【登場人物】

・真司…新潟市秋葉区在住の会社員。地元愛あり。

・東京の同僚・優斗…アニメ好き。

・東京の同僚・美香…なんとなく乗っかるタイプ。




【場面】

東京本社。ランチタイム、自己紹介タイムになり——。




優斗「真司さんって、新潟のどこに住んでるんですか?」


真司「新潟市の秋葉区ってところ」


優斗「……え、“アキバ区”?

 秋葉原、区になったんですか!?」


真司「ちがうちがう! “電子パーツ”とか一切売ってないほうの秋葉!」


美香「メイドカフェもない秋葉……」


真司「そういう基準で地方を判断しないで」




優斗「じゃあ“オタクの聖地”じゃなくて?」


真司「“温泉と里山のある、市民の聖地”みたいなとこです。また鉄道の聖地でもあります」


美香「なんか説明が急にNHKっぽい」




優斗「でもさ、“秋葉”って聞いたら、

 つい“アニメショップ何軒あるの?”って思っちゃうんですよね」


真司「アニメショップより、ラーメン屋と温泉のほうが多いです」


美香「それはそれでパラダイス」




その夜、会社の飲み会。


優斗「みんな〜、真司さんの家、“秋葉”にあるんだって!

 オタクの聖地在住だよ!」


同僚たち「おお〜!」


真司「ちがうちがうちがう!

 “秋葉区”は、

 ・田んぼある

 ・温泉ある

 ・メイドさんいない

 ・鉄道の聖地

 これ大事だから覚えて!」


美香「じゃあ今度、“アニメじゃない秋葉ツアー”企画してくださいよ」


真司「いいよ。“メイドの代わりに、地元の温泉とおばちゃんが待ってるツアー”ね」


優斗「それはそれで、ちょっと行ってみたいかも…」


(こうして秋葉区は今日も、

 アニメとは無関係なまま、

 じんわりと東京の人の興味を集めていくのであった)


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

「あきはくです」と言うたびに、

頭の中で勝手に“アキバ”に変換されていく東京勢…。

新潟市秋葉区が、気づけば「メイドカフェとアニメショップのない秋葉」として

認識されてしまう、ちょっと悲しくてちょっと誇らしいお話でした。


でも実際の秋葉区は、

田んぼと里山と温泉と鉄道の、のんびりした暮らしがある場所。

オタクの聖地ではないけれど、

“ゆるく生きたい人の聖地”くらいにはなれるかもしれません。


これから県外の人に説明するときは、

こう名乗るのがいいのかも。


「アニメじゃないほうの秋葉です。

代わりに温泉とおばちゃんが出てきます」


それはそれで、かなり強いコンテンツだと思います。