去年の夏にエンジンのオーバーホールを行った車両ですが
車体の方もオーバーホールされたいとのご希望で足回りのオーバーホールのご依頼を
頂きました
ありがとうございます
前回のエンジンの作業の際に足回りが駄目なのは分かっていたのですが
予算的なご都合もあり、まずはエンジンから先にやって今回は足回りです
60000キロ以上大事に乗られてきた車両ですので足回りの方もかなりくたびれています
エンジンが元気になってたくさん走られたそうですが
ギャップが大きい道などでセンタースタンドがするような症状が起きて
何回か怖い思いをされたということでエンジンに続き足回りのリフレッシュをすることになりました
写真ではわかりにくいかもしれませんが
シートを手で押すだけでリアがかなり沈みます
フロントもぐにゃぐにゃなので押しながら少しブレーキを掛けるだけで
大きく姿勢変化を起こします
こうなると走行中は大きな挙動変化が起こるので危険ですし
安心して乗れないと思います
という訳で前後の足回りのオーバーホールを行います
まずはリアからです
RZ-Rはリアショックの下側とリンクアームがカラー(パイプ)でつながっているので
リアショックを外すためにはカラーを抜かないといけません
普通ならカラーを横から押せばするっと抜けるのですが
内部のグリスが切れてしまってるので
カラーとリンクアームの内側が錆びて固着して抜けません
ただ穴に入っているだけのカラーが押しても出てこないときは
もう叩くしかないのでちょっと力技ですがアルミ棒で叩いて押し出します
鉄の棒で叩くとカラーの穴がつぶれてボルトが入らなくなるので
叩く部品の素材より柔らかい材質の棒で叩くのが基本です
走ってる車両は固着が有ってものすごく動きが渋くても完全には固着していないので
まだ叩けば抜けますが、長期放置車両ですと完全に錆びて一体化してしまうので
叩いてもどうしてもうんともすんとも言わない場合があります
リア周りの作業は大変ですが定期的にグリスアップするようにしましょう
リアショックを外すとスプリングは錆び錆ですし
ロッドには漏れたオイルが付着しています
まあ40年間よく頑張ってくれたと思います
新車から40年も経ったショックアブソーバーはもう機能的には
アウトなので今回はYSSのショックに交換します
YSSのリアショックは純正のショックに比べロッドが太くなっています
写真を見れば太さの違いが一目瞭然だと思います
純正の12mmから16mmになるので剛性がかなり上がります
それでもアブソーバー自体の重量は軽くなっているので
ばね下重量の軽減になりリアの動きがよくなります
リアショックを取り外したので
ついでにピボットシャフトもグリスアップします
リアショックの交換は車体を支持するのが大変ですが
センタースタンドがついているので作業が楽ちんです
ボルト、インナーカラーにちゃんとグリスアップして
取付完了です
スイングアームの内側はグリスで真っ黒だったので軽く清掃しました
次はフロントフォークの作業です