ThomasCook European Timetable 1993年夏号の Newslines を日本語版用に抜粋記事を引用、一部表現の修正やタイトルの追加を行いました。ブログ筆者の研究用のデータベースの公開という位置づけです。ご興味あればご参照ください。
※本記事は日本語版資料からの転記に基づいています。そのため、内容は原文を尊重していますが、地名・列車名・都市名などについては、当ブログで通常使用している表記に一部修正している箇所があります。読みやすさと一貫性を保つための調整ですので、あらかじめご了承ください。
今月号の新しい記事について
- 本書は1993年5月23日〜9月25日間に有効なヨーロッパ大陸の鉄道と、5月17日〜10月3日間に有効なイギリス国鉄の新しい夏ダイヤを掲載している。ただし、Table465〜Table478に示されたスウェーデン国鉄の時刻表は6月13日より有効となる。また、フィンランドのダイヤは8月15日まで有効である。
- 各国とも、この夏は大幅にダイヤ改正を実施しており、冬の時刻表で旅程を立てた者は、本号で再確認する必要がある。本号の時刻表は各国鉄から寄せられた改正予定の情報をもとに編集されており、国鉄によっては最終段階でさらに変更が生じた可能性がある。最新情報を入手したい者には、本書の定期講読をすすめる。
- 一部の夏ダイヤ情報は校了時に間に合わなかったものもあり、特にスペインのローカル列車とポーランドの国内列車については注意が必要である。ただし、直通の国際列車のダイヤは概ね問題ない。ロシア共和国の時刻表については、ウクライナ、モルドバ、ベラルーシ、ラトビアを含め、変更される可能性がある。かろうじて入手した情報によると、新たに国境審査が開始されたため、これらの国を結ぶ列車の所要時間が従来より長くなり、列車によっては数時間遅れる可能性がある。
- なお、エストニアとリトアニアからは夏ダイヤに関する詳細な情報が提供された。北アイルランド国鉄は6月7日にダイヤ改正を実施する予定であり、詳細については英語版の7月号に掲載する。
国際列車
- 国際列車の多くは1993年5月23日よりダイヤ改正が行われたが、前号の付録として掲載された夏ダイヤ予定時刻Tableを利用した者は承知のとおり、本書の時刻表は大幅に改訂され、時刻表番号も書き換えられた。中でもユーロシティ・ネットワークに著しい変更が見られる。特にチェコではダイヤ改正の影響を受けて、従来1往復しかなかったプラハ発着のユーロシティが7往復に増加し、利便性が向上した。
- 既存のユーロシティに関する変更事項としては、オーステンデ〜ケルン間を結ぶメムリンク号の運転区間がドルトムントまで延長されたこと、一方でザグレブ〜ミュンヘン間を結ぶミラマ号の運転区間がライプツィヒまで延長されたことなどが挙げられる。
- 1993年夏には、数本の夜行列車が高水準のサービスを提供する「ユーロナイト」として格付けされ、愛称が与えられた。たとえば、ウィンナー・ワルツァー号、ドナウ・ワルツァー号(旧オーストリア・ナハト・エクスプレス)、サン・マルコ号(旧オーストリア・イタリア急行)がこれに該当する。ジュネーブ、バーゼル、チューリッヒからローマに向かう便もユーロナイトとして格付けされ、ローマ号の愛称が付けられた。
- 夜行便に関するその他の変更事項としては、フランクフルト〜プラハ間を結ぶ列車がケルン発となったことが挙げられる。この列車はパリと結ぶ直通車両を連結しなくなるが、ドレスデン経由でパリ〜プラハ間を結ぶ季節列車が新たに運転される。
- フーク・ファン・ホランド〜コペンハーゲン間およびワルシャワ/モスクワ間を結ぶ列車は廃止され、この結果、フーク・ファン・ホランドはロンドン〜アムステルダム間を結ぶ鉄道と連絡船の便を除き、国際列車が発着しなくなった。カレーもまた、国際連絡便の発着便数が減少した港のひとつであり、カレー〜ミラノ〜アンコナ間を結ぶ真夏の季節列車を除き、カレー〜ミラノ間を結ぶ便は廃止される。さらに、メスではブリュッセル〜ローマ間を結ぶ列車に乗り継ぐこともできなくなる。
フランス
- フランスでの最大の話題は、高速新幹線TGV北方路線の開通である。TGVはパリ〜アラス間で新線を使用し、リール〜トゥールコワン間では引き続き在来線を使用する(Table110)。また、パリ〜ダンケルク間でも新線を使用する列車がいくつか運転を開始し(Table108)、さらにヴァレンシエンヌ〜パリ間が直通のTGVで結ばれる。パリ〜リール間の所要時間は、従来約2時間15分だったが、80分に短縮される。さらに、1993年9月26日から始まる冬ダイヤでは新たなセクションが開通し、所要時間は1時間に短縮される。
- リール駅はすでに「リール・フランドル駅」と改称された。これは海峡トンネルの開通後、1994年にロンドン〜パリ間を結ぶ直通列車が停車する「リール・ヨーロッパ駅」と区別するためである。将来的にはブリュッセル〜アムステルダム間を結ぶ列車もこの駅に停車する。
- 一方、ラ・ロシェルまで電化区間が延伸されたことで、7月3日よりTGV大西洋線がこの港町に乗り入れることになった。
オランダ
- オランダ国鉄は1993年5月23日よりアムステルダム・ライ駅〜Weesp間で新路線の運転を開始し、結果としてアムステルダム南部の環状線が完成した。これにより、スキポール空港〜ユトレヒト間(Table248)およびスキポール経由デン・ハーグ〜Lelystad間が直通で結ばれ、30分おきに運転される。本号よりオランダの項は拡大され、結果としてほとんどの時刻表番号が書き換えられた。
スペイン
- スペインのおもな列車の時刻表は国鉄からの最新情報に基づいているが、ローカル列車に関する詳細は入手できなかった。ポルトガルでは、リスボン〜アルガルベ地方間を結ぶ早朝の列車が新たに運転を開始し、従来午前発だった列車は時刻が書き換えられて、従来より遅く発車するようになった。ローカル列車のうち、特にTable447に組み込まれている便については、まだ詳細を入手していない。リスボン、ポルト〜パリ間を結ぶ南急行についても、時刻は未確認である。
スウェーデン
- スウェーデンの時刻表は1993年6月13日より有効となり、全路線で大幅な変更が見られる。まず8月16日より、主にポーランゲ経由のストックホルム〜ファールン間でX2000振り子列車が増便される(Table478)。また、ストックホルム〜イェンシェーピング間でもX2000振り子列車が1便新たに運転される。なお、6月5日〜8月22日間は民間会社によりインランドバーナ(ムーラ〜イェリヴァレ間)が運転される。
イギリス
- イギリスのダイヤはほとんどの時刻が書き換えられ、全路線を通じて大幅に改正された。まず1993年5月17日にマンチェスター空港への連絡線が開通した。この結果、ボルトン、プレストン経由でブラックプールと結ぶ直通列車や、ハダーズフィールド、リーズ、ヨークを経由してスカボローと結ぶ便に加えて、マンチェスター・ピカデリー駅と結ぶ便も頻繁に運転されるようになった(Table546)。
ドイツ
- ドイツでもダイヤの大改正が行われ、特に東部に影響を及ぼしている。ヘルムシュタット〜マグデブルク間では大幅なスピードアップが図られ、ハノーファー、フランクフルト〜ベルリン間を結ぶ便の所要時間が1時間近く短縮された。また、電化が進んだことでベルリン発着のICEが運転を開始することになった。ICEは2時間おきにフランクフルトおよびシュトゥットガルトに向けて発車し、引き続きミュンヘンまで運転される。発着駅は時刻表上ではベルリン・ツォー駅とされているが、最初の数週間は工事のためベルリン中央駅に発着するものと思われる。
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