RZ350 フレーム曲がり修正&ガソリンタンク修正&車検 02 | 丸忠輪店 ブログ

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前回書いた記事からかなり間が空いてしまいましたが

どうしようもできない色々な理由があり作業がストップしていました

 

RZ350 フレーム曲がり修正&ガソリンタンク修正&車検 01 | 丸忠輪店 ブログ (ameblo.jp)

 

 

フレーム修正後、車検を受けて問題なく合格したのですがその後まだ問題が発生して作業がストップしてしまいました

 

振動は少なくなったのですが、やはり特定の回転域で振動(共振)が起こるので

直さないとまたタンクを直してもガソリンが漏れてくるので原因を突き詰めて直さないと意味がないので

作業が止まってしまいました

 

そうこうしてるうちに

また他のお客様から全く同じ症状が起きているとご相談を受けました

電話だけだったので車両は見ていないのですが車体の振動が大きくてガソリンタンクの裏側のステーの溶接部

からガソリンが漏れて来てしまったと全く同じです

 

その他にもエンジンの修理で入ってきた車両でも振動が大きい物があり

原因がよくわからないのですが心当たりがあることを聞いてみたら原因が分かってきました

 

全部の車両に共通していることは

エンジンマウントが新品に交換されているということです

 

RZのエンジンはハンガーボルトが通るマウント部にラバーマウントが採用されています

 

写真ではわかりにくいですが前後のマウントダンパーは新品に交換されています

 

 

当店ではレストア車両を作る際でもここのエンジンマウントは交換しません

エンジンのオーバーホールの際にも交換しないです。

たまにオーバーホールの際にエンジンマウントの交換をご希望されるお客様もいますが

すべて断ってきました

 

断ってきた理由は振動が原因ではないのですが

クランクケースに悪い影響しか及ぼさないので

 

あとRZに使用されているこのマウントのゴムは今までの経験上

どんなひどい状態で放置されているエンジンでもダメになってるものを見たことが有りません

 

今まで何百台もRZのエンジンを直してきましたが

ゴムがちぎれているとか、ものすごい振動を起こすとか

一度もありませんでした

 

それくらい優秀なゴム(?笑)なので交換する必要がなかったというのが理由の一つです

 

下の写真はRZが販売された時にショップに配られた

サービスガイドに書いてある情報ですが

振動を軽減するためにRZのマウントラバーには

特別なゴムが使用されていると買いてあります

 

 

私はゴムのプロではないのでゴムのバネ定数のことはよく分かりませんが

新車時についていたマウントと現在部品で出てくるマウントではゴムの材質(バネ定数)が

違うのではないかと思います

 

現在もRZはヤマハから純正部品が結構供給されていますが多くの部品が代替品で供給されます

以前に同じ純正部品でもシフトドラム部のスプリングの形状が少し違っていて

シフト操作がかなり渋くなる例をブログで書いたことが有りますが

エンジンマウントラバーも実際使用するとこのような不具合が発生してしまうと思われます

 

 

こうなると今ついているマウントを外してまた新品に交換しても

何も改善されない可能性が高いので残る方法はクランクケースをマウントの交換されていない物に

交換するしかありません

 

という訳でクランクケースを交換することになりました

 

ただお客様の車両はRZ350でクランクケースの刻印も4U0なので350のクランクケースで交換しないと

車検に通りません

 

RZ250のエンジンもそうですがRZ350のエンジンも異常に高騰化している上にそう簡単には見つからないので

ネットオークションなどで色々探しましたがなかなか見つからないし、見つかっても損傷が有ったり

変な加工がされていたりと使えるクランクケースを手に入れるのに時間がかかってしまいました

 

どうにか見つかったクランクケースも外側の腐食が多かったのでブラストを掛けて綺麗にしました

 

エンジンマウントは交換していません

 

エンジンを組み直して確認を行いました

 

まず一番共振が大きい3000~4500rpmあたりで回転を上下しながら確認です

 

その後徐々に回転を上げて行って実際走行する際の常用回転数あたりでの確認です

 

 

色々な回転数で確認を行いましたが共振は消えて普通のRZ350で感じる振動に戻りました

 

他の作業が一杯で走行はしていないので

次は実際に走行して確認を行います