今回は、たまたま入手したチェコ鉄道の1999年5月30日から2000年5月27日有効の刷本時刻表のお知らせをまとめて、当時の動きについて、ブログ筆者自身の備忘とします。なお、原本はチェコ語のため、機械翻訳で日本語、または英語に変換し、当時の鉄道状況などを別に調査したうえで文章化しております。そのため原文との若干のニュアンスの齟齬があるかもしれません。

 

ちなみに刷本の表紙は下記の通り。JÍZDNÍM ŘÁD(イーズドニーム・ジャード)とはチェコ語の時刻表の意味。A5サイズで607ページ、日本の時刻表でいえばコンパス時刻表を一回り大きくした程度、というと大きさ、厚さは伝わりますでしょうか。

記事内でも少し触れますが、以前は州跨ぎ列車と、州内列車で別冊になっていたようですが、この号で改めて合本化したようです。

 

 

  1999年〜2000年ダイヤ改正のポイントは?

 

新しい急行列車種別の導入

1999/2000年ダイヤから、Ex(Expres)という列車種別が導入された。この列車の運賃は急行列車と同額で、追加料金不要ですが、最低限の途中停車駅数、表定速度、車内サービスについて既存の列車種別であるインターシティと同等。このExに含まれる列車だが、チェコ国内の大都市間(ブルノ、オストラヴァ、プラハ、プルゼニ、フラデツ・クラーロヴェ)を高速に接続する列車、かつてのインターシティ(ブドヴァル号、デトヴァン号、フトニーク号)、スーパーシティ(チェコ国内の種別で、当時ユーロシティーよりも格上の列車。1等車のみで構成)ムラディ・スヴィエト号に代わってズリーン〜プラハ間で運転されるショハイ号が含まれる。

 

今回新設されたExは、チェコ国内の大都市への午前中到着を狙っている:

Ex 520/521 ショハイ号 ズリーン〜プラハ間 (ブジェツラフ〜プルジェロフ〜プラハの直通客車も併結)

Ex 531/530 モラヴァン号 ボフミーン〜オストラヴァ〜ブルノ間

Ex 532/533 ブドヴァル号 チェスケー・ブディェヨヴィツェ〜プラハ間

Ex 550/551  クラーロヴェ・フラデツキー急行 フラデツ・クラーロヴェ〜プラハ〜プルゼニュ

Ex 570/571 ブルニェスキー・ドラク(ブルノの龍)号 ブルノ〜チェスカー・トジェボヴァー〜プラハ

 

上記の列車は、ブルノ、ズリーン、チェスケー・ブディェヨヴィツェ、フラデツ・クラーロヴェからプラハ、オストラヴァ からブルノへ、早朝に運行され、反対方向へは、午後または夕方に運行される。

 

残りの列車もExとして運行される

Ex 140/141 オドラ号 プラハ〜オストラヴァ〜チャッツァ〜 (ズヴォレン)

Ex 142/143 デトヴァン号 プラハ〜オストラヴァ〜チャッツァ〜 (ズヴォレン)

Ex 506 フトニーク号 ボフミーン→プラハ

 

1999/2000年ダイヤ以降、チェコ鉄道は路線設備が許す限り、特定路線で主要都市間の所要時間を大幅に短縮している。

プラハ〜コリーン間およびブルノ〜チェスカー・トジェボヴァー間におけるコリドー1と呼ばれる路線工事が完了したことは、良い進展である。

 

 

Ex導入による主要都市間の所要時間が最も大幅に短縮された事例

区間 今回(1999/2000) 前年(1998/1999)
ブルノ〜プラハ 170分(Ex 570) 190分(EC 174)
フラデツ・クラーロヴェ〜プラハ 83分(Ex 550) 108分(R 752)
ブルノ〜オストラヴァ 137分(Ex 531) 166分(R 735)
パルドヴィツェ〜ブルノ 107分(Ex 571) 141分(R 681)

 

 


 

ブログ筆者補足

この当時の1999/2000年時点の列車種別を時刻表での記載方法ふくめて抜粋紹介します。

優等列車は、SC、EC、IC、Exの略号と、太字で時刻表記される。記載時間の左側に縦の点線がある場合(例:16 36)は追加料金が必要な列車であることを明示している。列車内には近代的な冷房車と食堂車が連結されているか、軽食(ミニバー)の車内配布されている。

  • SC スーパーシティ チェコ鉄道の列車で、最高水準の品質、サービスを有する。1等車のみの編成で要予約。特定の場所においてのみインターネット接続や列車電話の利用も可能。
  • EC ユーロシティ 国際的に標準化されたヨーロッパ鉄道の列車。
  • IC インターシティ 品質が保証された列車、より高い品質の列車には追加料金が必要、予約可能、1等・2等客車を連結。
  • Ex エクスプレス、近代化された1等・2等客車を備えた列車。
  • 特急列車(R)は、太字で時刻表記され、列車欄全体が網掛けされている。列の先頭に2の表記がある場合、2等車のみで構成されていることを明示する。予約可能な列車はRで示される。
  • 直通列車(Sp)は、太字で時刻表記され、列車欄全体が網掛けされている。列の先頭に2の表記がある場合、2等車のみで構成されていることを明示する。
  • 普通旅客列車(Os)には特別な表示はない。列の先頭に1.2.の数字がある場合、列車は1等・2等車で構成されていることを明示する。

 

 

  紙面内時刻表の新レイアウトと路線番号の変更

今回発行された時刻表では、国際鉄道連合UICの法令に由来し、他の鉄道会社の時刻表と同様の新しいデザインの路線別時刻表が使用されている。列車欄に列車名記載されるスタイルが復活。別番号の路線から到着する列車、またはその路線に乗り継ぐ場合方に新導入された「出発駅」と「終着駅」で、その列車の出発駅または終着駅を示す。

 

紙面内に掲載された列車と、それに接続する列車の時刻データは、列車欄と同じ書体で記載されるが、これはその駅に直行する、すなわち乗り換え不要であることを意味します。一方で、乗り換えが必要な列車接続は当該区間の時刻データが斜体で記載される。これらの変更は、接続する列車の検索が容易になるだろう。この新レイアウトでは、いくつかの路線は時刻表表示にあたって分割、番号変更が生じている。そのため、利用にあたっては索引地図や駅一覧ページでより丁寧に確認されたい。州またぎの鉄道線は従来別冊化していたが、利用者の関心が低く、今回の時刻表刷本からは、再び1冊(合本化)にまとめることになった。

 

 


ブログ筆者補足

下記は1993/94年のチェコ鉄道の時刻表の、路線番号010号線(チェスカー・トジェボヴァー〜コリーン(〜プラハ)です。網掛け時刻は優等列車(おそらく特急列車以上)を指しています。ご覧の通り、この当時の時刻表では、各路線ページの存在はあくまでも当該区間内の発着を明示するためであり、各列車の始発、終着駅情報が欄外で明記するのが慣例でした。優等列車に付与される列車名も同様に欄外注釈で確認できます。
 
 
下記が今回取り上げた1999/2000年のチェコ時刻表紙面。赤枠箇所が、時刻表の新レイアウトのポイントである「出発駅(Ze stanice)」と「終着駅(Do stanice)」の欄が新設されていることと、列車名が欄外注釈から列車時刻に添える形で明示されるようになっていることがわかります。
 
今回は以上です。
 
参考資料:České dráhy JÍZDNÍM ŘÁD 1999/2000、同1993/1994
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。