1987年からTEEの後継としてはじまったユーロシティの歴史を振り返っていく企画を立ち上げました。ドイツから取り寄せた、Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegendenの翻訳を通じて、ユーロシティーの一端を知る、文字通り「備忘録」としたいと思います。

 

まとめの対象ですが、前述の書籍内では1987〜1993年の間に運転開始されたユーロシティを扱っており、その中の列車名ごとに歴史や仕様がまとめられているページとします。書籍の紹介順に倣って、56回目は、ギュスターヴ(グスタブ)・エッフェルを取り上げます。

(以下原文訳、一部表現、短縮名称等をブログ筆者で補足)

アレクサンドル・ギュスターブ(グスタブ)・エッフェル(1832年 - 1923年、アレクサンドル・グスタブ・ボニックハウゼンとして生まれ、エッフェルと呼ばれる)、ドイツ人血統のフランス人技師。

 

ギュスターヴ・エッフェル号という名称は、1987年から2004年にかけて、2つの異なる路線で2組の列車に使われている。まず、1987年5月31日から、ユーロシティ導入に伴い、かつてのインターシティIC 42/43 ディアマント号、列車番号はそのままでユーロシティ ギュスターヴ・エッフェル号となり、デューレン、アーヘン、ヴェルヴィエ、リエージュ、ブリュッセル北駅、ブリュッセル南駅、モンス、ウルノワ、サン・カンタンを経由してケルン(EC 42 13:20発/EC 43 19:29着)とパリ北駅(EC 43 13:30発/EC 43 19:29着)を結んでいた。翌年(=1988年)にはすでにユーロシティの地位を失い、D 248/249となるが、1989年5月28日までその名称は維持された。

 

1989年夏ダイヤから、ギュスターヴ・エッフェル号の名称はフランクフルト中央駅~パリ東駅間の新列車EC 54/55(旧D 254/255)に引き継がれ、途中停車駅はダルムシュタット、マンハイム、ルートヴィヒスハーフェン、ノイシュタット、カイザースラウテルン、ホンブルク、ザールブリュッケン、フォルバッハ、サン=タヴォル、メス(DB(ドイツ鉄道)-181.2形電気機関車からSNCF(フランス国鉄)-BB15000形電気機関車に交換かつ方向転換)、バール=ル=デュック、シャロン・アン・マルヌ(現シャロン=アン=シャンパーニュ)となった。この列車はSNCFコラーユ客車で構成され、両方向とも午後時間帯の接続を引き継いでいる(EC 54 フランクフルト発10:49、パリ東駅着17:09/EC 55 パリ東駅発12:57、フランクフルト着19:12)。1991年夏ダイヤから、ギュスターヴ・エッフェル号はフランクフルト以東に延長運転され、フルダ、ベブラ、エアフルトを経由してライプツィヒ発着となったが、ライプツィヒへのEC 55の到着時刻0:32も、EC 54の出発時刻5:30も、高い需要を生み出すには適しておらず、このような背景から、1993年夏ダイヤからフランクフルト中央駅に戻ったのは驚くべきことではない。

 

その後何年もの間、列車番号、車両(SNCF提供)、時刻表は、この路線の他のユーロシティとは異なり、驚くほど固定されている。2000年12月2日からは、耐用年数を迎えたSNCFの食堂車に代わって、ドイツ国内インターレギオ用に設計されたDB「ビストロ・カフェ」客車(AR-kimbz形)が使用されるようになった。 残念なことに、現在「ボード・ビストロ」と呼ばれているDB客車は、2003年に再び使用されなくなった。 EC 54/55がドイツ国内区間でその名前を失うのは2003年12月14日のことであり、その1年後(=2004年冬)にはフランス国内区間でもその名前を失った。さらに3年半後廃止され、LGV東ヨーロッパ線のICE-3電車に置き換えられた。

※各種時刻表やデータベースを参照したところ、2003年12月冬ダイヤ施行のタイミングで列車名自体がなくなっているようだ

 

 

  編成例(書籍内イラストから)

 

1989年夏ダイヤ 

コンパートメント車、オープン座席車(1等・2等)、食堂車、ザールブリュッケンとメスで増解結。フランスの車両(コラーユ)のみ。

 

今回は以上です。

 

 

参考資料:

・Die EuroCity-Zuege - Teil 1 - 1987-1993: Europaeische Zuglegenden /Jean-Pierre Malaspina, Manfred Meyer, Martin Brandt

・Thomascook European Timetable/Thomascook

参考ページ:

Datenbank Fernverkehr (Database long-distance trains)

Harrys Bahnen

ページ内写真:Flickr(引用元は写真とセットで明記)