2024年2月22日に、European Rail Timetable(ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)のSpring 2024 DIGITAL EDITIONがリリースされました。その中のNEWSLINESページの掲載情報から、毎週配信されているFRIDAYFLYERと重複しない情報をまとめます。

 

  春(3月)号の主な改訂点

 

【国際列車】

  • パリ〜バルセロナ間のTGV(9711/9706列車)について、春と秋の土曜と日曜に追加運転される(Table13)。なお、このTGVの運行時刻は、2024年3月30、31日の両日、パリ近郊で行われる工事の影響を受ける。
  • ベルリン・ブランデンブルク交通連合(VBB)は、ベルリン〜ヴロツワフ・クルトゥルツーク(Pociag do Kultury)が4月19日から運行再開すると発表(Table58)。4月号に確定した時刻を掲載できる予定。
ブログ筆者補足
Pociag do Kultury の正体については、過去の私のブログで取り上げております。ご興味のある方はご覧ください。

 

【イギリス】 

トランスペナイン・エクスプレスの便は、2024年4月22日から5月17日までの月〜金曜日の間、工事に伴い臨時ダイヤで運行される(Table188)。詳細は4月および5月のデジタル版で発表される。

 

 

【フランス】

ブザンソン〜ル・ロックル間は、2024年3月4日から10月31日まで全列車運休となる。この期間中は全便が代行バスで運行され、Table376aは変更後の時刻表で更新された。ル・ロックル〜ラ・ショー・ド・フォン間の列車は引き続き運転され、時刻はスイスTable511に記載されている。

 

 

【スイス】

スイス国鉄は2024年3月2日より、ゴッタルドベーストンネル経由の7本の追加便が設定されている。土曜日には南行が3便、日曜日には北行が4便運行される。これは、セドルンのトンネル内分岐点までの閉鎖されていた西側の北側23キロの区間が再開されたためである。トンネルの全面再開は、現在のところ9月2日に行われる予定である。Table550の特別バージョンは、578ページと579ページに掲載されており、最新の修正スケジュールの詳細が記載されている。なお、土曜日の南行臨時列車の時刻は、取材終了時点では未定である。

 

 

【イタリア】

  • 掲載した長距離列車(列車番号が表示されているもの)は、2024年6月8日の夏ダイヤ改正まで有効です。テルニ〜フォリーニョ間(Table625)の鉄道サービスは、5月4日から6月8日まで代行バスで置き換えられるが、時刻表は未入手のため、確定時刻は現地で問い合わせるか、イタリア国鉄のウェブサイトで確認されたい。
  • カターニア・ボルゴとアドラーノを結ぶ狭軌鉄道フェッロヴィア・サーキュメトネア(FerroviaCircumetnea)の区間が標準軌への改軌工事のため2024年6月1日から閉鎖される。

 

【スペイン】 このFriday Flyer掲載とほぼ同じ内容。リンクはこちらから。

 

 

【ドイツ】

  • アベリオ・レール・ミッテルドイッチュラント社は、2024年4月8日より、ライプツィヒ/ハレからアイゼナハ/ザールフェルトまでの路線において、変更された時刻で運転される(Table849)。修正後時刻は404ページに記載されており、現行時刻(4月7日まで有効)は602ページの別バージョンのTableに移動している。
  • ドイツ国鉄は、6月1日から9月1日(同日を含む)までの夏季期間中、長距離ICE、RJX、RJ、EC、ICサービスのドイツ発着のほとんどの国際列車で、予約必須とすると聞いている。ただし、ザルツブルクとクーフシュタイン(オーストリア)への移動、バーゼルまたはシンゲンを経由するスイスへの移動は対象外となる。なお、これらの列車を利用する国内旅行は予約不要で、国境を越える旅行のみとなる。特にインターレイルパスやユーレイルパスでの移動時、追加予約が必要となる。とはいえ、大概の路線には越境するローカル列車(予約不要)があり予約手数料が不要のため、のびのびと国際列車の旅が可能。
  • ドイツ全体のダイヤは2024年6月8日まで有効としているが、ほとんどのTableでは7月15日有効である。とはいえ6月9日〜7月15日は若干の時刻変更が生じる可能性があるため、この間の旅行計画は再度確認されたい。2024年サッカー欧州選手権が6月14日から7月14日まで開催され、期間中は通常よりも混雑が予想されるため、列車を増便する予定である。
  • 7月16日から12月14日までの間、フランクフルトとマンハイムの幹線は、大規模改修工事の影響で一時的に運休となる。そのため多くの長距離路線で所要時間が普段より延び、迂回運転される。これらの詳細については、2024年夏号に掲載予定。そのため7月15日までの旅行者は、春号、4月号、5月号を利用されたい。

 

【オーストリア】

ウィーン〜ブラチスラヴァ間の越境列車は、2024年3月4日から12月14日まで工事の影響を受ける。この期間中、マルヒェック〜ブラチスラヴァ間は運休となり、代行バス(片道1日4~5本)が限定的に運行される。Table996は変更後の時刻で更新されている。両首都間を移動する方は、ブラチスラヴァ・ペトルジャルカ駅〜キッツェー経由のウィーン間の代替ルート(Table997)を利用されたい。

 

 

【ポーランド】

ポーランド国鉄は年間ダイヤ5つの期間に分けて発表しており、2024年第1期目は2024年3月9日有効分だった。次期確定時刻は2月18日に発表されたが、一部の国際列車のダイヤを覗いて3月号の締切に間に合わなかった。そのため3月10日以降の国内列車を利用時は、現地で事前確認をされたい。

 

 

【チェコ】

Table1152に掲載された列車は、2024年9月30日までクシジャノフ〜ブルノ間で代行バスでの運行に置き換えられる。

 

 

  夏ダイヤの国際列車速報

  • Table18:2024年6月15日よりアムステルダム中央駅で行われる大規模改修工事の影響で、ユーロスター専用出発エリアが一時閉鎖される。この期間、ロンドン発アムステルダム行は、平日の4便から3便に減便され、ロンドン・セントパンクラス駅発8:16の9114列車が一時的に運休となる。アムステルダム発ロンドン行の時刻は、国境手続きが行われるブリュッセルでの最適な接続時間を提供するため、現在も最終調整中である。
  • Table89:247/246列車 Citadella(チッタデッラ)号 ブダペスト〜リュブリャナ間は、2024年6月16日から8月24日の間、スロベニアの都市、コペルへの直通列車併結を再開する。そのほか夏期に運転されるブダペスト発コペル、スプリット、リエカへの他の直通列車の情報は、まだ確認中だ。

 

今回は以上です。

 

ERTのTable 番号と突合する形で景勝ルートを紹介している鉄道旅行者向けガイドブックです。全文英語ではありますが、表現は平易なので安心して使えます。かつての地球の歩き方のヨーロッパ鉄道の旅シリーズが乗り方中心の構成でしたが、こちらは沿線紹介が中心の構成なので、現地の観光ガイドとしても有効です。

 

★ERTの春(3月)号(デジタル版、刷本版)が発行されました。★

 

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参考文献 European Rail Timetable Spring 2024(Digital Edition)