オリンピック文化プログラム~文化発信のチャンス | 石川巧オフィシャルブログ「すべては三浦のために」Powered by Ameba

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一期一会を大切に、神奈川県議会議員石川たくみのブログです。
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いよいよパラリンピックが始まりました。
オリンピックが、スポーツだけでなく「文化の祭典」でもあることはあまり知られていません。
2020年東京オリンピック 文化プログラムは、
日本の文化、地域の郷土文化を発信するチャンスでもあります!

ロンドンオリンピックと並行して開催された文化プログラム"London 2012 Festival"。
このフェスティバルは、オリンピック開催の1ヶ月前、6月21日にスタートし、
会期はパラリンピックが閉幕する9月9日までの12週間。
オリンピック・パラリンピックに参加した204の国から2万5,000人以上のアーティストが参加。
音楽や演劇、ダンス、美術、文学、映画、ファッションなど、
多様な文化イベントが繰り広げられ、オフィシャル・ガイドは140ページにもなりました。
開催場所は、英国全土の市町村、900ヵ所以上に広がり、
専用のWEBサイトで芸術分野、アーティスト名、会場名、開催日に加え、
市町村名や郵便番号を入力することで、
該当する文化イベントを検索できる仕組みにしていました。




『日経新聞 3.8「五輪 文化振興も担う」』

「オリンピックがスポーツだけでなく、文化の祭典でもあることはあまり知られていない。
複数の文化芸術プログラム(カルチュラル・オリンピアード)を同時開催することが
求められるのだ。これを文化振興の呼び水に―。2020年に向け活発な議論が始まった。

 スポーツの祭典なのに、なぜ文化なのか。

 答えはオリンピック憲章にある。
オリンピズムの原則としてスポーツを文化や教育と融合させることがうたわれているのだ。
肉体と意志と知性を兼ね備えた総体としての人間を築くための哲学がオリンピズムとされる。

2012年のロンドン大会では、シェークスピア作品を37言語で上演する
フェスティバルなどが集中的に開かれた。
英国全土で開かれた芸術祭には2万5千人のアーティストが加わり、
2千万人の観客が楽しんだ。

この英国史上かつてない規模の催しを支えたディレクターら3人を招いた
フォーラムが有楽町の東京国際フォーラムで開かれたのは2月15日。
大雪にもかかわらず、官庁や文化団体の関係者が熱心に耳を傾けた。


英国のスタッフはいずれもパワフルな女性。
ディレクターのルース・マッケンジー氏は
「ふだん実現できないことを探し、アーティストに手がけてもらった」
と手のうちを明かす。「
いつも以上のワクワク感が大切」
と強調する同氏は、非日常の空間と無料公演を推進した。
古代遺跡ストーンヘンジのレプリカを用いた遊べるアートスペースを造り、
繁華街ピカデリー・サーカスでサーカスを試みたのも、
アーティストの自由な発想がもとになっている。

街頭サーカスを実現するには警察当局などの協力が欠かせない。
ロンドン市文化部長のジャスティーン・サイモンズ氏によると
交通対策、清掃計画など実現可能性を精査し、ようやく実現できたという。
ロンドン地域の文化政策にかかわるモイラ・シンクレア氏は
「参加者を増やし、創作する力を高め、創造をになう組織を強化することを目指した」と話す。

英国側は組織の立ち上げとディレクターの人選を急ぐ必要性を日本側に伝えた。
今後、組織委員会の中に文化部門を設け、早急に体制をととのえることが求められる。

これまで東京都は文化人による芸術文化評議会を創設し、
文化プログラムについても議論を重ねてきた。
若手芸術家支援や国際的コラボレーションが計画される見込み。
都は被災地支援も視野に入れたい意向だが、具体案はこれから。
フォーラムをブリティッシュ・カウンシルと共催した都の
アーツカウンシル東京は、これからも議論の場を設ける予定だ。

 文化プログラムの議論はなぜ重要なのか。

それは将来の文化政策を考える試金石ともなるからだ。
上野の「芸術文化特区構想」など多彩なプランが浮上することが予想され、
それらを総合化するだけでも意義があるだろう。
社会文化政策に詳しい吉本光宏ニッセイ基礎研究所主席研究員は、
過疎地の国際芸術祭や震災復興の力となった郷土芸能との連携に可能性を見いだし、
お年寄りの施設などを訪ねるアーティストの活動と協働する方向性を提案する。

オリンピック開催への期待は文化関係者の間で高い。
文化芸術振興議員連盟(河村建夫会長)が昨年秋、「文化省の創設を考える」
と題したフォーラムを開いたのはその表れ。2月8日に開かれた
21世紀ミュージアム・サミットに参加したフランスの元文化大臣ジャック・ラング氏も
「オリンピックは、文化へ投資するチャンス」と発言した。

英国やアジアの演劇人と共作を試みてきた劇作家の野田秀樹氏は
「偏狭なナショナリズムに陥らず、祭りが終わっても後に残るプランにしてほしい」
と注文する。欧州で活躍する指揮者の大野和士氏からは
「ふだん音楽に接する機会の少ない人たちと熱い友情を交わし、
ひとつでも多くの感情を共有する機会に」と期待の言葉が出る。

オリンピックの掲げる平和、共生などの理念は文化芸術の力によってこそ、
アピールできる。実のある議論を期待したい」


~スポーツと融合めざす~【五輪文化プログラムとは?】
20世紀前半は古代ギリシャの精神にのっとる「芸術競技」があり、メダルも授与された。
その後「芸術展示」が行われ、スポーツと文化の融合がなされている。
1964年の東京大会では国宝を集めた大規模な日本古美術展や伝統芸能の催しが開かれた。
92年のバルセロナ大会から4年間の文化プログラムが実施され、約210億円をかけた
ロンドン大会で頂点を極めた。


<人材育成急いで>
「日本のソフトパワーを世界に浸透させる機会になる。
ただ、文化を商売にしてはいけない。心配なのは英国と異なり、アート・マネジメントを
情熱的に推進できる人材が決定的に不足していることだ。
その育成を図ることから始める必要がある」東京芸術文化評議会会長の福原義春氏の話