「太平洋の地獄」と「流されて」を見て | マルフジノート

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 先日、黒澤明監督の「羅生門」(1950/日本)を見た、今回ジョン・ブアマン監督の「太平洋の地獄」(1968/アメリカ)を見た。

どちらも主演に三船敏郎が登場する。
監督は変われど三船は変わらない豪放かつコミカルなキャラクターに親近感がわく。

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物語の内容は戦時中に孤島に流れ着いた日本兵と米兵のロビンソンクルーソー的物語である。

さすがは「脱出」(1972)というスリリングな作品を作った監督である。
「脱出」と同じく敵同士が追う追われるシーン、水の攻防戦、お互いの神経戦、島からの脱出のシーンはスリリングで見応えありました。

とにかくラストシーンが必見、爆発します。

また「太平洋の地獄」はDVDの別チャプターで「別のラストシーン」というものがありそれも面白く、1作品なのに二度楽しめてお得感あり。

 「太平洋の地獄」を見みる少し前に同じ漂流した話である「流されて」(1974/リナ・ウェルトミューラー監督/イタリア)を見た。

ビジュアルで砂浜で抱きあう二人の男女、これはとっても激しい恋愛もの?
と思って見てみると内容は恋愛もの?コメディ?か中庸でお粗末でした。
どちらかに割り切った方が良い作品になった思う。

この物語、雇い主(女性)と雇われ人(男性)がある事故で漂流する。
そしてたどり着いた先が無人島だったことから主従関係が逆転する。
今までののしられ続けていた男が無人島では何一つ出来ない女を力で押さえつける。

こんな作品フェミニストの人が見たら怒りちらすやろうな~と
思ってたらリナ・ウェルトミューラー監督って女性だったことには驚いた!
完全に男の視点だと思っていた。

しかしこちらは「太平洋の地獄」違いラストーシーンでこける。
ラストシーンおちゃらけなしでロマンチックに終わればもっと良い作品になったはず残念である。

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 どちらの作品も冒頭で話したロビンソンクルーソー(1719/ダニエル・デフォー)を思い出した。
ずいぶん昔に読んだので物語の断片でしか覚えていませんが、
大嵐で座礁した舟から一人生き残り無人島(確か人食い人種がいたから無人島ではないかも?この辺があやふやな記憶です)にたどり着き、そこでの生活を面白おかしくした物語。

主人公(ロビンソンクルーソー)は座礁した舟から様々な有り合わせの物を島に持ち込み生活していく。

ロビンソンクルーソーを通して現代に生きる人間が全く物が無い世界で生きるということは如何に大変かということを感じさせられた。

何か無ければネットで宅配してもらう、食べ物無ければコンビニ向かう、そんな無精な私なんぞ物が無い世界では3日も生きれない。