今回は、チェコ総合交通情報サイト「Zdopravy.cz」の記事を元に構成しました。
運行会社について
今回の発表を行ったのは、2019年にチェコ第二の都市、ブルノに設立されたバス・鉄道の運行会社、ゲパルト・エクスプレス社です。
2024年6月現在、ゲパルト・エクスプレス社が運行している定期列車は、ブルノ〜ウィーン空港間のみ。ユニークな事業として「冒険旅行」の企画もあるようですw。
計画されている国際列車の運行概要
ゲパルト・エクスプレス社は、2025年12月からヨーロッパ全土に5つの新しい長距離国際路線を運行開始する前提で動いている様子。
1)プラハ〜ヴィリニュス(リトアニアの首都)
2)プラハ〜キエフ(キーウ、ウクライナの首都)〜ハリコフ(ハルキウ)
3)プラハ〜テレスポル(ポーランド、ベラルーシとの国境の町)
4)ブルノ〜スプリット(クロアチア)
5)ブルノ〜プラハ〜ベルリン
記事内でも指摘されていますが、いずれの路線も毎日運転で、長距離であり30時間程度の所要時間の列車もでてくるようです。
運用につく車両など
前述の全5路線で共通で使用される車両・編成について、最大600席を有する車両(10両編成程度)とシーメンス社のベクトロン、アルストム社のTRAXX、シュコダ社の旧型電気機関車といった興味深い機関車の組み合わせが想定されるようです。下記はウィーン空港線で運用中の客車。こんなカラーリングが中欧を走り回るのでしょうか。
Jindřich Vohnout, CC BY-SA 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0>, via Wikimedia Commons
進捗や実現確度について
ゲパルト・エクスプレス社はチェコ国内法に基づき関係当局にむけて事前に通知という形で運行計画を伝えたようですが、記事を見る限りではこの計画全体が実行に移される確度は現時点では低そうです。
また、勘の良い読者の方は指摘されるのは「計画路線では線路幅が異なる区間がある。乗り入れは可能なのか?」という点。ここはゲパルト・エクスプレス社も想定はしているようですが、記事によると「軌間変更をどのように行う予定かも不明」であり、「すべてがうまくいくとは限りません」とのこと。
今回の計画のうち、プラハ〜ヴィリニュス間の準備がまだ最も進んでいないようです。とはいえ、リトアニア側の運行協力会社、リトアニア鉄道(LTG)とは2024年8月に試験運行を開始したいと明言しています。具体的にはプラハからカウナスまで標準軌で走り、カウナスからはLTGリンク社のヴィリニュス行きに「乗り換え」という寸法。
参考ページ:Zdopravy.cz:Přes 30 hodin ve vlaku. Gepard Express oznámil plány na expanzi, začít chce spojem z Prahy do Litvy、リトアニア鉄道(日本語Wikipedia)、Gepard Express(チェコ語Wikipedia)
会社ロゴ:Vít Rýznar, CC BY 4.0 <https://creativecommons.org/licenses/by/4.0>, via Wikimedia Commons