2024年7月1日に、European Rail Timetable(ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)のJuly 2024 DIGITAL EDITIONがリリースされました。その中のNEWSLINESページの掲載情報から、毎週配信されているFRIDAYFLYERと重複しない情報をまとめます。

 

  7月号の主な改訂点

 

【国際列車】

  • 再掲 アムステルダム中央駅のユーロスター専用出発エリアが2024年12月まで一時閉鎖されるため、アムステルダムからロンドンへの旅行者は、国境手続きが行われるブリュッセルでの乗り換えが必須になる。それをわかりやすくするため、Table18を分割し、アムステルダム発のロンドン行とパリ行を別々に表示している。

ブログ筆者補足

Table18のアムステルダム→ロンドンのページの注釈に「ブリュッセル南駅での接続保証はしないとのこと。ただしこれまで断続的に配信された情報から、その乗り継ぎ時間は通常45分程度あれば国境手続きには十分な時間と明記されています。

 

  • フランスとドイツで大規模な工事が行われるため、以下のOBBナイトジェット列車が2024年8月12日から10月25日まで運休される。1)ベルリン〜ブリュッセル間(Table20)、2)ベルリン〜パリ間(Table30)、ウィーン〜パリ間(Table32)。

 

【イギリス】 

  • ライド〜シャンクリン間のワイト島内列車の時刻表が全面的に見直され、2時間3本という運行パターンになった(Table106)。その結果、ポーツマス発着の2時間1本はワイトリンク双胴船サービスと接続前提のダイヤとなる(他の便は両者が未接続か、乗り換えに30分前後要する)。さらに、ワイト島内列車は9月6日〜10月6日で全線運休となり、ライド・ピアヘッドからライド・エスプラネードまでの区間はその後も長期間運休となる。運休期間中は代替バスが運行される。

 

【フランス】

  • 再掲 2024年7月6日より、パリ発着のTER Fluo(フランス北東部の地域内列車)長距離路線を利用時、パリ発着の全行程で予約必須となる。 これは、パリ東駅発トロワ経由ミュルーズ行(Table380)、パリ東駅発シャロン・アン・シャンパーニュ経由サン・ディジエ/ストラスブール行き(Table381)が該当列車。 通常の切符を購入する場合の予約手数料は不要だが、インターレイルパスとユーレイルパス所持の場合は、1.70ユーロの手数料が必要。 これは、

    パリ・サンラザール駅から運行されているTER Nomadと同じシステムである。

 

【イタリア】

  • 夏期の長距離列車と高速列車の時刻表が9月15日まで有効であることが確認でき、紙面を更新した。国内地域間および域内列車の時刻は、12月14日まで有効。なお、この夏、イタリアでは相当数の軌道工事が行われるため、旅行者は284ページにある主な影響地域の概要を記したパネルをご参照されたい。

 

  • この夏、ミラノ~ボローニャ~フォッジャ~バーリ~レッチェ間の各方面に向けて10日間限定で夜行列車が運行される。南行きの列車の出発日は、7月12、13、19、20、8月2、3、9、10、9月6、7日にミラノ中央駅発22:45で、帰り(北行き)は南行き出発翌日、レッチェ発21:05。詳細はTable615を参照のこと。同表では、インターシティ列車IC603(ボローニャ→フォッジャ→バーリ→レッチェ間)およびIC606(バーリ→フォッジャ→ボローニャ)が、ミラノ中央駅発着で延長運転されている。
  • シチリア島の狭軌鉄道であるFerrovia Circumetneaのカターニア・ボルゴ~パテルノ間は、線路地下化への切り替え作業のため、一時的に運休することが確認された。暫定的な時刻表は、ネシマ(現在の地下鉄の終点)〜パテルノ間の代行バスを含んでいる(Table644)。

 

【スペイン】 

  • マドリード~アルヘナ・フォルトゥナ間の週1便のインターシティ列車(11326/10033列車)は、アギラス発着の接続バスとともに廃止された(Table672b)。

  • マドリード発バダホス行きの朝のインターシティ列車(190列車)と、その対向となる夕方の列車(193列車)は現在、Alvia列車として運行されており、197/194列車と同じ運行ルートだ(Table677)。両都市を結ぶ3本目のAlvia列車はいずれ導入予定だ。
  • サラマンカ〜セゴビア〜マドリード間のAlvia列車の一時的な時刻変更は終了し、従来(4月7日までのもの)に戻った(Table679)。
  • マドリード〜オウレンセ〜ルーゴ間のAlvia4114/4325列車は復活したが、現在も工事が行われているため、オウレンセ〜ルーゴ間は代行バスが運行されている(Table682)。
  • パレンシア〜サンタンデール間の全列車は2024年8月中運休し、代行バスに置き換えられる(Table684)。

 

【ドイツ】

  • 本号のドイツ時刻表は7月16日〜12月14日で有効で、フランクフルト〜マンハイム間の臨時運休に伴うすべての変更を掲載(この期間中適用)。しかし、計画されている追加工事により、残念ながら掲載するスペースはありませんが、さらなる変更が予定されています。最も重要なものは、7月16日から8月12日までの間、ケルン〜フランクフルト間の高速線が線路更新工事のため一時的に閉鎖されるため、通常この幹線を経由する便に大幅な変更が生じる。なお、この閉鎖期間中、高速線にあるモンタバウアー駅とリムブルク南駅には接続バスが運行される。さらに南方のラシュタット〜バーデン・バーデン間の区間は8月10日〜30日で運休となり、カールスルーエから南へ向かう便(スイスおよびフランス方面の国際列車含む)に影響が出る。該当する表には適切な警告を追加し、読者の皆様には、指定された期間中のご旅行について、ドイツ鉄道のウェブサイトで時刻を確認されることを強くお勧めする。
  • ドイツセクションの時刻を精査したところ、コブレンツ経由のケルン〜フランクフルト間の直通インターシティ列車の便数が、ERT夏号掲載より減便されていることが判明した。ドレスデン〜ライプツィヒ〜ハノーファー〜ケルン間の列車の大半は、通常、コブレンツ経由でシュトゥットガルト方面へ南下するが、フランクフルト〜マンハイム間の臨時運休期間中の変更の一環として、当初、大半をフランクフルト中央駅に迂回予定だった。しかし、精査した時刻表では、シュトゥットガルト方面へ南下するのは各方向の2便のみで、他の便はケルン中央駅を終点または始点としている。つまり、ケルン〜コブレンツ/マインツ間を経由してさらに南下する長距離列車は、1日の大半時間帯で2時間間隔でしか運行されない。Table800は確認された内容に更新した。なお、この風光明媚な区間では、準高速のローカル列車も運行されており、その時刻はTable802(コルン~コブレンツ間は1時間間隔)とTable914(コブレンツ~マインツ経由フランクフルト間は2時間間隔)に記載されている。

 

【スロヴァキア】

  • すべての時刻表を更新し、6月9日〜12月14日間で有効な時刻表が確定した。工事中のため、Table1170のコザロフチェ〜ノヴァ・バナ間は代行バスで運行される。プラハ発着の直通車両が連結されている801/800列車 ポリャナ(Pol'ana)号は工事期間中運休となる。

今回は以上です。

 

ERTのTable 番号と突合する形で景勝ルートを紹介している鉄道旅行者向けガイドブックです。全文英語ではありますが、表現は平易なので安心して使えます。かつての地球の歩き方のヨーロッパ鉄道の旅シリーズが乗り方中心の構成でしたが、こちらは沿線紹介が中心の構成なので、現地の観光ガイドとしても有効です。

 

★ERTの7月号(デジタル版)が発行されました。★

 

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参考文献 European Rail Timetable July 2024(Digital Edition)