどのようなシステムをつくるべきなのかは、
私自身にもわかりません・・・」