Eisenbahn Österreich誌を参考に、2007年後半に発表されたオーストリア連邦鉄道(ÖBB)の2008年ダイヤに関する寄稿を日本語でまとめてみました。

なお、原本はドイツ語のため、機械翻訳で日本語への変換後、当時の鉄道状況などを別に調査したうえで追記、構成を変えて文章化しております。

 

まず、2007年10月号に寄稿されていた2008年ダイヤの概要について

(タイトル付けはブログ筆者が行いました)

 

 ウェストバーン(Westbahn、西部鉄道線)とその沿線

  • ウィーン〜リンツ間では、ユーロシティ/インターシティ列車の所要時間が約10分短縮される。この結果、2008年ダイヤからのウィーン発時刻は毎時40分/44分に、ウィーン到着時刻はインターシティで毎時18分、ユーロシティで毎時28分に揃えられる。
  • ICE766/767列車が従来停車していたザンクト・ペルテンは、今後通過となる。
  • インターシティの停車駅にフェックラブルック(Vöcklabruck)が加わる。
  • 長距離路線への変更により、その接続駅を含む支線のダイヤも変更される。
  • パッサウ経由でドイツ方面に抜ける長距離列車は現在、ウィーン西駅発6:40(ICE228)、8:40(ICE28)、10:40(ICE26)、12:40(ICE24)、14:40(ICE22)、16:40(ICE20)であり、所要時間はわずか4分短縮される。ウィーン西駅到着13:26(ICE21)、15:26(ICE23)、17:26(ICE25)、19:26(ICE27)、21:26(ICE29)、23:26(ICE229)については所要時間は1~2分短くなる。ただし、現在進行中の軌道工事の影響で、ヴェルス〜パッサウ間の一部所要時間は4分長くなっている。

ピュールン線(Pyhrnbahn)については2007年9月10日より、所要時間が若干短縮された新しい時刻表が適用され、長距離列車には当面変更は発生しない模様。

リンツ以西のザルツカンマーグートおよびザルツブルク行のウェストバーンのREX定期列車は、停車駅のあるトラウン(Traun)およびマーチトレック(Marchtrenk)経由で運行される。

 

 

 チロル地方とシュドバーン(Südbahn、南部鉄道)

 チロル州と合意したインタール地方のSバーンの拡張の第一段階として、平日の朝5時台から22時台までの間、ハル・イン・チロルのホールと少なくともテルフス・プファッフェンホーフェン間を結ぶ列車が30分間隔運転に増発される。

 ブレンナー線では、夜行列車286/287および288/289がEN 388/389に置き換えられる。ツェントラル・バーン(ZB)の30分等間隔運行は、ZBエリア外の区間複線化工事の遅れによって、ダイヤ改正同時に開始できず、2008年中導入となった。

 イタリア方面の長距離列車について、1134/1135列車の廃止により、アンコーナ行のアドリア海方面がなくなった。

 

 

 都市圏(ウィーン、グラーツ)

 ウィーン中央駅の建設に伴う措置として、南部鉄道エリアのSバーンに増発列車が組み込まれる。この影響は、昼間運行のポッテンドルフ線(Pottendorfbahn)の地域内列車にも及び、ホラブルン発アブドルフ・ヒッパースドルフ行が運行されるが、ウィーン・マイドリンク駅の線路形状から、ウィーン・マッツラインスドルフ広場駅は通過となる。また、アスパンバーン線とマッタースブルク線の直通列車の時刻も改善された。

 2007年9月10日、グラーツ中央駅の南側に新しいグラーツ・ドン・ボスコ駅が開業した。Steirertakt08の一環として、グラーツ周辺およびバート・ラドカースブルク方面への地域内列車のダイヤが改善された。

 

 

 オストバーン(Ostbahn、東部鉄道)など

 オストバーンとその支線にも新しい変更がある。長距離路線では、EC43(ウィーン西駅発5:25)/EC44(ウィーン西着20:08)が新設される。運行時刻について、EN269は15分遅く、EC41は67分遅く、D347は15分早い。EN466は18分遅く、EN268は15分早く運行する。

 深夜帯のウィーン発ブラチスラヴァ・ペトルジャルカ駅行は、REX7641 ウィーン発1:12のみだったが、REX7643がウィーン発3:12が追加設定されるため、深夜帯は2時間1本の間隔運行となる。ウィーン〜ジェール間には、追加で1往復のユーレギオ(Euregio)列車が運行される。ウィーナー・ノイシュタット〜ノイジードル・アム・ゼー間には、ヴルカプローダードルフ経由の列車が増発されている。

 フランツ・ヨーゼフ線(Franz-Josefs-Bahn)は、ウィーン・フランツ・ヨーゼフ駅発20:58のジークムントシャールベルク(Sigmundsherberg)行夜行列車REX2172を新設。ER2116/2119は国内線REXとなる。

 (ウィーン)北部鉄道エリアでは、ブジェツラフ駅の線路とホーム設備の全面的な改築により、ローカル列車の運行に影響が生じる。EC105が1時間出発が繰り上げられ、EC173の直後の運転となり、ブジェツラフ発22:12というウィーン行の夜間帯列車が新設される。ウィーン発ドレスデン行の寝台車は、カルロヴィ・ヴァリ経由ヘッブ行に変更される。

 北西(ポーランド)方面のシャトフ~ズノイモ間では、軌道工事により代行サービスが続けられている。ウィーンS7号線の最終夜行列車がフィッシャメンド発着で運行される。ウィーン市行政との合意に基づき、郊外線の列車は平日の午前と午後のピーク時間帯に10分間隔で運行される。さらに、プッフベルク・アム・シュネーベルク、フェーリング、ビショフスホーフェン行の夜間帯列車が増発された。

黄色部分はうまく理解できていない箇所があるので注釈をいれました。ウィーン→ドレスデンという列車は2007年ダイヤで存在しており、2008年ダイヤではそれがなくなりました。そこで使用されていた寝台車の行方の話だと思いますが、仮にヘップ行の列車を指しているのであれば、モスクワ、またはバンスカー・ビストリツァからの夜行列車となります。

 

 

以下は、2007年12月号に「追加情報」として寄稿された内容です。

 

  • ICE22/23~26/27のペアは、ドルトムント発着で運行される。411系と4011系のICE-T(振子式)列車は、パッサウ路線のICE列車に加え、562/661列車、116/117列車、そして今回の766/767列車を含む10日間ローテーションの共通運用となる。

 

  • アッテナング・プッフハイム〜カンマー・シェアフリンク間の通学輸送の需要が高いため、ÖBBは5往復に戻し、そのうち2往復は2008年5月1日から10月26日までの日曜日と祝日にも運行する。

 

  • ÖBB寝台列車がウィーン〜アムステルダム間の264/265、301/302、312/313列車で運行される。東欧でよく利用されている寝台車の運用範囲が拡大される形だ。ウィーン〜モスクワ間の寝台列車202/203が毎日運行となり、週末にはウィーン〜ミンスク間の寝台車も連結される。ウィーン〜ブダペスト間の標準所要時間は、現在より5分長い3時間1分で、反対方向は2時間58分となった。

 

  • ピーク時にウィーン郊外線で予定されている10分等間隔運行は、若干のダイヤ乱れが全体の運行に支障をきたす。ペンツィング(リュツォウガッセ分岐点)とウィーン・ヒュッテルドルフ駅間の長い単線区間では、列車は以前と同じようにわずか4分で折り返さなければならないし、ハイリゲンシュタットではホームと線路の配置がこの点で重要だ。ハンデルスカイでは、同時発着で折り返し時間が10分となるため、折り返し設備を再び使用しなければならない。ペンツィング・ウィーン・ヒュッテルドルフ地区では、かつて複線だった路線が解体され、その復讐が始まっている。(ここの黄色塗り区間もウィーン市内のSバーンの線路仕様によるもので、詳細をしっかり把握できておりません)

 

  • クライン・ヴォルカーズドルフ(Klein Wolkersdorf)駅はランツェンキルヒェン(Lanzenkirchen)駅に、エルラッハ(Erlach)駅はバード・エルラッハ(Bad Erlach)駅に改名される。プルカースドルフ、ピエスティング、アイゼンシュタット地区のさらなる駅名称変更は、後日実施される予定。

 

本日は以上です。

 

参考資料:Eisenbahn Österreich 10/2007 Kurzvorschau auf den Reisezugfahrplan 2008、12/2007 Ergänzungen zur Fahrplanvorschau 2008