木曜日になりました。
冬休みも近づいてきましたので、今回は以下の2つの記事を紹介します。
①は『MEN'S CLUB』、②は『ナショナルジオグラフィック日本版サイト』(どちらもほんの一部です、すみません)です。
家族の話題にいかがでしょうか。
①『古代エジプトの謎がついに明かされる?! ギザのピラミッドで “秘密の入口” を示す空洞を発見
https://news.yahoo.co.jp/articles/6d53d6b56364a4a1c701b928008e998b3a1e44b5
■メンカウラー王のピラミッドに刻まれた謎
クフ王の大ピラミッド、それに匹敵する息子カフラー王のピラミッドの影に、メンカウラー王のピラミッドが立っている。まるで太陽を目指すかのような姿で、ギザの砂漠にそびえ立つ葬祭神殿だ。4000年以上前に石灰岩と花崗岩で築かれ、いまなお多くの謎に包まれたままの、エジプト古王国の不滅の象徴である。
過酷な砂漠の風に侵食され、略奪者に荒らされ、さらに12世紀にはスルタン(イスラムの最高権力者)、アル=アジズ・ウスマーンによって破壊されかけた過去をもつ、ギザ高原で3番目に大きなピラミッドだ。歴史の荒波のなかで刻まれた大きな傷跡が北面の外壁に残されているが、このピラミッドの特異性はそれだけではない。東面の外壁の一部に、磨き上げられた花崗岩で覆われた箇所があるのだ。通常は入り口部分にしか見られない構造であり、その理由は長らく謎のままだった。
■非破壊検査が示唆する空洞の存在
■三種の非破壊検査が空洞を特定
■まだ解かれていない “ピラミッド建設の意図”』
②『約4万年前のマンモスから世界最古のRNAを発見、何がすごい?
シベリアに眠っていたケナガマンモスの「ユカ」、実はオスだったことも判明
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/25/121000677/
シベリアの凍土に眠っていた約4万年前のケナガマンモス(Mammuthus primigenius)の「ユカ」からRNAが抽出された。2025年11月14日付けで学術誌「Cell」に掲載されたこの成果は、史上最古のRNA配列であり、ケナガマンモスのRNAが抽出された初の事例となる。
科学者たちは数十年にわたり、ユカのような保存状態の良いケナガマンモスの標本の古いDNAについて研究してきた。これらの遺伝物質の断片は、ケナガマンモスのゲノム(全遺伝情報)を特定するのに役立ち、マンモスが現生のゾウとどれほど近いかを明らかにしてきた。(参考記事:「100万年前のマンモスのDNAを解読、史上最古、定説白紙に」)
対して、RNAについては困難を極めていた。特定の遺伝子を活性化させ、重要なタンパク質を作るのに不可欠な物質だが、DNAのような二重らせん構造ではなく、通常は一本の分子として存在する。そのため、DNAよりずっと壊れやすい。
「古代RNAは、特定の組織においてどの遺伝子がオンになっているか、つまり活性化しているかをスナップ写真のように示してくれる」と、スウェーデン、ストックホルム大学で進化ゲノム学を研究する論文の最終著者ラブ・ダレーン氏は語る。「これはDNAだけでは決してわからないことです」
RNAはまた、インフルエンザやコロナウイルスなど、ウイルスとの関係でも知られている。これらの病原体は、遺伝情報をRNAに保存している。ダレーン氏は、ミイラ化した巨大動物とともに保存されている古代RNAが、氷河期のウイルスを調べる鍵になると考えている。
研究チームがユカのRNAウイルスを調査したところ、この幼いマンモスは比較的健康だったことが判明した。しかし、RNAウイルスの痕跡を残す他の遺骸が発見される可能性はある。「組織内に比較的高いウイルス量を持つ標本を調査すれば、そうしたRNAウイルスを分離できるはずです」と、ダレーン氏は言う。
■古代のRNAを調べる難しさ
■メスからオスに
■マンモス復活計画への影響は?』
それでは、お約束通り、『2019年(平成31年)の灘中の国語1日目』をお届けします。
<大問1の問3>
次の①~⑤の外来語を漢字の熟語で表現するとどうなりますか。後のア~オから最も適当なものを選びなさい。
①プログラム ②プロジェクト ③プロセス
④プロフィール ⑤プロポーズ
ア:過程 イ:企画 ウ:求婚(きゅうこん)
エ:人物紹介(しょうかい) オ:番組表
→「プロ~」という括りの外来語です。それほど難しい外来語はありませんが、どのような日本語の「熟語」をあてるかによっては、「あれ?」となるものがあるかもしれません。たとえば、③は「処理、手順、推移」などを意味する場合があります。自信のあるものから決めていけば大丈夫だと思いますが。
<大問1の問4>
次の①~④は「口(くち)」を用いた慣用句です。「 」に当てはまる漢字一字を答えなさい。また、その慣用句の意味として最も適当なものを、後のア~エから選びなさい。
①口「 」を合わせる ②口「 」に乗せられる
③口「 」を切る ④口に「 」を立てる
ア:うまい話でだまされる イ:最初に発言する
ウ:世間の悪口やうわさを防ぐ エ:ほかの人と話の筋道を合わせる
→「口」を使った慣用句ですが、このような「括りパターン」も頻出です。特に難しい慣用句はないと思いますので、全問正解を目指しましょう。
<大問1の問5>
次の①~⑤の意味を持つ、「自( )自( )」という形の四字熟語を作りなさい。
①自分で自分に問いかけ、自分で答えること
②必要な物資をみずからの生産だけでまかなうこと
③自分のしたことを自分でほめること
④人をだますために計画から実行まで自分ですること
⑤思いのままにすること
→これもよくあるパターンの「四字熟語問題」ですね。サクッと全問正解してください。もしわからないのがあれば、今回で確実に覚えてください。
<大問2>
次の①~③の各組のア~エの俳句を、春から季節の順に並べなさい。
①ア:風(かざ)さきを花びらはしる田打(たうち)かな 山上樹実雄
イ:大根をどこかに干(ほ)せりどの家も 石城暮石
ウ:天窓も隠(かく)さむばかり今年藁(ことしわら) 寺島ただし
エ:日の照れば帽子(ぼうし)いただき草むしり 小沢青柚子
②ア:遠方の雲に暑を置き青さんま 飯田龍太
イ:浮鮎(うきあゆ)をつかみ分けばや水の色 椎本才磨
ウ:初鰤(はつぶり)やほのかに白き大江山(おおえやま) 季友
エ:俎板(まないた)に鱗(うろこ)ちりしく桜鯛(さくらだい) 正岡子規
③ア:立去(たちさ)ればまだ日は高し藤(ふじ)の花(はな) 大島寥太
イ:水洟(みずばな)やどこも真っ赤な実南天 波多野爽波
ウ:夕空や切先(きっさき)のぞく軒菖蒲(のきしょうぶ) 草間時彦
エ:欄干(らんかん)にのぼるや菊(きく)の影法師(かげぼうし) 森川許六
→灘中頻出の俳句を鑑賞する問題です。季語とは言わなくとも、俳句の内容から季節感を読み取りたいですね。因みに、季語は以下の通りです。
①「ア:田打」は田植えの準備のことです。「イ:大根」「ウ:今年藁」「エ:草むしり」
②「ア:青さんま」「イ:浮鮎」「ウ:初鰤」「エ:桜鯛」
③「ア:藤の花」「イ:水洟、実南天」「ウ:菖蒲」「エ:菊」
<大問3>
次の①、②の「 」の部分の言葉と同じ使い方のものを、それぞれあとのア~オからすべて選びなさい。
①試合に勝つ「ために」熱心に練習している。
ア:雨が降ることをいのる「ために」祭りをおこなう。
イ:宿題を忘れた「ために」注意された。
ウ:準備がおくれている「ために」延期となった。
エ:つかれをいやす「ために」温泉へ行った。
オ:雪が積もっている「ために」通行止めとなった。
②市場が閉まると目に入るのはシャッター「ばかり」になった。
ア:かれはいつも不満「ばかり」言っている。
イ:ゲーム「ばかり」していてはいけない。
ウ:先ほど目的地に着いた「ばかり」だ。
エ:なみだを流さん「ばかり」に喜んだ。
オ:六月に入って雨「ばかり」降っている。
→「ために」「ばかり」の識別も頻出です。
①目的を表す「ために」と原因を表す「ために」を識別します。
②「ばかり」は、一般的に次のように識別します。
「だけ」「のみ」と言い換えられる→限定の「ばかり」
「ほど」と言い換えられる→程度の「ばかり」
「たった今」「最近」が補える→完了した直後の「ばかり」
「~たせいで」と言い換えらる→原因の「ばかり」
「今にも」を補える→始まる寸前の「ばかり」
<大問4>
次の①~⑤の各組の□に同じ漢字一字を入れると、三つの言葉ができ上がります。□に当てはまる漢字を答えなさい。
①時□ 交□ 千□紙
②大□ □乳 □知識
③年□ 屋□ □すべり
④夕□ 平□ □用品
⑤今□ 王□ □飯前
→難しい漢字はありませんし、難しい言葉もなさそうです。全問正解を目指してください。また、知らない言葉があれば、必ず確認して覚えてくださいね。
<大問5>
次の①~④の文の「 」に入る言葉をそれぞれ答えなさい。ただし、すべて「あ」で始まるひらがな三字で、「あ」以外の二字もア段(あ、か、さ、た…)です。
①かれは見るからに不満を「 」にした顔つきをしていた。
②不注意から、「 」大事故になってしまうところだった。
③父は有能で、いろんな企業から引く手「 」だったそうだ。
④中学に入学し、思いを「 」にして学習にいそしむ。
→楽しい問題ですね。「ひらがな三字ですべてア段」という括りですが、普段の読書などで、言葉に敏感になりたいものです。
<大問6>
後の(条件)にしたがって、A~Dの漢字のしりとりを完成させなさい。
(条件1)漢字の読みはすべて音読みで、かなで二字です。
(条件2)一つの漢字の読み方は二回ともまったく同じです。
(条件3)各組の「1」~「3」の漢字の読みの一字目は、すべて同じ行(たとえばカ行ならカキクケコ)の別の読み方です。
(条件4)各組の「1」~「3」の漢字の読みの二字目は、すべて同じで、「く」「つ」「ん」のいずれかです。
A:相「1」→「1」知→知「2」→「2」解→解「3」→「3」止
B:快「1」→「1」動→動議→議「2」→「2」意→意気→気「3」→「3」肉
C:保「1」→「1」心→心痛→痛「2」→「2」食→食「3」→「3」分
D:目「1」→「1」画→画集→集「2」→「2」着→着「3」→「3」地
→最近頻出の出題パターンです。まず、条件をしっかり把握する必要があります。「漢字のパズルやしりとり」は、使われている漢字自体はそれほど難しいものではありませんが、条件の理解に少々手間がかかるようになってきました。また、難しい漢字ではなくても、熟語としては馴染みのないものも含まれています。知らない熟語は、確認してください。
<大問1の問3の解答>
①オ:番組表:プログラム ②イ:企画:プロジェクト
③ア:過程:プロセス ④エ:人物紹介:プロフィール
⑤ウ:求婚:プロポーズ
<大問1の問4の解答>
①口「裏」を合わせる :エ:ほかの人と話の筋道を合わせる
②口「車」に乗せられる:ア:うまい話でだまされる
③口「火」を切る :イ:最初に発言する
④口に「戸」を立てる :ウ:世間の悪口やうわさを防ぐ
<大問1の問5の解答>
①自問自答:自分で自分に問いかけ、自分で答えること
②自給自足:必要な物資をみずからの生産だけでまかなうこと
③自画自賛:自分のしたことを自分でほめること
④自作自演:人をだますために計画から実行まで自分ですること
⑤自由自在:思いのままにすること
<大問2の解答>
①ア:風さきを花びらはしる田打かな
エ:日の照れば帽子いただき草むしり
ウ:天窓も隠さむばかり今年藁
イ:大根をどこかに干せりどの家も
②エ:俎板に鱗ちりしく桜鯛
イ:浮鮎をつかみ分けばや水の色
ア:遠方の雲に暑を置き青さんま
ウ:初鰤やほのかに白き大江山
③ア:立去ればまだ日は高し藤の花
ウ:夕空や切先のぞく軒菖蒲
エ:欄干にのぼるや菊の影法師
イ:水洟やどこも真っ赤な実南天
<大問3の解答>
①試合に勝つ「ために」熱心に練習している。
ア:雨が降ることをいのる「ために」祭りをおこなう。
エ:つかれをいやす「ために」温泉へ行った。
②市場が閉まると目に入るのはシャッター「ばかり」になった。
ア:かれはいつも不満「ばかり」言っている。
イ:ゲーム「ばかり」していてはいけない。
オ:六月に入って雨「ばかり」降っている。
<大問4の解答>
①代:時□ 交□ 千□紙
②豆:大□ □乳 □知識
③上:年□ 屋□ □すべり
④日:夕□ 平□ □用品
⑤朝:今□ 王□ □飯前
<大問5の解答>
①かれは見るからに不満を「あらわ」にした顔つきをしていた。
②不注意から、「あわや」大事故になってしまうところだった。
③父は有能で、いろんな企業から引く手「あまた」だったそうだ。
④中学に入学し、思いを「あらた」にして学習にいそしむ。
<大問6の解答>
A:相「関」→「関」知→知「見」→「見」解→解「禁」→「禁」止
B:快「活」→「活」動→動議→議「決」→「決」意→意気→気「骨」→「骨」肉
C:保「安」→「安」心→心痛→痛「飲」→「飲」食→食「塩」→「塩」分
D:目「録」→「録」画→画集→集「落」→「落」着→着「陸」→「陸」地
冬休み中の、落ち着いて過ごす休日にお役立てください。
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木曜日になりました。
「またその話題かい!」と、呆れている方も多いかと思いますが、相変わらず「令和の米騒動」が続いています。
話題の鈴木農水大臣に対しては、当然ながら否定的な記事が多いのですが、『女性自身編集部』の記事(一部省略しています、すみません)を紹介します。
『「考え方がオカシイ」おこめ券に“使用期限”“転売対策”…鈴木農水大臣のフシギ発言にネット冷笑
https://jisin.jp/domestic/2543819/
鈴木憲和農水大臣(43)は5日、閣議後に定例記者会見を開き、記者からの個別質問に回答。高騰するコメ価格対策の目玉政策である“おこめ券”について、使用期限を設ける方針を明らかにし、その意図と使用期限の目安について述べる場面があった。
「鈴木大臣は、おこめ券の使用期限を定める目的を“未使用があった場合に、そのお金を発行元に留まらせず、期限が過ぎた場合には返還させるため”としていました。発行元が“得する”のを防ぐ狙いと考えられます。また、数年後に使われると“現在の物価高対策のため”という政策の目的から外れるため、使用期限を設定する考えを示しています。
全国一律で統一した使用期限を設けることに関しては、“発行する民間団体との関係もあり調整中”としましたが、転売防止対策を聞かれると、“使用期限を設けるので、なかなか転売はしにくくなるはず”と発言していました」(全国紙社会部記者)
しかし、おこめ券は以前から配布に際して“経費がかかりすぎる”との意見が噴出しており、“配布しない”と宣言する自治体が複数出るなど、制度自体に疑問の声があがっていた。そんななか、“使用期限を設ける”という鈴木大臣の発言は“炎上”に油を注ぐようなもので、ネットニュースのコメント欄には批判の声があがってしまった。
おこめ券は、一部報道では“経費率12%”とも言われるコスパの悪さにも批判が集まっていた。さらに使用期限を印字することで、“ますますコストがかさむのでは”と心配の声も。
また、使用期限があることで、“コメ価格が高騰するのでは”と懸念するユーザーも続出。
さらに、使用期限を設けることが転売対策になるという考えには、“理屈が通らない”の声も見られた。
配布に苦慮する自治体も多い中、鈴木大臣は国民の理解が得られる日は来るのだろうかーー。』
鈴木農水大臣も、悪手「お米券配布」に関してはだんだんトーンダウンしてきたようにも見えますが、最初に「お米券」をぶち上げたあたり、何か「裏」があるのでしょうか。
日本の食料安全保障政策の真ん中にある「米の生産」は、今後どうなっていくのでしょうか。
さて、冬休みも近づいてきましたので、話題を変えて、「算数・図形の本」の紹介です。
『たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本』
著:まなびスクエア菅藤佑太(ダイヤモンド社)1650円
ネットで次の2つの『ダイアモンドオンライン』の記事(どちらも、この本の著者のもの。ほとんどタイトルだけです、すみません)を読んで、またもやアマゾンで買ってしまいました。
①『【かしこさチェック!】これが灘なんだ! 小学生が解く実はカンタンに解けちゃう日本イチの算数入試問題とは?
https://diamond.jp/articles/-/378030
■「脳汁でたっ!」「あぁ、もっと早くこの本に出会いたかった!」
話題沸騰中の書籍『たった1日で誰でも開成・灘中の算数入試問題が解けちゃう本』は「フルカラーでイラスト満載。三角形の面積の公式からはじめて超難関中学の算数問題を対話形式で解説する」という前代未聞の作りになっている。算数の本でありながら「AIにはできないこと」を裏テーマに作られたこの本の著者はDeNAでAIプロダクトマネージャー兼AIエンジニアとして活躍する菅藤佑太氏。菅藤氏はYouTuberとして4年間で840問もの中学算数入試を解説している。本記事はこの本の中から、算数問題は日本一と呼び声の高い灘中の、基礎知識だけで解ける問題を紹介する。(構成/淡路勇介)
■さあ、灘中を解こう!
(以下省略)』
②『【たった1本の補助線わかる?】小学生でも簡単に解ける、ヒラメキで一発の算数図形問題! あなたはどこに補助線引く?
https://diamond.jp/articles/-/378541
■図形問題は補助線が引けるかどうかで決まる
さぁ、今回は、公文国際学園の問題を解いてみましょう!
(以下省略)』
タイトルを読むだけでグッと惹かれますが、「果たしてその内容は?」ということで、中身を紹介します。
まず、以下は、アマゾンの販売ページの紹介文です。
『灘や開成の入試問題が解けたら、自慢できるし、褒められる。すると嬉しくなって、答えがわからない難しい問題を解くのが楽しくなって……人生が変わっちゃうかも!?会話形式×フルカラー×イラスト満載の難関中学図形問題解説本。図形問題って解けるとこんなに気持ちいい!親子で解くのもよし!学び直しにもよし!』
「灘や開成の入試問題」を「会話形式×フルカラー×イラスト満載」で解説するという文言は、かなり魅力的ですね。
また、本の裏表紙の「この本のすごいところ!」という宣伝文句は以下の通りです。
『1 とにかく文字が大きくて、フルカラー! イラスト満載!
2 マンガもあって会話形式だから寝ながら読める!
3 ハードルが劇的に低い!
4 一生に一度は解きたい! 世界遺産級の問題を厳選!』
「世界遺産級の問題を厳選」という文言にもそそられます。
さて、本の内容は、
『1時間目
1時間目-1 てっとり早く、頭をよくする方法:渋谷教育学園渋谷中の過去問
1時間目-2 友だちを簡単に作る方法:桐朋中の過去問
2時間目
2時間目-1 幸せになるコツと比の話:公文国際学園中の過去問
3時間目
3時間目-1 もう灘中が解けちゃう!:灘中の過去問
3時間目-2 ○+×+90°=180°:城北中の過去問
4時間目
4時間目-1 パズルみたいな算数問題:オリジナル問題
5時間目
5時間目-1 いよいよ開成中に挑戦!:開成中の過去問
5時間目-2 君たちは天才的な補助線が引けるか?:灘中の過去問
5時間目-3 ほんとうに灘中が解けちゃうの?:灘中の過去問
最後の袋とじ問題
これ解けたら、マジで天才! いや、神です。正答率、なんと0%。:ジュニア算数オリンピックファイナルの過去問』
という構成で、採用されている問題は、中学入試の過去問が8問、オリジナル問題が1問、算数オリンピックが1問、合計10問です。
「世界遺産級の問題を厳選」とある通り、厳選した「10問」という意味なのでしょうが、読む人によっては無駄に見える解説ページも多く、問題数は物足りません。
さらに、過去問8問は、参考書・塾のテキストでもYouTubeでも、あちこちでお目にかかる有名な問題で、菅藤氏自身のYouTube『まなびスクエア』でも解説を公開しているのでしょう。
わざわざ「有料の解説本」を購入してまで読まなくてもと、少々疑問でもありますので、興味のある方は、書店で実物を手に取ってから購入するかどうか決めてください。
「会話形式×フルカラー×イラスト満載」が気に入れば、購入する価値を見出せるかもしれません。
なお、以前にもメルマガで紹介したことがありますが、YouTubeの『難関私学進学指導 APEX』の解説動画はおススメです。
前回のメルマガで紹介した『ダイヤモンド教育ラボ』の記事、
『あなたの家は大丈夫? 大学受験で地獄を見る親子の特徴9選|高校生専門の塾講師が解説』
https://diamond.jp/educate/articles/education-news/400460/
にもお返事をいただきました。
ありがとうございます。
『大学受験を迎えて「地獄」を見る親子の記事には、いろいろ考えさせられました。うちの子はまだ小学生ですが、大学受験を迎える頃、はたして「地獄」を見ないで合格を勝ち取れるかと思うと、ほんとうに不安です。』
脅すつもりはありませんが、「備えあれば憂いなし」という言葉通り、最新の情報を集めながら子育ての微調整や軌道修正を怠らないことが重要です。
まだ小学生ということですが、あれよあれよという間に子どもは成長していきますので、気を抜くことはないようにお願いします。
では、9つのケースについて少し考えてみます。
①「子どもの精神年齢が幼い」。大学受験や将来が「自分ごと」になっていない状態。
「勉強や受験がどうこう」と言う前に、子どもが、自分の「自由・義務・権利」などを少しずつ理解していくことが大切です。
同時に、お子さんが、自分の周りの出来事を「自分ごと」として捉えられているかどうか、つねに気をつけてあげてください。
お子さんの心の成長なくして、受験勉強が順調に進むはずがありませんし、親の側の心の成長も必須です。
②「親だけが異常に焦っている」。
①でも書きましたが、「家庭内で、親子がともに成長していく」という視点が重要だということです。
子どもの勉強や受験は、親が子どもの前に立って露払いをしながら進めていくものではありません。
子どもがいずれ一人で進んでいけるように、親が併走しながら助言したり、子どもの進む姿を後ろから見守ったりして進めていくものです。
子育てで、親が一方的に焦る姿を見せるのは避けなければなりません。
③「受験期までに子どもの学力を親が把握していない」。
学校のテストや外部模試の結果だけでなく、日々の学習内容に関しても、子どもの現在地を「等身大で正しく認識する」必要があります。
楽観的な認識も悲観的な認識も、どちらも「百害あって一利なし」となりかねない危険性を孕んでいるからです。
子どもの抱える「現実」に興味を持って、その細部にまで気を配るのが親の務めですね。
④「地獄を見る心づもりをせずに受験期に突入する」。
子育て中に「地獄」を見たい親はいないと思いますが、それでも、「地獄が出来し得る」「地獄に直面したらどう対処するか」など、危機管理意識が必要だということです。
そもそも子育てにおいて、「順風満帆」だと感じられる場面は少ないでしょうし、「順風満帆」な状況は奇跡と言っても過言ではないかもしれません。
「地獄」とまではいかなくとも、「危機は何度も訪れる」という覚悟をお持ちください。
⑤「親も子も大学や学部へのこだわりが強すぎる」。
「○○学部に進学して、△△になりたい」という具体的な希望を持つ高校生は少数派でしょうし、一方、「文系か理系かさえ決めかねている」という高校生は思った以上に多いように感じます。
「正しい現状分析」や「明確な進学計画」もなく、イメージ先行の「こだわり」になってしまっているかもしれません。
実際、ネット上には、「自分も東大や医学部に合格できるかも」という「幻想記事」も溢れています。
将来に関しても、親子で、小さい頃から「地に足が着いた対話」を続けてほしいものです。
⑥「努力していないのにプライドが高い」。
⑦「大学受験そのものを甘く見ている」。
⑧「親も子も逆転合格を信じている」。
これらは、勉強や受験に限らず、人生のどの場面でも気をつけるべきことでしょう。
子どもの自尊心はもちろん大切なものですが、自尊心の裏側に「自己研鑽や自律」「他者への配慮や敬意」などが必須であることを教える必要があります。
日々の生活の中で、親が「努力」のお手本を示しましょう。
真摯な努力なき「合格・勝利」は、子どものその後の人生を歪めてしまうかもしれません。
⑨「塾の先生の言う通りに受験しない」。
学校や塾の先生のアドバイスは、参考にすべきものであり、従うべきものではないと思います。
「努力という裏付けのある目標」に向かって正しい決断を下すのは自分自身だ、ということですね。
次回のメルマガでは、長期休暇前の恒例として、平成31年(2019年)の灘中の国語の過去問を紹介する予定です。
冬休みに親子で活用していただければ幸いです。
12月最初の木曜日になりました。
受験生ご本人も受験生のいるご家庭のみなさんも、感染症対策に余念がないと思いますが、生活や勉強のリズムを崩さないように、万全の自衛をお願いします。
一方、多くの子どもたちは、「もうすぐ冬休み! クリスマス! お正月!」といったウキウキ気分かもしれませんね。
楽しいことばかりが気になるところでしょうが、体調を崩してしまっては、楽しい計画も「残念!」となってしまいます。
体調は気をつけることができますが、先週は、次のような予期せぬ出来事(『日刊スポーツ』)もありました。
『観覧車停止し20人閉じ込め 9時間後に全員救助、大阪・吹田 落雷の影響
https://www.nikkansports.com/general/news/202511260000063.html
25日午後5時40分ごろ、大阪府吹田市の商業施設「エキスポシティ(EXPOCITY)」の観覧車「オオサカホイール」が落雷の影響で緊急停止した。運営会社や地元消防によると、停止時に利用していた乗客9組約20人がゴンドラ内に閉じ込められ、約9時間後に全員救助された。けが人はいないという。
落雷で停電し、観覧車の動力システムが故障したことが原因とみられる。スタッフや消防隊員が観覧車を手動で回転させたり、はしご車で乗客を救出したりし、26日午前2時40分ごろに全員が外に出られた。救助後、毛布をかけられる乗客の姿も見られた。
オオサカホイールは最も高い部分で約123メートルあり「日本一の高さ」の観覧車だという。エキスポシティは大型複合施設で、映画館やショッピングモールなどがある。』
テーマパークでは、過去に「ジェットコースターが途中で停止した」という事故もありましたが、今回は、「日本一の高さを誇る観覧車が停止した」という事故です。
落雷の影響では仕方がないとも言えますが、全員を救助するのに9時間もかかったとなると、乗っていた人たちの恐怖は想像以上のものでしょう。
高所恐怖症の私が観覧車に乗ることはあり得ませんが、いつどこでこんな事故に遭遇するかは誰にもわかりません。
冬休みに、観覧車やジェットコースターに乗る際には、どんな準備・対策ができるのでしょうか。
残念なことに、「事前にトイレに行っておく」くらいでしょうか。
高市首相の台湾関連の発言が大きな問題になっていますが、またもや「重大な放言」の記事(『女性自身編集部』)です。
『「本音なのだろう」高市首相 党首討論で放った“裏金問題”への「7文字」に批判続出
https://jisin.jp/domestic/2540765/
11月26日、高市早苗首相(64)が就任後初となる党首討論に臨んだが、自民党の裏金問題について追及された際の答弁が波紋を呼んでいる。
トップバッターとなった立憲民主党・野田佳彦代表(68)は、まず台湾有事に関する高市氏の国会答弁の真意を追及。野田氏は続けて、石破茂前首相(68)が約4カ月前に自民党に指示をした、企業・団体献金の受け皿となっている政党支部の実態調査の結果について「それ今どうなっていますか?」「いつまでに回答していただけるのか?」などと舌鋒鋭く質問。
すると、高市氏は「支部の調査、7757、とても多い支部です」などといいつつ、「自民党の事務局でしっかりと慎重に調査している」と回答。「いつまでに回答するか」については答えなかった。
野田氏は続けて、石破氏が約束したことであり、公党として引き継がれているはずの実態調査なのに、期限について高市氏が回答しなかったことを追及。「実態も把握できないような政党支部が、企業・団体献金など受け取るべきではない」といい、各党から提出される政治資金規正法改正案を今国会で通したいと表明。「総理の見解を伺いたい」と尋ねた。
それに対し、高市氏は「支部の数そして実情の調査を行っていますが、それを御党にお示しするという約束であるとは思っていません」と、石破氏が約束した調査の結果を公表することを拒否。すると、議場からは「え?」などとヤジが上がった。
そして、ヤジが飛び交うなか高市氏は野田氏にこう持ちかけた。
「まあ、そんなことよりも、ぜひ野田総理、定数の削減やりましょうよ」
この直後に時間切れとなり、野田氏が再び発言する機会はなかったが、議場からヤジは収まらず、波乱のまま終了。
「昨年の衆院選と今年の参院選で自民党が大敗して議席を減らした大きな理由のひとつは『政治とカネ』の問題に国民が納得できていないからでしょう。国民の関心も高く、与野党で協議してきたこの問題を、高市氏は驚いたことに『そんなこと』と切り捨て、議員定数削減に話をすり替えました。
26日には、日本維新の会・藤田文武共同代表(44)が先の通常国会に立憲など5党派で共同提出した企業・団体献金を禁止する政治資金規正法改正案を自民と連立を組んで与党となったことで取り下げる考えを示しています。
高市氏は裏金問題に関与した議員を政権の幹部に登用しており、一定の説明責任は果たしたという認識なのでしょう。とはいえ、大きな政治不信を招いた裏金問題を“そんなことと”と言ってしまうのは、国民からあまり支持得られるとは思いません」(全国紙政治部記者)
全く解決していない「政治とカネ」の問題を“そんなことよりも”と済ませようとした高市氏にXで批判が殺到している。
《高市早苗にとって、企業団体献金の規制強化は『そんなこと』なんですって》
《台湾有事に関する問題発言にせよ 今回の「そんなことより・・」も高市総理がやらかしてしまうのは 本音がポロっと出た時。この人に自由に本音を喋らせたら どんな恐ろしい言葉が出てくることだろう》
《政治資金は、「そんなことより」のレベルの話ではない。明らかに失言だよ》
《政治と金の問題を「そんなことより」 自民党の存続にも関わる 大きな問題だと思うけれど それが本音なのだろう》
果たして国民は「そんなこと」と思っているのだろうか?』
引用がかなり長くなってしまいましたが、編集・省略していい部分がなかなか見つかりませんでした。
どこを読んでも、高市政権の軽さや危うさが溢れていて、国民を舐めているとしか思えません。
また、次のような記事(『JBpress』、冒頭部分だけです、すみません)もありました。
『【やさしく解説】なぜ今、議員定数削減なのか…政治とカネ問題から目を逸らすため? 削減の歴史と課題とは
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/91487
フロントラインプレス 取材記者グループ
目次
・なぜ今、衆院議員定数削減が急浮上したのか
・1割削減で何が変わる?比例代表50人減案の中身
・定数削減の歴史と課題、日本の議員数は本当に多いのか
開会中の臨時国会で、衆院議員の定数削減が実現する見通しとなってきました。与党自民党と閣外協力の日本維新の会は、すでに定数の1割削減を目指す政策合意書を締結済み。野党の国民民主党も削減案が提出されたら賛成すると表明しています。高市早苗政権の発足前まで、政治改革の一番の課題は「企業団体献金の禁止」をどう扱うかでした。自民党の裏金問題を後景に追いやるかのように浮上してきた議員定数削減とは、どんな中身なのでしょうか。やさしく解説します。
(以下省略)』
興味のある方は、ぜひ引用元を訪れて、全文を読んでみてください。
次の国政選挙でも、自民党は、「政治とカネ」の問題を突きつけられるかもしれませんね。
高市政権では、「非核三原則」の見直しも囁かれています。
次のような記事(『東京新聞』、こちらも冒頭部分のみです、すみません)も、ネット上にたくさんあります。
『〈社説〉非核三原則 「国是」を短慮で見直すことは許容できない』
https://www.tokyo-np.co.jp/article/450210
高市早苗政権が核兵器を「持たず、つくらず、持ち込ませず」の非核三原則の見直しを検討している。日本は唯一の戦争被爆国として非核三原則を国是に位置付け、核兵器の廃絶を目指す平和国家の礎にしてきた。時の政権の短慮で見直すことは許容できない。
非核三原則は1967年に当時の佐藤栄作首相が国会で表明し、累次の国会決議で「国是」として確立した。
日本は米国の「核の傘」の下にあるが、2022年の国家安全保障戦略など安保3文書は「非核三原則を堅持するとの基本方針は今後も変わらない」とし、2025年版の防衛白書も「国是としてこれを堅持している」と明記した。
(以下省略)』
こちらも、高市政権の危うさが全開です。
興味のある方は、ぜひ全文を読んでみてください。
さて、次は「高校授業料無償化」に関連する記事(『産経新聞』、一部編集しています、すみません)で、珍しく、近畿圏の「中学入試」を扱っています。
『高校無償化で関西の中学受験が活況 ライト層の増加で2026年入試の受験率は過去最高へ
https://www.sankei.com/article/20251125-4PG2E2M3UZKP7EWMSB7IHWY5XU/
近畿圏で中学受験が過熱し、令和8(2026)年度入試の受験率が、過去最高を更新した7年度入試を上回る見通しとなっている。従来の受験者は早期から進学塾に通って難関校を目指す層が中心だったが、近年はもともと受験を考えていなかった〝ライト受験者〟の参戦が数値を押し上げている。その背景には、大阪府が実施している高校授業料の完全無償化の余波や、私立中の魅力的な学習環境などがあるようだ。
■10人に1人が受験
■コロナ禍の経験
一方、8年度入試に臨む今年の中学受験生が、小学校入学直後から新型コロナウイルス禍に見舞われた世代であることも、中学受験熱に関係しているとの見方もある。
コロナ禍では対面型授業の実施が困難となり、当時は公立校の対応の遅れが問題化したが、私立中では比較的早期にオンライン授業などに対応。こうしたことも保護者が私立に目を向ける契機となったとみられている。
さらに私立では、職業体験やカウンセリングなどを通して将来を考える「キャリア教育」を積極的に実施したり、長期間の海外研修を行ったりするなど、費用はかかるものの公立にはない充実した教育環境があることも人気を後押しする。
以前は、中学受験というと、小学生の早期から進学塾に通い、偏差値の高い進学校を目指す過酷な受験というイメージが強かった。だが、最近は1年ほどの準備期間で、自分の学力レベルに合った学校の中から特色ある学習内容を掲げる中学を選ぶという、従来型よりも負荷を掛けない受験者層が目立っている。
日能研の森永氏は「学力一辺倒ではない多様な大学受験への対応を考えると、保護者にとっては私立は魅力的にうつるのではないか。少なくとも、近畿の中学受験は今後2、3年は過熱しそうだ」との見方を示す。(木ノ下めぐみ)
大学の入試改革が進んだことによる入試方法の多様化も、中学受験熱の高まりに影響を及ぼしている。近年の入試は学業以外の要素が問われることも多いが、保護者は私立中高ならではの対応に期待をかけている。
大学入試は、以前は英語や数学など特定教科の試験を行う一般入試が主流だったが、近年は面接や論文、プレゼンテーションなどを課す総合型選抜(旧AO入試)も増えている。特に私立大では入学前年の12月までに合否が決まる「年内入試」が主流となりつつある。
文部科学省によると、令和6年度の国立大で、総合型選抜による入学者が占める割合は6.1%、学力試験を伴う学校推薦型選抜は12.4%。私立では、学力試験を課さない総合型が19.0%、学校推薦型が40.3%だった。
総合型選抜は通常の教科教育だけでは対応できないとして、私立中高はICT(情報通信技術)教育や探求学習に力を入れる。将来の職業選択に関係するキャリア教育を中学から充実させる私立もあり、わが子の進学を希望する保護者は多い。』
近畿圏の中学入試において、高校授業料無償化の影響で、〝ライト受験者〟と呼ばれる受験者層が増加しているとのことです。
今後は、従来の「ガッツリ受験者層」とは別に、「新たな中学受験路線」として確立されていくのかもしれません。
とはいえ、大阪の私立高校では、授業料を「無償化の範囲内」に据え置く一方で、無償化とは別枠の「入学金」などを上げる高校が出てきているようです。
私立中学だけでなく、私立高校に通うのに、トータルでどの程度の教育費が必要になるのか、しっかり考えて長期計画を立てたいものです。
最後に、『ダイヤモンド教育ラボ』の記事(かなり編集しています、すみません)を紹介します。
『あなたの家は大丈夫? 大学受験で地獄を見る親子の特徴9選|高校生専門の塾講師が解説
https://diamond.jp/educate/articles/education-news/400460/
大学受験シーズンに、「親子で『地獄』を経験する家庭がある」と天童辰也(てんどー)さん。一般選抜で受験に落ち続けて家全体が重い雰囲気になるのを、天童さんは「地獄」とし、本当に1~3月のあいだどこも受からず、地獄が続くのを「大地獄」だと呼んでいます。今回、その地獄に陥りやすい親子の特徴をテーマに取り上げました。親子の特徴を9つに整理して紹介します。
①「子どもの精神年齢が幼い」。大学受験や将来が「自分ごと」になっていない状態。自分の将来を直視できず、他人ごとのまま受験期を迎えると、確実に苦労する可能性が高い。高校3年生の4月時点で、まだ大学受験が自分ごとになっていないなら「かなり危険なサイン」。
オープンキャンパスに行く、あるいは保護者が大学や進路の情報を伝えるなどして、「早いうちから大学進学を自分ごとにする」「子どもの幼さを解消する」ことが、受験において最も大切。
②「親だけが異常に焦っている」。①のケースともつながるが、本人はのんびりしているのに親だけが過度に焦っている状況は、家庭の雰囲気として最悪のパターン。
親子が同じ方向を向いて焦るならまだしも、親だけがヒステリックに「勉強しなさい」「受験はどうなっているの」と詰め寄ると、子どもは精神的に大人になりにくく、家の空気が一層重くなる。地獄の雰囲気は、実は親が作っているのではないか。穏やかな雰囲気づくりが重要。
③「受験期までに子どもの学力を親が把握していない」。模試の結果を、子どもは親を心配させたくなくて「大丈夫」と答えたり、判定を偽って伝えたりする。それを鵜呑みにして、実力以上の大学ばかり受験すると、合格を信じていた大学に次々と落ち、「地獄到来」というケースになりやすい。
子どもの本当の学力を知るためには、塾の先生に直接聞いたり、11~12月ごろに三者面談をしたりなどして、現実的なラインを共有しておくことが大切。
④「地獄を見る心づもりをせずに受験期に突入する」。保護者の世代と比べて、今の受験は、家庭を巻き込み精神的に疲弊させるものになっている。これを自覚しているだけでも違う。
⑤「親も子も大学や学部へのこだわりが強すぎる」。こだわりが悪いわけではないが、特定の大学や学部、立地条件に捉われすぎると、自分に合いそうな大学や入りやすい選択肢を見逃してしまう。
上位の大学群に入っていなくても良い大学は存在し、学部・学科名も少し検索の仕方を変えるだけで興味深い分野が見つかる可能性がある。立地の範囲を広げれば、現実的に「受かりやすい大学」が見つかるかもしれず、「狭い視野は単純に合格の可能性を下げてしまう」と注意。
⑥「努力していないのにプライドが高い」。難関大学に合格する生徒は、中学生や高校1年生の頃から地道な努力を積み重ねるが、このタイプは、積み重ねの重要性を実感せず、自分の努力量と目標のレベルが釣り合っていない。勉強が足りないのに「早大や東大に行きたい」というのなら要注意。
⑦「大学受験そのものを甘く見ている」。滑り止めを受けなかったり、滑り止めに高レベルの大学を設定するケース。自分の実力と大学のレベル感がずれていると、結果として“地獄”に近づく。
⑧「親も子も逆転合格を信じている」。偏差値50の生徒が難関私大に合格するという逆転合格の話は世の中に溢れているが、可能性はゼロではないというだけ。自分の子の逆転合格に期待を膨らませすぎると、叶わなかったときの落差が大きく、家庭の雰囲気をさらに悪化する。偏差値よりかなり上の大学を受けてはいけないという意味ではないが、「過剰な夢を抱かないように」注意すべき。
⑨「塾の先生の言う通りに受験しない」。多くの先生は、非常に現実的な受験プランを提案する。それでも親子が「先生の勧める大学には行きたくない」と、実力相応校や滑り止め校を外してしまい、上位校ばかりを受けた結果、全滅してしまう大地獄の例も多い。塾の先生の提案をすべて鵜呑みにする必要はないものの、「必ず参考にした方がよい」。
お子さんが大学受験を迎えるまで、上記のようなアドバイスを肝に銘じておきたいものですね。