2023年12月8日に、European Rail Timetable(ヨーロッパ鉄道時刻表、以下ERTと略)のDecember 2023 (Winter)Digital Editionがリリースされました。


その中のNEWSLINESページの掲載情報から現地時間12月10日から施行される、ヨーロッパ鉄道の2024年ダイヤの概要をまとめました。

 

なお、過去のNEWSLINES、または毎週配信されているFRIDAYFLYERと重複する情報について、【更新】または【再掲】のマークを付与することにします。

 

今年も各国でそこそこの動きがあるため、複数回に分けて取り上げます。今回は、国際列車に関する2024ダイヤの概要です。9月号から【冬ダイヤの先出し情報】として、先行情報を配信してきましたが、そのあたりの更新状況も確認しております。

 

【国際列車】

  • 【更新】10月15日より、タリス全便がユーロスターにブランド変更され、関連するすべてのTable 内の表記が更新された。ユーロスターは最終的に、現在ロンドン発着便とタリス発着便で異なっている3つのサービスクラスを統一する予定である。
  • Table 9 トラベルスキー・エクスプレスは、リール・ヨーロッパ駅での乗り換えが必要ながら、ロンドン・セントパンクラス駅発ブール・サン・モーリス行のスキー列車を今年も週1便運行する。タリスからユーロスターへのブランド変更(上記参照)に伴い、アムステルダム発ブールサンモーリス行のスキー便はユーロスター・スノー(旧タリス・ネージュ)に、アムステルダム発マルセイユ行の夏季便はユーロスター・サン(旧タリス・ソレイユ)に改名された。
  • 【再掲】Table 10 2024年6月から2025年1月までの間、アムステルダム中央駅改修工事のため、アムステルダム発ロンドン行の直通のユーロスターは一時運休となる。この期間、アムステルダム発ロンドン行の乗客は、まずブリュッセルへ移動し、そこで国境手続きを行った後、別列車でロンドンへの旅を続けることになる。ロンドンからアムステルダムへの直通列車は通常通り運行される。
  • 【再掲】Table 13 バルセロナ発パリ行のTGVが1日2便、1時間繰り上げて運行されます
  • 【再掲】Table 22 アムステルダム〜ベルリン間のインターシティが全面的に変更され、所要時間が約30分短縮される。これは、国境駅バート・ベントハイム(Bad Bentheim)での機関車交換がなくなることで停車時間の大幅短縮と、ドイツ内の途中停車駅が減ったため。
  • Table 28 従来アムステルダム〜フランクフルト間をケルン経由で運行していたICE125/124便は、現在はアムステルダム〜デュッセルドルフ間に運転区間短縮されている。ケルンおよびフランクフルトからの利用の場合、別の接続列車を利用する必要がある。
  • Table 28 アムステルダム〜ドイツ間の国際列車ICEは、2024年1月6日~19日および5月14日~6月14日に限り、変更されたダイヤで運行される。その概要は、ドイツページ375ページおよび378ページのパネル(Table 800)に記載されている。
  • Table 53 ブリュッセル発ウィーン行ナイトジェット NJ425は、ブリュッセル発火・木・土曜日に運行される(従来は月・水・金曜日)。逆方向のナイトジェット NJ50490は、ウィーン発月・水・金曜日(従来は火・木・日曜日)の運行。
  • Table 53 ナイトジェット NJ491/490(ハンブルク〜ウィーン間)およびNJ40491/40420(ハンブルク〜インスブルック間)は、オーストリア国鉄の新世代の夜行列車車両が導入された。新型車両には、一人旅の旅行者にリーズナブルな個室寝台を提供し、プライバシーに配慮している。オーストリア国鉄は2024年夏までに、ウィーン〜ブレゲンツ間の国内夜行便にもこの新型車両をさらに導入する予定だ。
  • 【再掲】Table 55 ケルン、フランクフルト経由のブリュッセル〜ベルリン間(NJ 425/424)と、ストラスブール経由のパリ〜ベルリン間(NJ 40469/40424)の2つの新しいナイトジェットが運行開始。これらは当初週3日運行だが、2024年10月1日からは通年運行予定。
  • 【更新】Table 58 ベルリン〜ヴロツワフ間のKulturzug/Pociag do Kulturyは、当初2024年1月1日まで運行されるが、その後は撤退の危機にさらされている。新聞報道によると運行継続される模様。将来的にはワルシャワへの延長運転案もあり。
  • 【再掲】Table 60 Table 60:ナイトジェット NJ 457/456 ベルリン〜グラーツ線(ナイトジェット NJ 40457/40476 ベルリン〜ブダペスト経由便を含む)は、従来のヴロツワフ、ボフミーン経由から、ドレスデン、プラハ経由に変更される。
  • 【再掲】Table 64 ウィーン〜ハンブルク間にパッサウ、ニュルンベルク、ベルリンを経由するICE列車が1往復増発された。
  • 【再掲】Table 70:ベルリン~フランクフルト~シュトゥットガルト~ミュンヘンの各方面へのICEの一部列車が、クーフシュタイン経由でインスブルックまで運行区間延長し毎日運行されます。1211列車はミュンヘン発21:34→インスブルック着23:18。逆方向の1218列車は、インスブルック発8:40→ミュンヘン着10:29で引き続きドイツ国内の運行が続きます。2024年4月8日以降、ドイツ・イタリア間のユーロシティ3組(EC 87/86、89/88、287/286)はレイルジェットとなり、残りの4組も10月1日以降、同様にクラス変更されます(ユーロシティとしては廃止)。
  • 【更新】Table 75 ミュンヘン〜チューリッヒ間(EC 195/194)が毎日運転として新設された。
  • 【再掲】Table 77 ベルリン〜クラクフ間にインターシティが新設される(※過去の記事にIC 55/54:ODRA号と明記あり)。
  • 【再掲】Table 78 ブリュッセルとベルリン中央駅を結ぶ週3回運転のヨーロピアン・スリーパー(ES 453/452)は、2023年12月10日よりベルリン東駅にも延長し乗り入れます。2024年1月8日から3月24日までは週2回に一時的に減便、その後週3回に復便する。
  • 【更新】Table 82 2023年8月10日にゴッタルドベーストンネルの西側トンネルで貨物列車が脱線したため、旅客列車はトンネルを通過できず、現在旧線経由で迂回運行している(旅客列車は安全上の理由からトンネルの東側トンネルを使用できない)。しかし、スイス国鉄は、2023年12月10日から4月14日まで有効なゴッタルド・ルートの新しい臨時ダイヤを発表、一部の旅客列車が金・土・日に限り全線開通している東側トンネルを利用することになる。金曜日の午後は南行7便が、土曜日は南行10便がベーストンネルを経由する。北行では、日曜日の午後に14便がベーストンネルを経由して運行される。詳細はTable 82、およびスイスTable 550の特別版(606ページと607ページに掲載)に記載されている。なお、ECE 151/150 フランクフルト〜チューリッヒ〜ミラノ線は、この期間中、フランクフルト〜チューリッヒ間の区間短縮運行となる。なお通常運行は4月15日予定である。そのほか、ドモドッソラ〜ミラノ間で軌道工事が行われるため、EC 53/52 バーゼル〜ミラノ間およびEC 37/38 ジュネーブ〜ミラノ間は6月8日まで月〜金は運休となる。
  • Table 99 クラクフ〜ウィーン間に新設ユーロシティ EC 103/102 ダヌビウス号が新設、ヴロツワフ〜ウィーン間の直通車両(列車番号 203/202)も運行される。あわせて、新しい夜行列車ユーロナイト EN 407/406はミュンヘン〜ウィーン〜クラクフ〜ワルシャワ間で運行を開始。ただし、グラーツ〜ワルシャワ間の直通車両は廃止された。
  • Table 99 レオ・エクスプレス 列車番号413/412 プラハ〜クラクフ間の途中停車駅について、カトヴィツェからオシフィエンチムに変更される。
  • Table 99 EC 131/130 バーソリ号 テレスポル〜ワルシャワ〜ブダペスト間は、テレスポル〜ワルシャワ間の運行を終了し、ワルシャワ止まりの列車となる。

 

下記3情報は、9月〜11月号の【冬ダイヤの先出し情報】でしたが、今回発表された紙面をみても「確認できなかった情報」となります。編集中に動きがあり、未設定となったものと判断しました。備忘をかねて掲載しますが「ERT12月号では掲載されていない情報なので、実際の旅行情報として参考にしないようお願いいたします。

  • Table 61: ウィーン〜ティミショアラ間に昼行ユーロシティ(EC 121/120)が新設されます→その列車の掲載がなかった
  • Table 65: EN 347/346 ダチア号 ウィーン〜ブダペスト〜ブクレシュティ間について、ウィーン - ブダペスト間の運行ダイヤ変更、その空いた時間に別のユーロシティが新設されます。→その列車の掲載がなかったのと、ダチア号が通常の長距離急行列車に格下げされていた
  • Table  66: オーストリア国鉄は、ブダペスト〜ニュルンベルク間をウィーン、パッサウを経由するユーロシティの新設を提案しています→その列車の掲載がなかった

 

今回は以上です。

 

ERTのTable 番号と突合する形で景勝ルートを紹介している鉄道旅行者向けガイドブックです。全文英語ではありますが、表現は平易なので安心して使えます。かつての地球の歩き方のヨーロッパ鉄道の旅シリーズが乗り方中心の構成でしたが、こちらは沿線紹介が中心の構成なので、現地の観光ガイドとしても有効です。

 

★ERTの12月号(デジタル版)が発行されました★

 

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過去のERT NewsLines、The Friday Flyerのまとめサイトはこちら 

 

参考文献 European Rail Timetable December(Winter) 2023(Digital Edition)