【登場人物】
・恵(母)…おみやげは多めに買う派。
・健(父)…楽観派。「なんとかなる」。
・ミオ(娘)…現実派。LINE係。
・ご近所LINEの皆さん…既読は早いが返事は遅い。
【場面】
夜のリビング。テーブルの上に笹団子の袋がドン。
数えたら、なぜか20個ある。
恵「……おかしいな。10個買ったはずなんだけど」
健「新潟は優しいから、増えるんだよ」
ミオ「増えません」
恵「明日までに配らないと、笹団子が“家族”になる…」
健「いいじゃん。笹団子一家」
ミオ「進学先みたいに言うな」
ミオ「とりあえずLINEで配り先探すね」
(スマホぽちぽち)
ミオ「『笹団子たくさんあります。欲しい方いますか?』送信」
健「おお、デジタル町内会!」
恵「…反応くるかな」
(既読が一気に増える)
ミオ「既読、12!」
恵「返事は?」
ミオ「ゼロ」
健「笹団子、人気すぎて皆、心の中で手を挙げてる」
ミオ「それ配れないタイプの人気」
(数分後)
ミオ「来た。『今ダイエット中』」
恵「ダイエット中に笹団子を断れる強さ、尊敬する…」
ミオ「次。『孫が来るから助かる』」
恵「よし!10個いける!」
ミオ「『ただし、きなこ派です』」
健「笹団子に派閥あるの!?」
ミオ「あ、また来た。『笹団子、明日なら…でも2個まで』」
恵「2個…2個…2個…」
健「配るたびに移動コストが勝つやつだ」
ミオ「このままだと、配り先より“配り方”が問題だね」
恵「こうしよう。玄関前に置いて、
『ご自由にどうぞ』にする!」
ミオ「マンションの掲示板に怒られるやつ!」
健「じゃあ、『ご自由にどうぞ(ただし自己責任)』」
ミオ「余計こわい!」
【ラスト】
ピコン。
ミオ「……来た。『会長です。明日の雪かきシフト会議で配ってください』」
恵「笹団子が“会議の餌”になった!」
健「回覧板の次は笹団子が回るのか」
ミオ「新潟、物が回りすぎ問題」
恵「よし。会議に20個持っていけば——」
健「全員、8時枠みたいに一斉に手が上がるぞ」
(翌日、笹団子は無事に消えた。
ただし、雪かきシフトは決まらなかった。)
