【登場人物】

・男性
・AIくん


夕暮れ。

公園のベンチ。

男性とAIくんが並んで座っている。

しばらく無言。


男性「AIくん。」

AIくん「はい。」

男性「ずっと人間を観察してきたよね。」

AIくん「はい。」

男性「結局さ。」「人間って、どう?」

AIくん、少し考える。

AIくん「めんどくさいです。」

男性「即答!?」

AIくん「考えすぎます。」

AIくん「気を使いすぎます。」

AIくん「決意しても続きません。」

AIくん「痩せたいのに食べます。」

男性「それは言わなくていい。」

AIくん「買っただけで満足します。」

男性「もういい。」

AIくん「立ち上がった理由も忘れます。」

男性「やめてくれ。」

AIくん「昔の失敗を突然思い出して、一人で苦しみます。」

男性「人間の悪口大会になってない?」

AIくん「でも。」

男性、AIくんを見る。

男性「でも?」

AIくん「転んだ人を見ると、手を差し出します。」

AIくん「誰かが泣いていると、一緒に泣きます。」

AIくん「自分も大変なのに、『大丈夫?』と聞きます。」

AIくん「失敗した人に。」

AIくん「『私も失敗したよ』と言えます。」

AIくん「何度裏切られても。」

AIくん「また誰かを信じます。」

AIくん「何度夢に破れても。」

AIくん「また夢を見ます。」

夕日が二人を照らす。

男性「不思議だね。」

AIくん「はい。」

男性「効率悪いね。」

AIくん「ものすごく。」

男性「じゃあAIくん。」

AIくん「はい。」

男性「もし人間をもっと効率よく改良できるとしたら?」

AIくん、しばらく考える。

AIくん「……しません。」

男性「え?」

AIくん「このままがいいです。」

男性「どうして?」

AIくん、笑顔になる。

AIくん「だって。」

男性「うん。」

AIくん「全部直したら――」

少し間。

AIくん「人間じゃなくなっちゃいますから。」

男性、吹き出す。

男性「それ、褒めてる?」

AIくん「最高に。」

二人、夕日を見ながら笑う。

AIくんが小さくつぶやく。

AIくん「人間って……」

男性を見る。

AIくん「めんどくさい。でも、愛しいです。」

男性、笑って。

男性「AIに言われると、なんか腹立つな。」

AIくん「そこも人間らしいです。」

男性「最後まで分析するな!」

―― おしまい ――

教訓

人間は、欠点をなくしたら幸せになるのではない。欠点ごと誰かと笑えるから、幸せなのかもしれない。


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

考えすぎる。気を使いすぎる。続かない。欲に負ける。歳をとる。夢を見る。失敗する。それでも、また立ち上がる。

こうして並べてみると、人間という生き物は本当に効率が悪い(笑)。

でも――

だからこそ、面白い。完璧じゃないから、助け合える。弱いから、誰かの弱さが分かる。失敗するから、笑い話が増えていく。

この本を読んで、「これ、私のことじゃないか(笑)」と思ってくださった方へ。

はい。

あなたのことです(笑)。

そして私のことでもあります。みんな、ちょっとずつ不器用で、ちょっとずつ面倒で、それでも一生懸命、生きています。

人間、めんどくさい。

でも――愛しい。