【第6章】歳をとるのも予定外

――大人になれば、もう少し大人になると思っていた。

【登場人物】
・男
・妻
・友人

若い頃。

男:「老後はいいよなぁ」

友人:「何するの?」

男:

「何もしない!」

友人:「最高だな」

男:「朝はゆっくり起きて、温泉行って、昼寝して……」

友人:「夢だなぁ」

男:

「予定のない人生を送る!」


そして現在。

朝7時。

妻:「今日の予定は?」

男、スマホを見る。

「午前、打ち合わせ」

妻:「うん」

「昼、知人とランチ」

「午後、講座」

「夕方、原稿」

「夜、オンライン会議」

妻:

「会社員の頃より働いてない?」

男:

「気のせいだ」


スマホが鳴る。

友人:「明日、空いてる?」

男、カレンダーを見る。

男:

「来月なら」

友人:「老後だよね?」

男:

「一応」

友人:「のんびりしてるんじゃなかった?」

男:

「のんびりする予定で忙しい」

友人:

「意味が分からん!」


夜。

妻:「明日は?」

男、予定表を見る。

「朝から温泉!」

妻:「やっと休みね」

男:

「そのあと打ち合わせ3件!」

妻:「温泉くらいゆっくり入りなさい!」

男:

「大丈夫。入浴時間も予定に入れた」

妻:「何分?」

男:

「15分」

妻:

「カラスでももう少し入るわ!!」




いかがでしたか?笑っていただけましたか?

若い頃に想像していた老後。

温泉。昼寝。散歩。読書。

ところが実際にその年代になると――

仕事、仲間、勉強、趣味、新しい挑戦。

なぜか予定表は現役時代より真っ黒です。

人生、だいたい予定外。

老後とは、暇になることではありません。

やりたいことを断る「仕事」がなくなって、全部やり始める時期なのかもしれません(笑)。