1989年のThomsCook European Timetable (1988年12月号)の

日本語解説版)の今月のお知らせ(Newslines)のまとめです。

ブログ筆者の研究用のデータベースの公開という位置づけです。ご興味あればご参照ください。

 

※日本語版からの転記なので、ほぼ原文ママとなりますが、地名、列車名、都市名については、私のブログで平時使用している表現に修正している箇所があります。あらかじめご承知おきください。

 

 

  編集長から日本の読者にメッセージ

 

本号に載せられた時刻表は、ヨーロッパ大陸では1989年5月27日まで、イギリスでは1989年5月14日まで有効です。1989年の夏のダイヤはイギリスでは5月15日月曜日からまた大陸では5月28日日曜日から実施されます。1989年はヨーロッパの各地で鉄道の記念行事が行なわれます。イタリア、チェコスロバキア、そしてオランダの国鉄が150周年を迎え、またスイスのレーティッシュ鉄道が100周年を迎えます。それぞれ観光客の興味を引く特別な記念行事を開催する予定です。

 

スイスでは、レーティッシュ鉄道は5月20日から10月8日までの毎週土曜日と日曜日にさまざまな駅で順次、特別行事が行なわれます。蒸気機関車の引く列車、職場見学、屋根なし列車、グルメ食堂車や展示会などなど。開催地は、5月20、21日にクール、6月3、4日はラントクヴァルト、10、11日はスルセルバ24、25日はダボスとフィリスール、7月15、16日はベルニナとポスチアボ、8月19,20日はアローサ9月23、24日はサメダンとスクオル、そして最終行事は10月8日、1889年開通時の路線上のプレッティガウで行なわれます。さらに詳しい情報は下記へ。Rhätische Bahn Sales Department, Bahnhofstrasse25, CH-7002 Chur, Switzerland

 

イタリアでは、1839年に開通したナポリ・ポルティチ鉄道の150周年記念祭が行なわれます。機関車第1号だったベイヤール号が、最初に敷かれた路線に沿って列車を牽引し、ナポリ・ピエトラルサに最近オープンした鉄道博物館では、鉄道の絵やポスターを含む特別展示が行なわれる予定です。イタリアの鉄道では今でも41両の蒸気機関車が運転可能です。が、それらのほとんどは、この夏特別なエクスカーション列車を走らせるために、イタリア各地の機関区に配置されます。しかし、正式な日程はまだわかっていません。チェコスロバキアでは、蒸気機関車牽引の記念列車が、地方での展示と並行して夏の間じゅう国内各地をまわります。

 

もっとも意欲的な行事予定は、オランダ国鉄(NS)によるものです。1989年6月23日から7月30日までユトレヒトの見本市(Jaarbeurs)会場にて歴史的な回顧と現状とをあわせた鉄道の大規模な展示会が行なわれます。蒸気機関車DeArendが牽引するオランダ最初の列車の複製がユトレヒト鉄道博物館で広軌の線路を走り、1924年型電車がユトレヒトの2つの会場を結んで45分おきに運転します。またユトレヒト中央駅近くの側線では、月曜を除く毎日2回ないし4回、オランダ製の6台と海外から参加する6台の蒸気機関車パレードがあります。さらに、同じ期間(6月23日〜7月30日)の火、水、木曜日には、ユトレヒトから蒸気機関車牽引のエクスカーション列車が運転する予定です。ユトレヒトでの展示会が終わると、歴史的な機関車の引く列車は国内各地を巡回、9月20日には最終の特別列車が運転します。さらに詳しい情報は下記へ。NS150,Postbus2025,3500HAUtrecht,Netherland.

 

このほか、個々の路線や駅の100周年、あるいは150周年を記念する地方の行事が数多く催されます。ヨーロッパの1989年は、鉄道に関心をもつ観光客にって実に興味深い年となることでしょう。みなさんがヨーロッパでの滞在をお楽しみくださることを望んでいます。1月から4月頃までは、列車が夏ほど混んでいないので、とてもよい時期です。でも金曜日と日曜日の長距離列車、特に夜行を利用する場合は、座席予約をお忘れなく。トーマスクック・ヨーロッパ鉄道時刻表を持ち、使い方を覚えましょう。そうすればあなたは、ほかの旅行者から羨望の的となることでしょう。それではいい旅を!

 

J.H.プライス

 

 

  1988年12月号からの追加事項

 

イギリス海峡(≒ドーバー海峡)

  • ロンドン・リバプールストリート駅のエ事のため、ハリッジ・パークストン埠頭発着の列車の乗客は、3月26日までの日曜日、リバプール・ストリート駅19:45発の便を除き、ロンドン〜ハリッジまでバスを利用することになる。シーリンクからの予告によれば、ハリッジ〜フーク・ファン・ホランド間の夜行便が5月28日より15分早く運航し、ハリッジ発21:30、フーク・ファン・ホランド発22:30となる。ハリッジ行きのポート・トレインは、ロンドンを今より10分早く発車する予定。
  • 海峡船の点検修理のため、ロンドン発ニューへイブン〜ディエップ経由パリ行の往路便は、昼行夜行とも1月30日から2月12日まで運休する。この期間は、これに代わる夜行便がロンドンを23:00に出発し、ドーバーとカレーを経由する(Table50参照)が、スペインとポルトガルへは連絡しなくなる。パリ発ロンドン行の便は、1月29日の夜行便が運休する以外は影響を受けない

 

チャネル諸島

  • イギリス領チャネル諸島のフェリーは、1989年のすべての便をポーツマスとウェイマスに代わってプールから運航する。プールからジャージーとガーンジーに向かう便は1月3日から運航を開始し、また1989年のすべての便は、ロンドン・ウォータールー駅発着の連絡列車を含めてTable1009に載っている。プール駅とフェリーターミナル間は特別バスが運行し、フェリーの乗客を運ぶ(プオールの地図は462ページにある)。ウェイマスとチャネル諸島を結ぶコンダー水中翼線は、3月20日から運転を再開する(Table1012参照)。

 

フレッド・オルセン

  • FredOlsenLinesは、この夏ハリッジ〜クリスチャンサンド間を結ぶ便を再開し、7月3日から8月30日まで運航する。この便はBraemarによって運転され、この期間はハリッジ〜オスロ間を結ぶ便に代わるものとなる。詳細はTable1105を参照。

 

フランス

  • 1989年1月23日からTGV大西洋線の最初の列車が、バリ〜ナント間を結ぶ従来の便の一部として、月曜日から金曜日まで運転を開始し、152、153列車となる(3月20日からは139、140列車も加わる)。このほか火曜日から金曜日までレンヌからパリまで運転し、帰路は月曜日から木曜日までTGV型車両を利用する新しい列車が運転される。これらの列車には必ず予約が必要で、また139140列車には引き続き追加料金が必要。
  • 146,148ページに載せられたTGVの特別料金は改正され、フランス国鉄が「ブルー」の期間と定めている比較的閑散期に適用される特別料金は値下がりした。金曜日の12:00から土曜日の12:00までと、日曜日の15:00から月曜日の12:00までとフランスの休日の混雑期には、引き続き高い特別料金が適用される。なお、1等車の特別料金は影響を受けない。

 

イギリス

  • 各地で工事が行なわれることを見越して、1989年1月8日から日曜日の便が改訂されたことを示すため、今月の時刻表に多くの変更がある。おもに日曜日の朝の便が影響を受けている。ただし、ロンドン・リバプール・ストリート駅からクラクトンとサウスエンドに向かう便は、日曜日には終日ストラトフォードから発車するようになる。ストラトフォードまではロンドンの地下鉄セントラル・ラインを利用してください。
  • グールにある旋回橋が海上事故のために不通になった。ドンカスター〜ハル間の直通列車はルートが変わリセルビー経由となり、その結果所要時間が長くなる。列車に関しては、ドンカスターグール間は折り返し運転となり、またグール〜ギルバーダイク間はバス連絡となる。

 

スコットランド

  • 1989年1月23日より、北スコットランドの多くの便にスプリンター式ディーゼル車固定編成の新車が登場し、時刻改訂が予定されている。これによってTable604(グラスゴー発オーバンとマレイグ行き)、Table605(アバディーン発インバネス行き)、Table610(インバネス発カイル・オブ・ロカルシュ、サーリ、ウィック行き)が改訂される。

 

ウェールズ

  • 橋の改修工事完了にともない、シュルーズベリー〜スウォンジー間のウェールズ内陸部の直通列車が再開した。新しい時刻表はTable548に示されている。

 

オーストリア

  • 新しくTable757(ミュンヘン発ミュールドルフ、シムバッハ経由ウェルズおよびリンツ行き)が導入されている。ミュンヘン〜リンツ間においてこのルートを通る直通列車が1往復ある。

 

タウン・プラン

  • 今月号よりタウン・プランが書き直され、主要道路を含み、町の中心部をより詳細に示すようになった。タウン・プランは2ページ増加、ダブリンとコペンハーゲンの新しい地図が含まれている。オルレアンとトゥールの地図は141ページに移された。ビルバオロッテルダム、セビーリャの地図は、ThomasCookRailMapofEuropeを参照してほしい。
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