イギリスの鉄道雑誌Today's Railways誌を参考に、2004年ダイヤでのヨーロッパ各国の動向に関する記事を日本語でまとめてみました。

 

今回は、国際列車と、西ヨーロッパ諸国の動きです。

 

なお、原本は英語のため、機械翻訳で日本語への変換後、当時の鉄道状況などを別に調査したうえで追記、構成を変えて文章化しております。一部ブログ筆者により情報を補足している点もあります。その点は  と緑で塗っております。

 

 

国際列車

 ブリュッセル〜ルクセンブルク間で2003年12月ダイヤ改正で、ブリュッセル〜ルクセンブルク〜ストラスブール間のユーロシティ列車の大半が廃止された。

  その中で残ったのは、ヴォーバン号 ブリュッセル発7:01→ミラノ、ミラノ→ブリュッセル着19:45、イリス号 ブリュッセル南駅発12:15→クール間、クール→ブリュッセル南駅着22:46、ジャン・モネ号 ブリュッセル南駅発17:32→ストラスブール、ストラスブール→ブリュッセル着11:47であった。

 ベルギー国鉄はこの機会に、AM96型電車を使用して増便をおこない、ブリュッセル〜ルクセンブルク間のサービスを刷新した。この電車は、従来車両より加速性能が向上し、現在ブリュッセル南駅〜ルクセンブルク間を2時間38分で結ぶ最速列車の所要時間を、さらに最大22分短縮が可能。新型車両は、ブリュッセル南駅発6:16、14:16、18:11、ルクセンブルク発7:06、10:06、18:06で運行される。同時に、1時間等間隔運行されるブリュッセル〜ルクセンブルク間の準高速インターシティー列車の所要時間も若干短縮される。ブリュッセル・ルクセンブルク間の高速道路が改修される影響で渋滞が予想されることを踏まえた対応だ。

AM96型電車 Frickerのリンクより

 

 

ベルギー

まだまだ現役のビンテージ電気機関車

2003年12月14日のダイヤ改正から、22型電気機関車(ニヴェル工場、1953〜54年製)の運用が12本から9本に減少した。22型電気機関車は主にブリュッセル発着の繁忙期の旅客列車を牽引し続けているが、ダイヤによっては25型電気機関車に変更されることもある。この改正では同時に、23型(ラ・ブルジョワーズ・エ・ニヴェル、1955〜57年製)牽引列車6本が消滅、すべて繁忙期のみ旅客列車に使用され、22型電気機関車担当の1本を引き継いでいる。

SNCB Class22(22型電気機関車)Frickrより

 

 

52〜54型ディーゼル機関車の終焉?

2003年12月のダイヤ改正で、ベルギー国鉄は本線貨物用の52型、53型、54型のCo-Coディーゼル機関車(AFB、1955-57年製)をすべて新しいVossloh製77型に置き換える予定だった。当初の計画では、旧型機関車(基本的には有名なGM/NOHAB設計のベルギー製バージョン)はすべて工事列車で使用されることになっていたが、結局これが実施できるか疑問視され、2003年末までに残りの26両はすべて撤退することになった。この対応として、12月にアントウェルペン・ノールト車両基地の62型ディーゼル機関車と入れ替わる予定であった77型ディーゼル機関車が本線貨物用の運用に入り、62型ディーゼル機関車が工事用機関車として使用されることになった。

 

 

ドイツ

2003年12月14日に2004年ダイヤを導入、ICEネットワークに多くの変更が生じる。最も重要なものは以下の通り:

  • エッセン~ケルン~フランクフルト間のICEをヴュルツブルク経由でニュルンベルクまで延長(ニュルンベルク~ケルン間の所要時間を4時間30分から3時間15分に短縮)。この場合、フランクフルトでは中央駅ではなく同南駅に途中停車する。
  • ケムニッツ〜ドレスデン間が洪水で大きな被害を受けてから1年後に運行再開。ドレスデン-ニュルンベルク間のICE列車が、ニュルンベルクからミュンヘンまで3組(金・日曜は4組)増発される。
  • フランクフルト〜ライプツィヒ〜ドレスデン間のICE列車の運行本数を1時間1本に倍増する。
  • デュッセルドルフ〜カッセル〜ワイマール間のICEをライプツィヒ経由でドレスデンまで延長する(一方、デュッセルドルフ〜ハノーファー〜ライプツィヒ〜ドレスデン間のICEの大半はライプツィヒ止まりとなる)。
  • シュトラールズント〜ベルリン〜ハレ〜フランクフルトのインターシティは、フランクフルト〜ハレ〜ベルリンのICE3本と、デュッセルドルフ〜カッセル〜ヴァイマールのインターシティ列車5本をハレとベルリンを経由してシュトラールズントまで延長運転する。

その他の変更点としては、ケルン〜フランクフルト間の高速新線を経由するアムステルダム〜バーゼル間のICEの新設、ハンブルク〜ケルン〜フランクフルト〜パッサウ(〜ウィーン)間のインターシティ列車に代わる4組のICE-1のライン渓谷線への入線復活などがある。新ダイヤでのICEの増発は、216本のICE編成のメンテナンス体制を夜間時間帯に集中させるといった再構成することで可能となった。これにより、昼間は13本の編成で空くことになる。

DB ICE-1(動力集中型列車) Frickrのリンクより

 

本日は以上です。

 

参考資料:Today's Railways の2003〜2004の各紙面内、News Round Upより当該記事をピックアップ

ページ内写真:Frickのリンク