あれから20年 | 手仕事人まるひげのブログ

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1月17日。
阪神淡路大震災から、もう、20年が経つのですね。

20年前の自分は、東京に出てきたばかりの頃で、家にテレビとかもありませんでした。
パソコンももちろんありませんし、今のようなインターネット環境もなかったので、京都に住んでいた友人からの電話で、はじめて地震があったことを知りました。
遠く離れた場所での出来事に、思えました。

5年後の2000年の三宅島噴火の際、三日間島に足止めを食った時、停電して、暗い空からほとんど黒に近い灰色の雨が降っている中、大阪で震災を体験した方が、部屋の隅でうずくまっておられました。
自分にとってはまだ、他人ごとでした。

それから10年余りが過ぎた東京で、東日本大震災を経験し、初めてPTSDを味わいました。
この段になってようやく、自分事として、災害を実感した気がします。


大人になると、年が経つほど災害のない時間に慣れてしまうので、危機感も薄まってしまうのだと思います。
災害を経験したことがなければ、なおさらです。
けれども災害を未経験でも、子供達の心は新鮮で、教えられた危機を、素直に危機であると思えるようです。
それゆえ、災害の危険を教えられた子供から、実際の災害の時に、行動しやすいのだと思います。
(東日本大震災の際、実際に子供たちから率先して、避難をしたケースもあると言います)

災害のことを教えられた子供たちも、やはり大人になって、やがては危機感も、薄れてくるのだと思います。
けれども、子供たちに災害のことを教え続けることによって、その時が来た時に、子供たちから行動に起こせるのようになるかもしれません。

災害のショックが、だいぶ大丈夫になりつつあるのと平行して、災害に対する危機感も、自分自身の中でも薄れつつあると感じる昨今。
そういう防災も、重要なのだろうなと思います。
”危機感は時間とともに薄れてしまう”(ストレスからの防衛本能的なものの作用の一つであるようです)という、災害におけるヒューマンエラーを、踏まえた上での一つの方法として。