2023年に通年で、1987〜1993年の間に運転開始されたドイツ・オーストリアを走るユーロシティの歴史を振り返りました。その参考にしたのが、Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegendenというドイツ語本であり、この続編がDie EuroCity-Zuege: Teil 2: 1993 bis 2020 として出版されています。そのため、引き続き私の後学、備忘を兼ねて原文訳を補足しながらまとめていきます。位置づけは前回に続き第2編となります。

 

第2編の20回目は、アブサロン号を取り上げます。

 

(以下本文を参照に日本語訳、一部表現、短縮名称等をブログ筆者で補足)

アブサロン(1128年~1201年)、ロスキレ司教、ルンド(現在のスウェーデン)大司教

 

2001年6月10日より、ハンブルクとコペンハーゲンを結ぶユーロシティの新しい列車ペア(EC230/231または233)はアブサロン号と呼ばれ、2期のダイヤのみと非常に限られた期間で運行された。具体的には、ハンブルク方面(南行)では、2001年6月10日〜8月11日(加えてデータベースでは2002年6月22日〜8月10日)の夏最繁忙期のみEC230として運行され、コペンハーゲン方面(北行)では、2001年6月10日〜8月5日(11日の情報あり)(と加えてデータベースでは2002年6月22日〜8月10日の月曜日から土曜日まではEC231として、2002年6月23日〜8月4日(と加えてデータベースでは2001年6月10日〜8月5日)は日曜日のみEC233として運行された。

 

南行EC230は、DSB-IC3ディーゼル列車1ユニット(3両編成)でコペンハーゲンを9:40に発車し、この路線の他のユーロシティ列車と同様、デンマークのホイェ・ターストラップ、リングステズ、ニュークビン、ロービュ(11:35着/11:45発)でフェーマルン・ベルト海峡をフェリーで渡り、プットガルデン(12:30着/12:40発)、オルデンブルク、リューベックに途中停車したあと、ハンブルク中央駅着14:16。

 

対向列車北行EC231は、ハンブルク中央駅15:28発。その後、リューベック、オルデンブルク、グローセンブロイデ、プットガルデン(17:05着/17:15発)、ロービュ(18:00着/18:05発)、その後DSB内の前述の途中停車駅に停車し、終着コペンハーゲン着20:26(日曜日運転のEC233は20:59着)。こうして、82km/hという驚くべき表定速度に達する。この路線を走る他のユーロシティ列車同様、アブサロン号は2003年ダイヤ改正(2002年12月14日)でその名前を失うが、列車自体はその後も継続運行される。

 

 

  編成例(書籍内イラストから)

2002年夏ダイヤ

オープン座席車(1等・2等)、食堂車・ビストロ未連結

デンマークのディーゼル列車、途中増解結なし

 

今回は以上です。

 

 

参考資料:

・Die EuroCity-Züge: Teil 2 1994-2020 /Jean-Pierre Malaspina, Martin Brandt

・Thomascook European Timetable/Thomascook

参考ページ:

Datenbank Fernverkehr (Database long-distance trains)

Harrys Bahnen

ページ内写真:Flickr(引用元は写真とセットで明記)