2023年に通年で、1987〜1993年の間に運転開始されたドイツ・オーストリアを走るユーロシティの歴史を振り返りました。その参考にしたのが、Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegendenというドイツ語本であり、この続編がDie EuroCity-Zuege: Teil 2: 1993 bis 2020 として出版されています。そのため、引き続き私の後学、備忘を兼ねて原文訳を補足しながらまとめていきます。位置づけは前回に続き第2編となります。

 

第2編の3回目は、列車番号 EC206/207を取り上げます。

EC 206/207

(この写真が参考文献に掲載されているわけではありません)

 

(以下本文を参照に日本語訳、一部表現、短縮名称等をブログ筆者で補足)

2015年12月13日にチューリッヒ中央駅〜フランクフルト中央駅間の新型ユーロシティ EC206/207が国際列車が新設された。これは2017年12月10日に導入予定のEC/ECE52/151(ミラノ〜フランクフルト)の先鞭となるもので、客車8両編成(2 Avmz、ARkimbz、Bvmz、3 Bpmz、Bpmbdzf)とDBの制御客車を含むプッシュプル編成が組まれ、フランクフルト中央駅~チューリッヒ間を1日1往復し、休暇時インターシティ フランクフルト中央駅~ブルク・アウフ・フェーマーン間の列車との共通運用に組み込まれた。

 

DB-101型電気機関車が牽引するプッシュプル列車は、EC207としてフランクフルト中央駅発8:01で、終着チューリッヒ中央駅着12:00。そこから、復路はEC206として、チューリッヒ中央駅発15:00でSBB-Re 460型電気機関車の牽引で走行し、フランクフルト中央駅着19:42。EC206/207の途中停車駅は、マンハイム中央駅、カールスルーエ中央駅、バーデン・バーデン、フライブルク・イム・ブライスガウ、バーゼル・バディッシャー駅、バーゼルSBB駅(EC 207は10:54~11:07、EC206は15:53~16:19)。北行きのEC206は前述に加えてダルムシュタット中央駅にも停車する。EC207は走行距離426キロを3時間59分で走破する。

 

フランクフルト~ルートヴィヒスハーフェン間のいくつかの区間と、マンハイム~バーゼル間のライン渓谷線(マンハイム~カールスルーエ、ラシュタット南駅~オッフェンブルク、シュリーエンゲン~ハルティンゲン)を最高時速200km/hで走行できる区間を通過するため、107km/hという抜群の表定速度を達成した。EC206の方が43分長い。これはバーゼルSBB駅での長時間停車の影響もあるが、ダルムシュタット中央駅(マンハイム・フリードリヒスフェルト駅、ヴァインハイム、ベンスハイムに途中停車)を経由するルートも一因だった。なおフランクフルト〜マンハイム間の所要時間は、EC207がわずか43分であるのに対し、EC206は1時間09分である。もちろん、これは表定速度にも影響し、EC206は91km/hに過ぎない。

 

前述の通り、EC206/207は、2017年12月10日からフランクフルト中央駅〜バーゼル区間でECE/EC151/52(フランクフルト〜ミラノ間)に置き換えられる。

 

 

  編成例(書籍内イラストから)

 

2017年夏ダイヤ 

コンパートメント客車(1等、2等)、オープン座席車(1等、2等)、食堂車・バー

ドイツの客車列車、途中増解結なし

 

今回は以上です。

 

 

参考資料:

・Die EuroCity-Züge: Teil 2 1994-2020 /Jean-Pierre Malaspina, Martin Brandt

・Thomascook European Timetable/Thomascook

参考ページ:

Datenbank Fernverkehr (Database long-distance trains)

Harrys Bahnen

ページ内写真:Flickr(引用元は写真とセットで明記)