マドリード〜バルセロナ間の一部ローコスト高速列車取りやめへ ほか(ERT 2025/8/29) | スジ鉄marucchiの備忘録

    European Rail Timetable のNewsLetter (ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)THE FRIDAY FLYER 29.Aug.2025 の日本語訳です。文章は読みやすいように情報を補足しております。

     
    【ポーランド】国内外の幹線路線にオープンアクセス会社が相次いで参入

    ポーランド国内の旅客鉄道市場が開放されたことを受け、オープンアクセス事業者であるレギオジェット(Regiojet)とレオ・エクスプレス(Leo Express)は、両社ともにポーランド国内サービスを拡大している。

    • レギオジェットは2025年9月からクラクフ〜ワルシャワ間に1往復の列車を導入し、12月からのサービス拡大に備えてスタッフの訓練に活用する予定。2026年ダイヤからは、ワルシャワ〜ポズナン間、クラクフ〜ワルシャワ〜グディニャ間の国内列車に加え、ワルシャワ〜オストラヴァ〜プラハ/ウィーン間の国際列車を運行する。
    • 一方のレオ・エクスプレスは2026年3月1日からプラハ〜クラクフ間の列車を少なくとも1日3本に拡大し、そのうち2本はワルシャワまで延長運転される。
    • ポーランド国鉄(PKP)とドイツ鉄道(DB)も、ポーランドとドイツを結ぶ列車のサービスを強化する。ライプツィヒ〜ヴロツワフ〜クラクフ間には1日2往復が新設され、そのうち1往復はプシェミシルまで延長される予定。ベルリン〜ワルシャワ・エクスプレスは2時間ごとの運行に拡大され、ヘウム(Chełm)〜ワルシャワ〜ウッチ(Lódz)〜ベルリン間の新しい列車も導入される。また、既存のミュンヘン〜ワルシャワ間の夜行列車には、クラクフおよびプシェミシル行きの直通客車も増結される。

    ◆ 筆者メモ

    ・レギオジェットは、プラハ〜プシェミシル間、レオ・エクスプレスは、プラハ〜クラクフ間でそれぞれ細々と運行されていますが、2026年ダイヤをきっかけに拡大していくという報道です。特にポーランド国内のワルシャワ乗り入れは悲願だったと言えるでしょう。PKP-ICが運営する国鉄独自の列車サービスの拡充を「阻害する」オープンアクセスに警戒していた動きだったのでしょう。それはともかく、ルートだけでなく、運賃面でも選択肢が増えていくのは歓迎すべきことで、ポーランド参入障壁を崩す動きを見せるチェコのオペレータには声援を送りたいと。

    ・現在の現行の深夜帯の中心のダイヤから昼間の運行本数増にむけて心血を注いているようで、今回のサービス拡大でどのような結果をもたらすのかが注目されます。

    ・最後に、「既存のミュンヘン〜ワルシャワ間の夜行列車」はショパン号を指していると思われ、チェコ鉄道による2026年ダイヤの概要でも触れられていました。

     

     
    【オーストリア】一部の国内インターシティがレイルジェットに置き換え
    ・2025年10月6日から、ウィーン〜リエンツ間の2本の列車がレイルジェット編成による運行に切り替わる。対象となるのは、ウィーン発8:24と14:24の列車、およびリエンツ発7:53と15:53の列車である。

    ◆ 筆者メモ

    ・いづれも現行ではIC(インターシティ)として運行されている列車です。この置き換えは2026年ダイヤでのコーラルムトンネル開業をうけた動きではないかと見ています。

     

     
    【イギリス】ハダースフィールド駅の大規模改良工事の影響
    • トランスペナイン路線の改良事業の一環として、ハダースフィールド駅は8月30日(土)から30日間にわたり完全に列車運行を停止する。この期間中、列車はヘブデン・ブリッジおよびブリガス経由のカルダー・バレー線に迂回運行される。ハダースフィールドからは鉄道代行バスが運行される。

    ◆ 筆者メモ

    ・イングランド北部、マンチェスターとリーズの間に位置し、トランスペナイン線にあるハダースフィールド駅での大規模改良工事のお知らせ。内容は軌道改良だけでなくプラットフォーム改造、跨線橋強化、信号更新と多岐にわたります。ただしこの駅改良工事は30日間で完了はしないようで、再開後も何度かの迂回や利用制限が2027年ごろまで続くようです。

     

     
    【スペイン】マドリード〜バルセロナ間の一部ローコスト列車取りやめへ
    • スペイン国鉄(RENFE)は、2025年9月8日からマドリード〜バルセロナ間で運行しているローコスト高速列車「Avlo」の取りやめると発表した。これについては、RENFEが同区間におけるAVEサービスに注力するための戦略的判断だとする見方と、タルゴ製の車両に起因する問題によるものだとする見方がある。

    ◆ 筆者メモ

    ・プレスリリースにも「9月8日からAvloサービスがAVEに置き換えられる予定」として、運行頻度・スケジュール・料金はAvloのものを維持、料金補償および座席選択料の返金措置も含むご案内が行われています(リンクはこちら)。他方、このERT記事でも触れられているように、タルゴ社製のAvlo用のS-106系(アヴリル)が充当できない状況になったことが大きな要因のようです。スペインのニュースサイトでは、2025年7月に台車の一部に亀裂が見つかり、全編成を点検した結果、問題解決後も運行を続けるのではなく、商業戦略の観点から全面的にAVEに移行する決断が下されたようです。AVEの廉価版がAvloというスペイン国鉄内の兄弟ブランド関係がなし得た「差し替え」対応ですが、これがソフト面ではなく、ハード面(S-106系の構造が起因)へと根本的な問題に発展した場合、フランスへの乗り入れに投入予定の編成が故、サービス拡大にも水を差すことになり、関係者は気を揉むことでしょう。

     

    本日は以上です。

     

    参考文献 European Rail Timetable September 2025 Digital Edition 

    写真はFrikrのリンクより