チェコの鉄道情報サイト Railvolution より、チェコのオペレータであるレオ・エクスプスレスよる新たな運行計画発表の記事について。

 

ページ内に掲載されたイメージ画像では、シーメンス社製電気機関車ベクトロンに牽引された客車列車となっておりますが、今回の記事に深く関係しています。

 

 

新たな運行計画とは?

2025年ダイヤ(2024年12月施行)から、ベルギーとスロヴァキアを直通する列車を運行するというもの。具体的にはオーステンデ~プラハ~ブラチスラヴァ間を1日1往復運行されるようです。

記事内にダイヤの一例として、

オーステンデ発6:15、ブリュッセル南駅着7:22、ハノーファー着13:45、プラハ着20:00ごろ、ブラチスラヴァ着翌日1:13とのこと。各都市間を高速に接続するとはいかないまでも、中央ヨーロッパの心臓部を確実に貫通するルートとなります。

 

 

計画の背景にあるスペイン鉄道「Renfe(以下、レンフェ)」とレオエクスプレスとの関係は?

実は、この新たな運行計画の発表は、2023年11月現在、レオ・エクスプレスの公式ページには掲載されておらず、記事の出処は、その大株主となるスペイン鉄道、レンフェによるもののようです。

 

ご存知の通り、レンフェはかつてのスペイン国鉄であり、今回紹介するレオ・エクスプレスのプロジェクトのほかに、フランスとの国際列車運行にはじまり、アメリカ・カリフォルニアの新幹線計画、サウジアラビアの新幹線運行、メキシコ・マヤトレンにも参画しています。

 

レンフェとレオ・エクスプレスとの関係は2021年に遡り、レンフェがレオ・エクスプレス社の株を50%取得しており、当時から、中央ヨーロッパでの足がかりを探しており、将棋で言えば桂馬の動きで、欧州全体のオープンアクセスサービスを席捲していこうと考えていることは明らかでした。今回その具体的な計画のひとつが発表されたものの、実はレンフェ、レオ・エクスプレス両社ともにこの記事出自時点でベルギーの運行に必要な証明書を取得できていません。記事によれば「それを保持する会社と協力」という表現で今後の動きをほのめかしています。この安全証明が取得できるまではドイツ止まりの仮運行が2024年冬ダイヤが始まると考えられます。

 

 

運用につく車両は?

2023年現在、レオ・エクスプレス社が保有する車両は、シュタッドラー社のFLIRTシリーズ(電車)だけであり、今回イメージ画像に機関車牽引の客車列車を提示したことから、ベルギー、ドイツ、チェコ、スロバキア間を電車で直通することは難しいことを示唆しています。

今後投入される機関車や編成等は各種サイトで開示されるでしょうから、続報を待ちたいと思います。

 

本日は以上です。

 

参考サイト:Railvolution,Renfe,Leo Expressの各ページ、Wikipeia