先日、北海道稚内に伺った際、稚内駅で入手した時刻表を紹介します。

 

 宗谷本線 鉄道・バス共通時刻表

 

この時刻表は、一見全国どこでも見かける駅配布の壁貼り時刻表に見えますが、元は宗谷本線の活性化を狙った実証事業の一環として作成されたものです。

 

その詳細は下記道北ネットに記事がありますので、ご興味ある方はぜひ御覧ください。

 

 

活性化にむけた実証実験の目的は、

・札幌~稚内間の都市間輸送維持・強化による利用拡大

・宗谷本線沿線地域の公共交通の維持、利便性向上

を図ることにあります。

 

そのため、具体的な取り組みとして、2023年は、

・高校直通バス実証運行(幌延~稚内間)

・宗谷本線の特急利用を促進するため、住民を対象に名寄~稚内間で特急料金の補助

・比布駅と剣淵駅での一部特急列車の臨時停車

などが計画されているようです。

 

宗谷本線の活性化のカギとなるのは、単に鉄道だけにテコ入れをするのではなく、それに接続する地域バス、都市間バスの維持、利便性向上です。相互接続が可能であることが利用者に明瞭に提示できれば、地域住民はもとよりエリア外からの利用者にメリットがあるわけです。

 

それを踏まえて、A3サイズの上質紙に稚内〜天塩川温泉間の鉄道とバスのダイヤをまとめたものが今回紹介する時刻表。下記は上り(稚内発)のバス・鉄道時刻表の一部です。

 

この時刻表に注目したのは、従来の時刻表では、宗谷本線とその沿線駅から発着するバスは別ページで紹介しているのが通例ですが、同じ紙面内に鉄道↔バスの接続がまとめられて、さながらナビゲーションに近い役割をしてくれています。

 

赤字はJR線の情報黒字はバス路線の情報が視覚的にわかりやすく、接続するバス会社の連絡先がQRコードが添えられているので、スマホとの相性も考慮されています。

 

手元に交通新聞社の北海道時刻表がありますが、それにも掲載されていない住民・地域バスも拾っているのが共通時刻表の強みだと思います(例:音威子府村地域バス、中川町住民バス)。

 

北海道内では、北海道新幹線開業に伴う並行区間のJR線廃止など、鉄道存続に関するネガティブ情報を毎日のように目の当たりにします。趣味的な感想しか筆者は申し上げませんが、これこそ政治が関わって旅客向けだけでなく包括的な鉄道の活用方法を議論、実証していく時期を迎えており、この実証事業も少しでも活用に寄与していくことを願ってやみません。

 

本日は以上です。

 

 

 

参考サイト:道北ネット

参考資料:宗谷本線調査・実証事業協議会作成鉄道・バス共通時刻表、北海道時刻表2023年7月号