【登場人物】

・佐藤…タレかつ丼至上主義。

・中村…カレーは世界共通語だと思っている男。

・後輩・ユウキ…どっちでもいいけど巻き込まれ体質。

【場面】

新潟市内、昼前のオフィス。

今日のランチ店を決める“昼食会議”が始まっている。

佐藤「今日はタレかつ丼一択だな」

中村「ちょっと待て。カレーという“人類のソウルフード”を忘れてないか」

ユウキ「(心の声)また始まった……」

佐藤「いいかユウキくん、新潟に来たからには“丼からはみ出すタレかつ”を経験すべきなんだよ」

中村「いやいや、新潟カレーもレベル高いから。

 ご飯にルーかければ、だいたい正義」

佐藤「タレかつだってご飯にのせる。つまり“タレかつ丼=カレーの親戚”だ」

中村「どんな家系図だよ」

ユウキ「じゃ、交互に行きません?

 今日はタレかつ丼、明日はカレーで――」

佐藤「ダメだ。今日、どうしてもタレかつの気分なんだ」

中村「奇遇だな。俺も今日、カレー以外考えられない」

ユウキ「(心の声)胃袋まで対立してる……」

佐藤「じゃあ決めよう。“新潟らしさ”で」

中村「よし来た。“汎用性”でカレーの勝ちだろ。雨の日でも、二日酔いでもいける」

佐藤「タレかつ丼は、“テンション”で勝つ。

 午後の会議前に、あのビジュアルでドーンと元気出る」

中村「カレーの香りだって元気出るぞ」

ユウキ「どっちも元気出るんですよね、結局」

(沈黙)

中村「……じゃあさ」

佐藤「うん?」

中村「“カツカレー”にする?」

佐藤「タレかつじゃないなら意味がない」

中村「そこは譲らないんだ……」

【ラスト】

ユウキ「じゃあこうしましょう。

 タレかつ丼の店に入って、俺がカレー頼みます」

佐藤「そんな邪道が許される店、あるか?」

中村「あったら新潟の“平和条約締結店”だな」

(結局その日3人は、

 タレかつ丼専門店で「タレかつ丼2つ・カレー1つ」という

 絶妙にまとまってない注文をして、

 店員さんをちょっとだけ困らせるのであった)


いかがでしたか?笑っていただけましたか?

タレかつ丼派とカレー派、

やっていることはただの「お昼どこ行く?」なのに、

本人たちのテンションだけは宗教戦争レベルというお話でした。


どちらも


  • ごはんにのってて
  • 茶色くて
  • 食べたら眠くなる



という共通点だらけなのに、

なぜか「今日の正義」はひとつじゃないと気がすまない大人たち。


結局、タレかつ丼専門店に行って

「タレかつ丼2つ・カレー1つ」という

店員さんが一番リアクションに困るオーダーで着地しているあたり、

平和解決なのか、ただのわがままなのか…微妙なラインです。


でも本音を言えば——

タレかつ丼を食べたあとに、カレーのことを考えている時点で、

みんなもう“どっちも派”なのかもしれません。