Eisenbahn Österreich誌を参考に、2004年ダイヤでのオーストリア発着、ならびに経由する国際列車の動向に関する寄稿を日本語でまとめてみました。

なお、原本はドイツ語のため、機械翻訳で日本語への変換後、当時の鉄道状況などを別に調査したうえで追記、構成を変えて文章化しております。一部ブログ筆者により情報を補足している点もあります。その点は  と緑で塗っております。

 

12月中旬に予定されているオーストリア発着の国際鉄道輸送の変更点は限定的なものだが、いくつかの分野では注目に値する。

 

 

西部鉄道

  • 制御客車不足のため、EC24/25は引き続き1116形電気機関車を編成の先頭・最後尾(補機)につけて運転される。EC28/29はICEに置き換えられスピードアップし、ICE28/29として以下のダイヤで運行される:ウィーン西駅発8:45→ハンブルク・アルトナ駅着22:26/同駅発5:31→ウィーン西駅着19:15。
  • EN228/229はライプツィヒ経由で運行され、ベルリン・ヴァンゼー駅発着の旅客列車に使用される車両輸送用貨車(DDm)が連結される。
  • インスブルック・ドルトムント、リンダウ~フリードリヒスハーフェン・ウルム経由のインターシティ列車 IC118/119は、以下の時刻表で新設される: インスブルック発9:05→ドルトムント20:05着/ドルトムント発7:56→インスブルック着18:58。
  • ユーロナイト EN287は、イタリア国鉄(FS)内での中間停車駅がなくなるため、所要時間が約30分短縮される。その他の点では、ブレンナー峠の通行量(本数)は基本的に変わらない。

 

南部鉄道

  • IC551/650に代わって、IC157/156 ザグレブ号がウィーン〜ザグレブ間を以下のダイヤで直通運転される。ウィーン南駅発5:57→ザグレブ着12:26/同駅発13:40→ウィーン南着20:02。つまり、EU加盟候補国クロアチアの首都ザグレブとは、EU加盟予定国(2004年以降)のスロベニアの首都リュブリャーナよりもウィーンとの接続が良いのだ。
  • IC158/159は、ウィーン〜スプリット間とウィーン〜テッサロニキ間でクシェット客車が連結される。
  • IC916/917の代わりにオーストリアを経由するEN240/241 ヴェネツィア号の運行ルートは注目に値する: ブダペスト東駅発17:15→ソンバトヘイ→グラーツ(22:30着/22:45発)→リュブリャーナ→トリエステ→ヴェネツィア着9:25/同駅発20:10→トリエステ→リュブリャーナ→グラーツ(5:52着/6:03発)→ソンバトヘイ→ブダペスト東駅着11:28。この列車は、ブダペスト〜グラーツ間、ブダペスト〜ヴェネツィア間の編成に加え、モスクヴァ、キエフ、ブクレシュティ、ティミショアラ発着の寝台車の連結も行われる。
  • 情報リリース時点では、ウィーン南駅〜ウィーナー・ノイシュタット〜ショプロン〜 ブダペスト間(IC937/938の代わり)、(ショプロン以降)〜ソンバトヘイ〜ナジカニジャ〜ペーチ間、(ナジカニジャ以降)〜ザグレブの接続がまだ検討されていた。
  • 残念なことに、イタリア国鉄/トレニタリアは、タルヴィジオ経由の定期列車の改善にはまたもや関心を示さず、ÖBBからのすべての要求を拒否している。

 

東部鉄道

  • EC62/63がブダペスト東駅発着で運転を再開(13:05 から 16:58)
  • ウィーン〜ジェール間のユーレギオ列車は、ほぼ2時間等間隔運転に増発される。これは、ウィーン〜ブラチスラヴァ・ペトルジャルカ駅間の急行列車にも適用される。また、ユーレギオ列車はウィーン南駅〜ブラチスラバ中央駅間も約2時間等間隔運転となる。ウィーン南駅〜ブラチスラヴァ北駅間をキッツェー経由で走るD列車は、ŽOS Vrútky(車両会社)でスロヴァキア国鉄空調付客車を改造したインターシティ列車編成に改良され、このうち2組のD列車の運行ルートがジリーナ、ポプラド・タトリ経由でコシツェまで延長される。以下が具体的な運行時刻:
  1. IC405 タトラン号 ウィーン南駅発8:16→ブラチスラヴァ(9:32着/9:45発)→コシツェ着14:35
  2. IC403 ゲルラッハ号  ウィーン南駅発16:16→ブラチスラヴァ(17:32着/17:45発)→コシツェ着22:35
  3. IC402 ゲルラッハ号  コシツェ発5:45→ブラチスラヴァ(10:37着/10:50発)→ウィーン南駅着12:10
  4. IC404 タトラン号 コシツェ発13:45→ブラチスラヴァ(18:37着/18:50発)→ウィーン南駅着20:10
  • IC402/403列車(ゲルラッハ号)の編成は、2 A、1 WR、1 BD、4 Bの8両編成で運行。タトラン号は)501、404、407、400、405、500の各列車による2日間での運用ローテーションを組み、1 A、1 WR、1 BD、3 Bの6両編成で構成されている。

 

北部鉄道

 2004年6月中旬から、ペンドリーノブランドのČD-680系電車が導入される。

オーストリア国内では、おそらく傾斜技術装置を作動させず、従来車両のユーロシティ列車と同じ所要時間でのダイヤだが、公式認可を前提に導入予定だ。技術的に可能な北部鉄道の最高速度140km/hは、少なくともわずかな所要時間短縮を図ることができるはずだが、なぜいまだに利用されていないのかは謎のままだ。そのほか、2本目のウィーン〜ワルシャワ間の列車と、ウィーン〜プラハ間に追加1本が新設される: 

 

ウィーン南駅発車列車の時刻(列車番号/発車時刻/終着駅と到着時刻):

  • EC104 6:34 ワルシャワ(14:17着) ◆プラハ行直通車両連結(EC70)
  • EC172 10:34 ハンブルク・アルトナ駅(23:13着) ◆プラハ~ベルリン経由
  • EC278 14:34 ドレスデン ◆6月12日まではワルシャワ行直通車両連結(EC130)
  • EC330 14:34 ブジェツラフ(15:33着) ◆6月13日からワルシャワ行直通車両連結 
  • EC1278 15:08 ドレスデン(21:52着、ペンドリーノ) ◆6月13日から ※ブログ筆者補足あり
  • EC72 16:34 プラハ(21:08着)
  • EC74 18:34 プラハ(23:10着) ◆6月13日まで
  • EC1274 18:34 プラハ(22:41着、ペンドリーノ) ◆6月14日から ※ブログ筆者補足あり
  • D202 21:57 ワルシャワ

 

 

ウィーン南駅到着列車の時刻(列車番号/到着時刻/始発駅とその発車時刻):

  • D203 6:34 ワルシャワ
  • EC1275 10:28 プラハ(6:08発、ペンドリーノ) ◆ 6月13日から ※ブログ筆者補足あり
  • EC75 11:00 プラハ(6:25発) ◆6月12日まで
  • EC73 13:02 プラハ(ブジェツラフまでEC79と併結)
  • EC1279 14:28 ドレスデン(8:01発、ペンドリーノ) ◆6月14日から ※ブログ筆者補足あり
  • EC279 15:00 ドレスデン(8:01発) ◆6月13日までワルシャワからの直通客車連結
  • EC331 15:00 ブジェツラフ(13:58発) ◆6月14日よりワルシャワからの直通客車連結
  • EC173 19:00 ハンブルク・アルトナ駅(5:43発)、ベルリン~プラハ経由
  • EC105 22:02 ワルシャワ(14:16発)、プラハからの直通客車連結(EC71)

 

プシェロフ(422/423)〜プラハ(152/859-267)〜プルゼニ経由のウィーン〜ヘップ間のD202/203列車はB(プラハで解併結)に加え、WLとBcもで運行される。

 

最後に、チェコ、ポーランド、スロヴァキア、ハンガリー、クロアチアへの接続が非常に積極的に発展しているのは特筆すべき点だ。EuregioTrainによって、ÖBBは中欧全体に模範を示すことになる。タルヴィジオ経由イタリア行と、シュピールフェルト・シュトラス経由スロベニア行きの毎日運行が改善されなかったのは残念である。これはおそらく、トレニタリア社の組織的混乱とスロベニア鉄道の経済的問題が原因であろう。

 

ブログ筆者補足

北部鉄道で触れたペンドリーノ ČD-680系電車ですが2004年ダイヤには運行されていません。

 

本日は以上です。

 

参考資料:Eisenbahn Österreich 10/2003 Vorschau auf den internationalen Reisezugfahrplan 2003/04